■ 浜口隆則の経営論 Vol.4:90点の誘惑 ■
90点というのは、怖い数字だ。
なぜなら、提供者側は、それで満足してしまうことが多いが、
受益者側(お客さん)は、それで満足することは
絶対にないからだ。
人がお金を払う時、90点で良いとは思っていない。
しかし、提供者の多くは、90点で満足してしまう。
この意識の差が、失敗を生む。
仕事は、学校のテストとは全く違う。
90点だからなかなか良かった、なんて考えてはいけない。
100点を取っても、喜んではいけない。
お客さんは、100点で【当然】だと思っている。
仕事の世界では100点が当たり前なのだ。
お客さんの期待は、対価を払っている以上、
100点なのである。
それを分かっていない経営者が多過ぎる。
だから、失敗してしまう。
90点で「まあイイか」と思っていないか?
90点で満足していないか?
90点の誘惑に負けていないか?
90点で満足することは、とてもラクだ。
しかし、それで満足させられるのは自分自身だけだ。
お客さんではない。
90点で満足するのを、今日からやめよう。
― 浜口隆則・著『社長の仕事』より