「老舗」という言葉を聞いて、
どんなお店(または会社)を
思い浮かべますか?

和菓子屋、蕎麦屋、呉服屋 などなど、
由緒あるものが
頭をよぎるのではないかと思います。

実はこの「しにせ」という言葉、

現在は中国由来の
「老舗」という漢字をあてていますが、
もともとは「仕似せる」という
動詞が語源であることを
ご存知ですか?

1.老舗の語源は、実は◯◯

「老舗」とは、
単に「同じもの」を
守っているわけではなく、

前のものに
「似せながら、新しくしている」
もののことを言います。

「変わり続けたお店/会社」だけが、
老舗となる。
僕は、この考え方が大好きです。

ただし、「ただ変わる」だけでは、
老舗にはなれません。

老舗を目指す上で僕が重要だと思うこと。
それが、「歩く」こと。

いったい、どういうことでしょうか?

2.老舗をつくる要諦は「歩く」こと!?

老舗(仕似せる)ためには、
絶えず
「進み続ける」
「変わり続ける」
ことが必要です。

ただし、
決して「走ったり」「ジャンプ」しては
いけないと思うのです。

人間の歩く姿を思い浮かべてみましょう。

私たちは歩くときに
「片足を支点にして」しか、
一歩を踏み出すことができません。

会社でも同じです。

「いきなり違うビジネスをする」
「急に大きくやり方を変える」

こういったことをすると、
老舗としての「ブランド」が
失われてしまいます。

しっかりと自分たちの
「理念」や「らしさ」を
大事にして(支点として)、

それをブラさぬように、
変化を起こす(一歩を踏み出す)。

「一歩」で進める距離は短いかもしれません。

しかし、その「一歩」を、
気の遠くなるような期間、
気の遠くなるような数、
積み上げてきたのが
老舗と呼ばれるお店/会社なのだと思うのです。

3.「とんでもないところにたどり着く」
 ための、唯一の方法

野球界の大スター「イチロー」も、
こんな言葉を残しています。

_________________________________

小さいことを積み重ねるのが、
とんでもないところに行くただ一つの道

            イチロー
_________________________________

一歩の歩みは小さくとも、
コツコツと、その一歩を積み重ねる。

急いだり、止まったりを繰り返すよりも、
「同じペースで歩み続けた者」が、
最も遠くへとたどり着くのです。

例えば、札幌のお土産で有名な
六花亭の「マルセイバターサンド」。

▼マルセイバターサンド画像はこちら
https://www.rokkatei-eshop.com/store/ProductDetail.aspx?sku=10051

昔から変わらず
「定番」に見えるこの商品は、
実は、ものすごい数の
「変更」を繰り返しています。

発売当初から比べると、
クッキーも、クリームも、
何もかも、全くの別物に
なっているそうです。

たゆまず「変化・進化」を
続けるからこそ、
「定番」で有り続けられるのでしょう。

***

会社に限らず、全ての生物は、
一瞬たりとも「同じ状態」で
居ることができません。

変わり続けること。

それは、私たちに
義務付けられたことなのです。
その中で、何を守り、何を変えていくのか。

それこそが経営において、
最も大事なことなのかもしれません。

ライター:黄塚 森


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