「確証バイアス」という言葉を
聞いたことはありますか?
これは心理学の用語で、
「自分が正しいと思いたい」情報を
無意識のうちに集めてしまう傾向
のことを言います。
経営や仕事においても、
この「確証バイアス」は、
判断を誤らせる大きな要因です。
実は僕も最近、
まさにその「確証バイアス」の威力を
実感した出来事がありました・・・。
” ハル “トラダムスの大予言
僕の妻は2018年12月7日に、
2人目の子どもを出産予定でした。
でも、出産予定日を過ぎても
一向に産まれる気配はなく。
さらに
10日が経ってしまいました・・・。
僕も妻も、焦りが募ります。
そんなある日、
2歳になる長男(ハルという名前)と
家で遊んでいると、
突然、何の前触れもなく、
こんなことを言うのです。
「赤ちゃん、もうすぐだね。」
それまで、親から子に向かって
赤ちゃんの話をすることはあれど、
子どもから赤ちゃんの話をすることは
ありませんでした。
そして僕は、
こう思ってしまったんです。
「小さな子どもは、きっと
直感で産まれるタイミングが
わかるんだ!」
息子にも、
念を押して聞いてみます。
「え!そうなの?赤ちゃん、産まれるの?
いつ産まれるの?今日?」
「うん。今日。」
間違いない!
僕は、赤ちゃんが産まれることを
確信しました。
偶然にしては、できすぎている
そして、
奇しくも次の日は「息子の誕生日」。
「すごい!2人目の子も、
1人目と同じ誕生日だ!」
僕の「確信」は、
ますます強くなっていきます。
そして、さらに!
夜中の3時。
妻が布団から起き上がっています。
「アイタタタ・・・」
お腹に強い痛み。
「陣痛が、ついに来た!」
あれもこれも、起こることはみんな、
「出産の兆候」ばかりです。
現実は、そんなに甘くない
朝まで待って、
産婦人科に向かいます。
会社には
「産まれるかもしれない!」と
連絡を入れました。
妻のお腹にも、
繰り返し痛みが訪れています。
そして、産婦人科に到着。
「どうですか!?
これからお産ですか?」
腕まくりをする勢いの僕たちに、
助産師さんが応えます。
「まだ、産まれませんね〜。
陣痛ではないですね。」
『え・・・?だって、
息子が、ああ言ってたし・・・。
今日は息子と同じ誕生日だし・・・。
今までになかった
お腹の痛みもあったし・・・。
え?え!?』
頭の中はパニックですが、
これが現実。
僕は「確証バイアス」に
見事やられたわけです。
「赤ちゃんに早く産まれて欲しい!」
という焦りが、
「“もうすぐ産まれる”兆候」を
集めてしまったのです。
確証バイアスの可能性を意識する
これは、仕事の中でも
日常的に起こるもの。
特に「失敗しそうな案件」に対して、
「回避できる可能性」を
集めてしまったりします。
いわゆる「希望的観測」
というものですね。
「確証バイアス」は、
どの人にも起こるもの。
常に「やられていないか?」と
意識をしながら、日々の仕事に
取り組んでいきましょう。
自分も普段から
気をつけていたつもりだったのですが、
気をつけなきゃいけないな・・・。
と改めて気を引き締めた出来事でした。
PS.
赤ちゃんはその後、
12月21日に無事、産まれてきました^^
ライター:黄塚 森