先日、
「スパイスカレー教室」で
先生をしてきました!

と、いうのも、
何年か前からスパイスカレーに
ハマっているんです。

毎週いろいろなカレーを
つくっているうちに、
深みにハマってしまいまして・・・。

ひょんなことから、
20名ほどの参加者さんに、

オリジナルカレーを
振る舞うことになりました笑
(皆さま、有料でのご参加です)

今回は、カレー教室から得た
「顧客に関する意外な学び」を
お伝えします。

その学びとは・・・。

1.「教室」であると、当日に知る

もともとのオファーは、
こんな内容だったんです。

「イベントで
 カレーを振る舞ってくれませんか?

 参加者は子ども連れのご家族で、
 全部で20名くらいです!」

僕は快諾して、レシピづくりや、
材料の準備を進めていきました。

そして、当日。

会場に着いてみると・・・

そこには、
エプロン姿のお父さんがずらり。

「ん・・・?汗」

戸惑う僕を尻目に、
主催者さんが僕を紹介します。

「今回の“カレー教室”の講師、
 黄塚先生です!」

「え・・・!?
 “教室”だったんかい!笑」

内心は大焦りですが、
そこは何とかポーカーフェイスで。笑

幸い、年間に100回以上、
人前に立たせていただいているので、

何とか“先生”として
乗り切ることができました^^

イベント自体は好評で、
参加者さんも大喜び!

でも、僕は1つだけ、
大きな失敗をしてしまったのです・・・。

2. 価値とは「顧客が感じた良さ」のこと

僕が犯してしまった、
大きな失敗。

それは、参加者さんたちに
「料理の説明」をせずに、
カレーを振る舞ってしまったことです。

案の定、参加者さんたちは
「オイシイ」とは言うものの、

「感動する」というレベルの
リアクションではありませんでした。

これ、些細なことに見えて、
実は僕らの日常の仕事にも、
大いに関係しています。

つまり僕は、
「顧客満足のコントロール」に
失敗してしまったのです。

「え、どういうこと?」

スパイスカレーというもの自体、
参加者さんからすると
「非日常食」なんですね。

それはつまり、お客さんの中には
「良い/悪い」の尺度そのものが
無いということ。

だから、その状態で
スパイスカレーを食べると、

「よくわからん食べ物」として、
飲み込まれてしまうんです。

本来であれば、僕はここで、
きちんと「説明」をするべきだった。

例えば、次のように。

「今回のカレーは豆鼓(トウチ)という
 中華の調味料を使ったカレーです。

 子どもさんの参加も多いので、

 “辛くないけど、
   スパイスが弾ける!”を

 目指してレシピをつくりました。

 ほとんど辛さはないので、
 安心して食べ進めてください。

 スパイスは、
 あれと、これと、それと、
 10種類ほどを使っています。

 食べていただくとわかるんですが、
 最初に、こういう香りがして、

 後から、こんな香りが
 鼻を抜けていくと思います。

 副菜は、◯◯と△△と××。
 それぞれ、こんな味です。

 まずは、それぞれを少しづつ食べて
 味を確かめみてください。

 後半は、それぞれを混ぜ合わせながら
 食べてみてください!」

フレンチやイタリアンの高級店でも必ず、
食材や調理法の説明が入りますよね。

これはいったい、
何をやっているのかというと、

「注目すべきポイントや、
「美味しい理由」を

相手にインプットしているんですね。

これが有るのと無いのでは、
顧客の食体験が大きく変わります。
(まったく同じものを食べているのに!)

商品の価値とは、
「顧客が感じることのできたもの」
だけなのです。

まったく同じものを食べても、
「どこに注目するか」によって、
「体験」は大きく変わります。

そして、この話は、
僕らの「商品」でも、
まったく同じなのです。

3.「顧客満足」はコントロールするもの

今回の話から私たちが学ぶべきことは、

「まったく同じ商品でも、
 私たちの働きかけによって
 顧客の“体験”は大きく変わる」

ということ。

例えば、
スパイスカレーの事例で言えば、

大阪に、とても面白い
取り組みをしているお店があります。

そのお店の名前は「Columbia 8」。
(http://columbia8.info/index.html)

このお店のカレーは、
ライスの上に「シシトウ」が載った、
独特のスタイル。

料理が目の前に置かれると同時に
店主が「食べ方」を説明してくれます。

「左手にシシトウを持って、
 右手にスプーンを持ってください。」

「え?あ、はい。」

「シシトウをひとかじりして、
 カレーをひとくち食べる。

 左・右・左・右・・・と
 順番に食べてください。」

「あ、はい。
(左・右・・・うまいっ!!!)」

「シシトウの苦味がスイカの”塩”
 みたいな役割を果たします。」

初来店のお客さんには、
全員に上記の説明をします笑

いやー、ほんとに。

シシトウかじると
スパイスの香りが増すんですよ!

自分も、夢中で食べてしまいました。

そのとき、ちょうど
店長さんの手が空いたので、
勇気をだして聞いてみたんです。

「何で、シシトウなんですか・・・?」

この答えが、また深い。

「カレーって、家で食べるやつの
 固定観念が強いんで、

 そのまま、このカレーを
 食べてもらっても

 複雑すぎて味や香りを
 受け取ってもらえないんですね。

 なので、いつもとは違う
 ”動き”をしてもらって、
 味に集中してもらいたいんです。

 それで、”苦味”だったり
 ”酸味”っていう味は、

 ウチのカレーの香りを引き出すのに
 ピッタリなんですね。

 なので、今のスタイルになりました。

 ”シシトウかじるお店”っていえば
 覚えてもらえますしね!」

なるほど。
聞いてみれば、とても合理的。

顧客に「価値を感じてもらえるように」
上手く戦略を立てています。

私たちの商品は、
顧客に「その価値」を
感じてもらえているでしょうか?

<本日の質問>
Q.商品の価値を実感してもらうためには、
 どんな工夫ができるだろうか?

商品磨きの1つの切り口として、
ぜひ、考えてみてください!

ライター:黄塚 森


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