年末が近づくとメールで多く寄せられるのが、「年末の挨拶」メールです。以前は、対面での挨拶まわりも多かったですが、コロナ禍もあり、メールでの挨拶で済ませることが一般的になりました。
年末の挨拶では、マナーを守って書くだけでなく、一言相手のことを思った内容を加筆することで、他のあいさつ文と差別化ができ、新しい年に向けて良いビジネス関係を築くきっかけとなります。
今回は、例文と共に、年末のあいさつメールの書き方をご紹介します。
年末の挨拶での注意点
年末の挨拶では、いくつか注意するべき点があります。送るタイミングや、書く内容など、いくつかのポイントを抑えながら、書きましょう。
送るタイミングは最終営業日の数日前まで
年末の挨拶では、相手企業の休みも考え、1週間前から最終営業日までに送るのがおすすめです。
一般的には、12月28日から30日頃からお休みになることが多く、30日位までに送るのが一つの目安でしょう。
挨拶メールとわかる件名にする
年末は挨拶のメール以外にも、連休を前に急なやり取りが増えます。一目であいさつのメールとわかる文面にしましょう。例えば、下記のような形がおすすめです。
「年末のご挨拶 株式会社〇〇(企業名) △△(氏名)」や「年末年始の営業日のお知らせ 株式会社〇〇(企業名)」
BccやCcは使わない
年末の挨拶では、CcやBccといった一斉送信は使わず、それぞれToを使って送りましょう。
BccやCcでは、事務的な要素が強く出てしまい、冷たい印象をかえって与えかねません。
個別送信するシステムを活用することもよいですが、今年あった出来事や相手との個別のエピソードなどを添えて、連絡をすると温かみのある挨拶文となります。
今年一年の感謝や来年の抱負を入れる
今年一年であったことや相手とのプロジェクトなどに触れることで、気の利いたあいさつ文となります。
また、来年度の抱負も入れることで、年末のあいさつ文の中に翌年の内容も込めることができ、良いでしょう。
取引先向け年末の挨拶メールの例文
基本の挨拶メールの例文
件名:
年末のご挨拶 【株式会社〇〇】△△
本文:
株式会社■■ ●●様
いつも大変お世話になっております。
株式会社〇〇の△△です。
本年も残りわずかとなり、年末のご挨拶をさせていただく時期となりました。貴社には本年も格別のご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。
●●様には××(具体的な仕事・プロジェクト)で多大なるご協力をいただきまして、誠にありがとうございます。
今後とも、より一層尽力してまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
弊社の年末年始の営業日をご案内させて頂きます。
年内最終営業日:20〇〇年12月◯日(〇)〇〇時まで
新年営業開始日:20〇〇年1月◯日(〇)〇〇時から
休業期間中につきましては、何かとご迷惑をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
メールにて恐縮ですが、年末のご挨拶とさせていただきます。
どうぞ良いお年をお迎えください。
個人のお客様向け
件名:
年末のご挨拶【〇〇商店】△△
本文:
お客様(または●●様)
〇〇商店の△△と申します。
平素より格別のご愛顧を賜り厚くお礼申し上げます。
本年も残すところあとわずかとなりました。
来年も従業員一同、皆様にご満足頂けるサービスを心がける所存でございますので
より一層のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
なお、誠に勝手ながら、年末年始は下記の日程で休業させていただきます。
年末年始休業 20〇〇年12月〇日(〇)〇時 ~ 20〇〇年1月〇日(〇)まで
休業中のお問い合せにつきましては、
20〇〇年1月〇日(〇)以降に順次対応させていただきます。
通常より回答にお時間をいただく場合がございますので、あらかじめご了承ください。
ご不便をおかけしますが、何卒ご理解いただけますと幸いでございます。
引き続き、変わらぬご愛顧をいただけますようお願い申し上げます。
社内向け年末挨拶メール例文
社内に向けた年末のあいさつのメールですが、基本的に社内といった近い関係の場合は、メールではなく対面やビデオ会議など話の上で挨拶することが基本です。
そのうえで、相手が不在などで、どうしても会うことができないなどの事情がある際にメールで挨拶を送りましょう。
メールを送る時間は、お昼の時間帯がおすすめです。
社内向けの挨拶メールの例文
件名:
年末のご挨拶
〇〇部長
本年も残すところあと僅かになりましたが、大変お世話になりました。
〇〇の企画の時をはじめ、様々な面でお力添えいただきありがとうございました。
今回、直接ではなくメールでの挨拶になったこと、お詫び申し上げます。
今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
どうぞよいお年をお迎えください。
(自分の名前:フルネーム)
年末のあいさつのへの返信
年末の挨拶での返信の際も、自分から送るときと同様に、年末年始の営業日や一年の感謝を入れた内容にしましょう。
年末の挨拶への返信例文
件名:
Re:年末のご挨拶
本文:
いつもお世話になっております。株式会社〇〇の●●です。
ご多忙にも関わらず、年末のご挨拶をいただき、誠にありがとうございます。
こちらこそ本年は△△様に大変お世話になりました。
来年も△△様とご一緒できることを楽しみにしています。
なお、弊社は20〇〇年12月〇日(〇)~20〇〇年1月〇日(〇)まで休業となります。
ご迷惑をおかけしますが、何卒宜しくお願い致します。
どうぞよいお年をお迎えください。
年始あいさつの注意点
年始のあいさつでは、年末の挨拶とは異なり、新年を祝う気持ちを伝えましょう。
新年を祝う言葉の注意点
新年を祝う言葉は多くありますが、気を付けたいのは、目上の人が目下の人に使う言葉があることです。
基本的には、「寿」「福」などの一文字の言葉や「賀春」「寿春」などの二文字の言葉は、目上の人が目下の人に使う言葉なので、気を付けましょう。
上司や取引先に賀詞を使う場合は、四文字の「謹賀新年」「恭賀新年」を使用しましょう。
送るタイミングは、1月7日まで
新年の挨拶は1月7日までが、通例です。それを過ぎてしまった場合は、寒中見舞いとして挨拶をしましょう。
BccやCcは使わない
年始の挨拶でも、CcやBccといった一斉送信は使わず、それぞれToを使って送りましょう。
年賀状をもらった場合は、メールではなく年賀状で返信する
年賀状を書く人も減ってきていますが、年賀状をもらった人や会社には、年賀状で返すようにしましょう。
年始の挨拶の基本的な例文
取引先向けの年始の挨拶の例文
件名:
新年のご挨拶(○○株式会社○○部○○より)
本文
株式会社□□ □□部 □□様
謹んで新春のお慶びを申しあげます。
○○株式会社○○部○○です。
旧年中は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申しあげます。
本年もよりいっそうのサービス向上に努め、
皆様に安心のサービスをご提供できるよう、業務に邁進する所存です。
メールにて恐縮ですが、以上をもって年始の御挨拶とさせていただきます。
本年も変わらぬご愛顧のほど、何とぞよろしくお願い申しあげます。
令和○○年 元旦
社内向けの年始のあいさつ文
件名:
新年のご挨拶
○○部○○さん(または役職名)
明けましておめでとうございます。
○○部○○です。
昨年は大変お世話になりました。
○○さんにご指導をいただいたおかげで、多くのことを学ばせていただきました。
本年もよりいっそう業務に邁進していきますので、引き続きご指導ご鞭撻のほど
何とぞよろしくお願いいたします。
寒中見舞いの場合
件名:
寒中お見舞い申し上げます ○○株式会社○○
本文:
株式会社□□ □□部 □□様
寒中お見舞い申しあげます
○○株式会社○○です
寒冷の候、貴社の皆様におかれましてはお変わりなくお過ごしでしょうか。
□□様には平素より格別なお引き立てを賜り、厚く御礼申しあげます。
ご挨拶が遅れまして、誠に申しわけございません。
(喪中で寒中見舞いになった場合のみ)
喪中につき年始の挨拶を控えさせていただきました。
寒さが厳しい折、ご自愛のほどお祈り申しあげます。
本年も変わらぬご愛顧のほど、何とぞよろしくお願い申し上げます。
令和○年○月
年末の挨拶を送り忘れた場合の年始挨拶
年末の挨拶をしそびれてしまったばあいは、年明けの営業開始美の新年の挨拶メールを送信します。
昨年にお世話になったお礼と、年末の挨拶ができなかったことを詫びる一文を添えましょう。
年末の挨拶をし忘れたときの挨拶の例文
件名:
新年のご挨拶
本文:
■■株式会社 ●●様
謹んで新年のお慶び申し上げます。
株式会社〇〇の△△です。
旧年中は、弊社に格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございました。
本年もより一層努力し精進してまいりますので、
変わらぬご愛顧のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
なお、本年は1月◯日から通常営業致します。
年始の挨拶の返信
年始の挨拶では、こちらからも年始の挨拶を送っている場合が多いので、特別な意識をせずに返信するのが良いでしょう。
ポイントとしては、挨拶を送ってくれたことに対しての感謝を伝え、返信メールであることを盛り込みましょう。
例えば、「新年の挨拶メールを頂戴し、ありがとうございました」といった文言を入れるといいでょう。
年末年始は、やり取りも増え、忙しくなる時期ですが、そういった中でも、基本ポイントを抑えて、お世話になった人や企業に挨拶を送ることで、気持ちよく今後も良好な関係性が築けます。例文を参考にしつつ、皆さんもこれからのビジネスに役立つあいさつ文を作成してみて下さい。
【ライター】
田中 大貴
株式会社 Urth 代表取締役CEO
大学では、建築学を専門としながら、2018年4月からは早稲田大学で「ビジネス・アイデア・デザイン(BID)」を受講。 その後、文科省edgeNextプログラムの一つである、早稲田大学GapFundProjectにおいて2019年度の最高評価および支援を受け、起業。 早稲田大学建築学科では、株式会社エコロジー計画とともに、コンサートホール、宿泊所の設計、建設に取り組んだ。現在は、「〇×建築」をテーマにwebサービスの開発、営業から、建築の設計及び建設物の運営に関するコンサルタントまで幅広い事業を行う。