Z世代マーケティングとは? 企業が経営において取り組む際の注意点を紹介

Z世代という言葉を一度は耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。実は、Z世代は世界の人口の3分の1を占めています。このマーケットボリュームがあるZ世代に向けたマーケティング施策が「Z世代マーケティング」です。

ここでは、Z世代マーケティングがそもそもどういうものなのか、企業が経営に活かす際に気を付ける点を、Z世代の一員である私が紹介します。

Z世代とは?

Z世代

Z世代とは、1990年後期から2010年代に生まれた世代を指す消費区分です。
X世代を、1960年代から70年代、Y世代(ミレニアム世代)を1981年から1995年に生まれた人を指すので、その次の世代という意味合いがあります。

Z世代は、世界の人口の3分の1を占めており、日本では1000万人超、世界では24億人がこの世代にあたります。また、世代の多くは2023年時点では、10代後半から20代後半であり、これからの消費や労働力を担う世代となります。

また、Z世代では、モノの消費からコトの消費へと、Z世代以前の世代群とは異なる価値観を持っているといわれています。

Z世代の特徴

Z世代 特徴

ここでは、Z世代の特徴を紹介します。特に日本でのZ世代の特徴は以下の6つです。

  • デジタルネイティブである
  • 情報収集はSNSやインターネットがメイン
  • 発信力が高い
  • 多様性を尊重する層が多い
  • 金銭感覚は慎重な人が多い
  • 気候変動や格差など、社会問題への関心が高い

Z世代は、生まれて、10代ごろからスマートフォンやPC、タブレットが当たり前に存在する社会環境で育っています。そのため、スマートフォンやPCなどの電子機器やその中のソフトウェアの使い方には長けていると言えます。

また、SNS等で自身の思いや考えを発信する人も多いです。

今までの層がテレビやラジオといったマスメディアの発信を受けて思考や発言をしていた状況と異なり、新しいツールであるインターネットやSNSで直接、自らが持つ自らの考えを個別に発信するようになっています。

小さな頃から、友人とSNSで会話をしていたことで、自然と発信の回数が多いのも特徴です。多様性や社会問題への意識が高いことは、高度情報社会の中で生きてきて自分の身の回りの出来事だけやメディアが伝えた情報だけではなく、世界中の情報にアクセスし続けてきたからこそ、自分の枠以外のことに関しても関心を持ち取り組む層が多いと言えるでしょう。

金銭感覚に関しては、リーマンショック等のマネーリスクを実感を持ち見聞きしているため、積極的な投資や支出をすることよりも堅実に貯金や節約を行う人が多いといわれています。

Z世代マーケティング実施の重要ポイント

マーケティング

ご紹介した特徴を持つZ世代に対して、どのようなマーケティング施策を経営において策定するのが良いのでしょうか。

ここでは、経営活動において、Z世代にマーケティング施策を策定する場合の重要ポイントをご紹介します。

商品に共感してもらう

Z世代の特徴として、モノに対してお金を払うのではなく、ものから得られる「体験」やそこから生じる「意味や価値」に対してお金を払うということです。

この消費行動を「イミ消費」や「コト消費」と言います。

すなわち、Z世代に商品を購入してもらうには、機能や形状という「モノ」の価値で、ひきつけるのではなく、そのものを買うことで、どのような「コト」が得られるのかという視点で訴求することが重要になります。

例えば、車を販売する時も、車をかっこよくつくり、そのデザインや性能をアピールするのではなく、車を買ったことによって得られる新しい生活体験や所有する社会的意義を伝える必要があります。

その、体験や社会的意義に共感してもらえると、購入へと近づいてもらうことができるでしょう。

オンラインでの口コミ形成

Z世代の情報源の多くは、SNSやインターネットです。そのため、SNSやインターネットでの情報を上手くコントロールすることが重要です。

その一方で、企業がそのまま発信した情報よりも、実際に購入してもらった人や、既に体験してもらった人の口コミのほうが「信用される」傾向があります。そのため、購入者・体験者に好印象となるような発信をしてもらうことがポイントになります。

Z世代マーケティングの実施方法

Z世代マーケティング実施方法

ここでは、上記の重要な点を押さえつつ、実際にセールスにおけるマーケティング施策を実施する方法を紹介します。

インフルエンサーを活用した施策

一つ目は、インフルエンサーを活用したマーケティング施策です。

誰もが発信できるようになったことで、一部の発信者は、多くの人とつながり、情報発信において強い力を保有しています。

このような特定の発信者を「インフルエンサー」と呼びます。

インフルエンサーに商品・サービスを使ってもらい、その感想を発信してもらうことで、つながっている人・関心を寄せる人に商品の情報が届くだけでなく、企業が直接発信するよりも、注目する人からの紹介としてい情報を受け取ってもられうため、情報への信頼度が高まり、購入へと結びつくことが実証されています。

また、多くのZ世代は自分の考え方と共通点のあるインフルエンサーとつながりを持っています。そのため、価値観や共感を持っている人と同じものを所有したい・利用したいと思ってもらうことも、この施策で重要なポイントです。

多様なチャネルでアプローチする

Z世代は、複数のSNSを必要な目的別の情報収集先として、使い分けています。

自社の商品・サービスがどのような商材で、何を目的につかわれるのか、意識して分析することで、無駄に広げるセールスアプローチではなく、狙った層に対して絞り込んで効果的なアプローチをすることができるでしょう。

買いやすい導線の構築

Z世代は、情報に対して簡単にアプローチができることがあたりまえの生活環境で育ってきています。そのため、購入に向けての情報収集の段階であっても、その導線はわかりやすく・簡単である必要があります。

情報集から購入までの間、滞るところがなくスムーズに物事が理解できる・アプローチできるということが、購入する可能性を高める重要ポイントです。


今回は経営において考えるべきZ世代マーケティングとはをご紹介しました。

SNSやインターネットを活用したマーケティング施策が有効だと理解をしている企業も多いのではないでしょうか。

しかし、購入までの導線や発信する情報の内容、発信の仕方を工夫することで、Z世代への響き方は大きく変化します。ぜひ、経営においてZ世代マーケティング実施の重要ポイントをおさえ、Z世代という有望な顧客マーケット層により効果的なアプローチをしてみてください。


【ライター】
田中 大貴
株式会社 Urth 代表取締役CEO

大学では、建築学を専門としながら、2018年4月からは早稲田大学で「ビジネス・アイデア・デザイン(BID)」を受講。 その後、文科省edgeNextプログラムの一つである、早稲田大学GapFundProjectにおいて2019年度の最高評価および支援を受け、起業。 早稲田大学建築学科では、株式会社エコロジー計画とともに、コンサートホール、宿泊所の設計、建設に取り組んだ。現在は、「〇×建築」をテーマにwebサービスの開発、営業から、建築の設計及び建設物の運営に関するコンサルタントまで幅広い事業を行う。


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