目次
  1. 1. 顧客が企業を選ぶ基準は「価格」ではなく「体験」へとシフトしている
    1. 1-1. 企業の成長を左右する「良い顧客体験」と「悪い顧客体験」の影響
  2. 2. 顧客体験(CX)とは?
    1. 2-1. CXが顧客の購買決定に与える影響
    2. 2-2. 星野リゾート:価格競争に頼らずCXで差別化
    3. 2-3. CXを強化すると得られるメリット
  3. 3. 自社の強みを活かすCX戦略の考え方
    1. 3-1. 競争優位を築くための「価値の再定義」
    2. 3-2. 自社の顧客が求めるものは何か?(ペルソナの設定とニーズの整理)
    3. 3-3. CXを活かした競争優位の確立
  4. 4. 顧客体験(CX)を向上させる4つのアプローチ
    1. 4-1. 顧客接点の最適化(営業・サポート・Web・店舗など)
    2. 4-2. リピーターを増やす仕組み作り(フォロー体制、定期的なコミュニケーション)
    3. 4-3. 顧客の声を活かす方法(アンケート、SNS活用、NPS®の導入)
    4. 4-4. デジタルを活用したCX改善(簡単に導入できるツール)
  5. 5. 社員を巻き込み、顧客体験(CX)向上を定着させる方法
    1. 5-1. CXを企業文化にするために必要な意識改革
    2. 5-2. 経営者ができる「社員を巻き込む工夫」
    3. 5-3. CX向上を継続するために
  6. 6. まとめ:今日からできる3つのアクション
    1. 6-1. 自社の「強み」と「顧客の期待」を再確認する
    2. 6-2. 1つの顧客接点を改善し、「体験価値」を向上させる
    3. 6-3. CX向上のための仕組みを作り、社内で共有する
    4. 6-4. 「CX向上戦略」の実行プラン

1. 顧客が企業を選ぶ基準は「価格」ではなく「体験」へとシフトしている

「なぜ、顧客はこの企業を選んだのか?」

この問いに対し、かつては「価格が安いから」「商品やサービスの品質が良いから」という答えが多く聞かれました。しかし、近年はそれだけでは不十分です。顧客が企業を選ぶ基準は、「価格」から「体験」へとシフトしているのです。

例えば、同じ商品を提供しているA社とB社があった場合、どちらも価格や品質に大きな違いがなければ、顧客は「どちらの企業との取引が気持ちよかったか?」を基準に選びます。問い合わせ対応が早い、購入後のフォローが丁寧、顧客の要望に柔軟に対応してくれるといった「体験価値(CX)」が、購買決定の大きな要因になっているのです。

1-1. 企業の成長を左右する「良い顧客体験」と「悪い顧客体験」の影響

顧客体験が企業の成長に与える影響は、良い方向にも悪い方向にも働きます。

✅ 良い顧客体験の影響

  • リピート率の向上:良い体験をした顧客は、次回も同じ企業を選ぶ
  • 口コミ・紹介が増える:顧客が自発的にポジティブな評価を広める
  • ブランド価値の向上:価格競争に巻き込まれにくくなり、企業の魅力が強化される

たとえば、ある飲食店でスタッフの対応が非常に丁寧で、「また来たい」と思った経験はないでしょうか? その企業のサービスが素晴らしければ、自然と周囲に勧めたくなり、結果的に新規顧客の獲得にもつながります

❌ 悪い顧客体験の影響

  • クレームやネガティブな口コミが増える:悪い体験はすぐに広まりやすい
  • リピーターが減少する:「一度嫌な思いをしたら、もう利用しない」と思われる
  • 競争力の低下:価格や商品力だけでは勝てなくなり、顧客が離れていく

特に、SNSやレビューサイトが発達した現代では、悪い体験は一瞬で広がる危険性があります。一度不満を持たれた顧客が、SNS上でネガティブな投稿をすると、それを見た潜在顧客が取引を避ける可能性もあるのです。

本記事では、企業が選ばれ続けるために必要なCX向上の考え方と、具体的な施策について解説していきます。次章では、「そもそも顧客体験(CX)とは何か?」を深掘りし、その重要性について詳しく見ていきましょう。

2. 顧客体験(CX)とは?

企業が成長し、顧客に選ばれ続けるためには、「商品やサービスの品質が良ければ十分」とは限りません。 実際、競合とほぼ同じ価格・品質でありながら、圧倒的に多くの顧客に支持される企業が存在します。その違いを生むのが、顧客体験(CX:Customer Experience) です。

顧客体験(CX)とは、顧客が企業と接するすべてのプロセスを通じて感じる価値や印象のこと。 単なる商品やサービスの品質だけでなく、「問い合わせ時の対応の良さ」「購入プロセスのスムーズさ」「アフターサポートの手厚さ」 といった体験全体が、購買決定や企業への信頼に大きな影響を与えます。

例えば、同じ商品を扱う企業が2社あった場合、一方は迅速な対応と親身なサポートを提供し、もう一方は機械的で冷たい対応しか行わないとすれば、顧客はどちらを選ぶでしょうか? 多くの場合、価格が多少高くても、より良い体験を提供する企業が選ばれます

2-1. CXが顧客の購買決定に与える影響

顧客体験(CX)が企業の競争力を決定づけることは、日常のシーンを思い浮かべれば明白です。例えば、あなたが飲食店を選ぶとき、まったく同じ価格と味の店が2つあったら、どちらに行くでしょうか?

A店:「料理は美味しいが、店員の接客が悪く、注文時に不機嫌そうな対応をされる」

B店:「料理は同じくらい美味しいが、店員の対応が親切で、気持ちよく食事ができる」

おそらく、多くの人がB店を選ぶでしょう。

このように、「価格」や「品質」だけでなく、「体験の良さ」が顧客の意思決定に大きな影響を与えます。 どれだけ商品が優れていても、購入や利用の過程で不快な思いをすれば、顧客はリピートしません。逆に、心地よい体験を提供する企業は、顧客の記憶に残り、長期的な関係を築くことができる のです。

次章では、CXを向上させるための具体的な戦略について詳しく解説していきます。では、実際の企業ではどのようにCXを活用しているのでしょうか?

ここで、日本企業の成功事例を紹介します。

2-2. 星野リゾート:価格競争に頼らずCXで差別化

観光業界は、価格競争が激しい市場のひとつです。ホテルや旅館は「料金の安さ」で比較されがちですが、その中で 星野リゾート はCXを強化することで高価格帯の宿泊施設として成功しています

星野リゾートが大切にしているのは、「お客様が旅の思い出として何を持ち帰るか」という観点です。そのために、単なる宿泊施設ではなく、「体験型の滞在」を提供しています。

例えば、星野リゾートの「界」ブランドの旅館では、各地域の文化を反映した特別な体験ができるようになっています。通常の宿泊に加え、「ご当地の工芸体験」や「地元の食材を活かした料理」など、他の旅館にはないサービスを提供することで、「価格ではなく価値で選ばれる旅館」としての地位を確立しました。

このように、CXを重視することで、たとえ価格が高くても「この体験をしたいから選ぶ」という動機を生み出すことが可能になります。

2-3. CXを強化すると得られるメリット

CXを向上させることで、以下のようなメリットが生まれます。

  • 価格競争に巻き込まれにくくなる → 「この会社だから選びたい」と思われる
  • リピート率が向上する → CXが良いと、顧客は継続して取引をする
  • 口コミや紹介が増える → 満足した顧客が自然と他の顧客を呼んでくれる

このように、価格競争から抜け出すためには、「価格以外の価値を提供し、それをCXとして体験してもらうこと」が重要なのです。次章では、そのために必要な「自社の強みを活かすCX戦略の考え方」の考え方について解説します。

3. 自社の強みを活かすCX戦略の考え方

「顧客体験が大事なのはわかった。でも、うちの会社には特別な強みがないし、何をすればいいかわからない…」

こう考える方も多いかもしれません。しかし、CX向上のために「特別なサービス」や「大規模な投資」が必要なわけではありません。自社の「強み」を再定義し、顧客の求めるものに適切に応えることこそが、価格競争を抜け出す第一歩です。

3-1. 競争優位を築くための「価値の再定義」

まず、自社の「価値」を再定義することから始めましょう。

あなたの会社の強みは何ですか?

「特別な強みがない」と考えてしまう方も多いかとは思いますが、実は顧客視点で見れば、どんな企業にも「選ばれる理由」があります

例えば、以下のような強みが考えられます。

  • 「創業50年の実績がある」 → 長年の経験や信頼感がある
  • 「少量発注でも柔軟に対応できる」 → 大手にはできない細かいサービスが可能
  • 「顧客ごとにカスタマイズした提案が得意」 → 顧客に最適なソリューションを提供できる

このように、自社の強みを整理することで、CX向上のための方向性が見えてきます。

3-2. 自社の顧客が求めるものは何か?(ペルソナの設定とニーズの整理)

次に、顧客が何を求めているのかを考えます。

ここで重要なのが 「ペルソナ(具体的な顧客像)」 を明確にすることです。

例えば、読者のみなさんがBtoBの製造業を営んでいるとします。顧客は「発注担当者」であり、彼らのニーズは次のようなものかもしれません。

  • 「納期が確実に守られることが最優先」
  • 「発注ミスを防ぐために、事前に細かく確認してくれると助かる」
  • 「納品後のアフターサポートがしっかりしている企業と取引したい」

このように、顧客のニーズを具体的に洗い出し、それに合ったCXを設計することで、「価格ではなく、サービスの価値で選ばれる企業」になることができます。

3-3. CXを活かした競争優位の確立

顧客に選ばれ続けるためには、「CX=顧客が感じる価値」を高めることが必要です。

  • 自社の強みを再定義し、顧客に伝わるようにする
  • 顧客のニーズを整理し、求められるCXを提供する

これらのステップを踏むことで、価格に頼らず、長期的な関係を築ける企業へと進化することができます。次章では、CX向上のために実践すべき具体的なアクションについて解説します。

4. 顧客体験(CX)を向上させる4つのアプローチ

ここまで、顧客に利用し続けてもらうためには顧客体験(CX)の向上が重要であることをお伝えしてきました。しかし、CXはただの「おもてなし」や「丁寧な接客」といった単純な話ではなく、企業のあらゆる活動に影響を与える戦略的な取り組みです。

では、実際にどのようにCXを向上させればよいのでしょうか?

本章では、 「顧客接点の最適化」「リピーターを増やす仕組み作り」「顧客の声を活かす方法」「デジタルを活用したCX改善」 という4つの視点から、具体的なアプローチを解説します。

4-1. 顧客接点の最適化(営業・サポート・Web・店舗など)

顧客体験は、顧客が企業と接するあらゆる場面(タッチポイント)で形成されます。したがって、 「どのような接点を持ち、どのように対応するか」 がCX向上の鍵になります。

 営業の顧客接点を改善する

  • 営業担当者が 「売ること」 だけに集中せず、 「顧客の課題解決をサポートする」 ことにフォーカスする。
  • 提案前に、顧客の課題やニーズをしっかりヒアリングする仕組みをつくる。
  • 過去の問い合わせや購買履歴を営業チームで共有し、 顧客ごとに最適な提案を行う。

カスタマーサポートの質を向上させる

  • 問い合わせの返信速度を上げる。
  • FAQページの充実 や チャットサポートの導入 で、顧客が自己解決できる仕組みを整える。
  • 「クレーム対応」ではなく、「信頼関係の構築」を目的とした対応を心がける。

Webサイトや店舗での体験を改善する

  • Webサイトの情報を最新の状態に保ち、「知りたい情報がすぐに見つかる設計」にする。
  • 店舗での接客では、「この店だからこそ得られる特別な体験」を意識する。

4-2. リピーターを増やす仕組み作り(フォロー体制、定期的なコミュニケーション)

CX向上の目的のひとつは、「一度取引した顧客に、継続的に自社を選んでもらうこと」です。リピーターを増やすために、 顧客との関係を継続的に強化する仕組みをつくりましょう。

購入後のフォローを強化する

  • 商品・サービスを提供した後に、 「その後の満足度」 を確認するフォローアップを行う。
  • 顧客に役立つ情報を 定期的にメールやニュースレターで提供する。

ロイヤルティプログラムを導入する

  • 特典や割引 などを活用し、継続的に利用してもらう仕組みを作る。
  • 「ポイント制」や「会員限定サービス」を導入し、顧客の満足度を高める。

4-3. 顧客の声を活かす方法(アンケート、SNS活用、NPS®の導入)

アンケートでCXの現状を可視化する

  • 顧客満足度調査を実施し、どこに課題があるのかを把握する。
  • 回答率を高めるために、 簡単に回答できるフォーマット にする
    • (例:Googleフォーム、LINEアンケート)。

SNSを活用し、顧客との接点を増やす

  • 企業のSNSアカウントを運用し、顧客との継続的な関係を構築する。
  • 口コミやレビューを集め、 リアルな顧客の声をマーケティングに活用する。

 NPS®(ネット・プロモーター・スコア)を活用する

  • NPS®を定期的に測定し、CX改善の指標とする。
    • NPS®とは、「あなたはこの会社を知人に薦めますか?」という質問に対する顧客の評価を数値化する指標です。NPSを活用すると、「なぜ満足しているのか?」「なぜ不満を感じたのか?」の分析が可能になります。

4-4. デジタルを活用したCX改善(簡単に導入できるツール)

デジタル技術を活用することで、CX向上の取り組みを効率化できます。

HubSpot(ハブスポット):顧客管理・マーケティング自動化ツール

  • 顧客情報を一元管理し、過去の問い合わせ履歴や購買履歴を確認できる。
  • メールマーケティングを自動化し、顧客との関係を継続的に強化する。
  • 営業チームが顧客の状況をリアルタイムで把握し、最適な対応が可能になる。

Chatwork(チャットワーク):社内外のコミュニケーション強化

  • チャット機能を活用し、顧客対応のスピードを向上させる。
  • 社内の情報共有を円滑にし、CX向上のためのアイデアをリアルタイムで交換できる。
  • 社外の取引先ともスムーズにやり取りでき、顧客満足度の向上につながる。

Googleアナリティクス:WebサイトのCX改善に役立つ

  • どのページがよく見られているのか、どこで離脱しているのかを可視化できる。
  • Webサイトの使いやすさを改善し、顧客が求める情報にすぐにアクセスできるようにする。
  • ユーザー行動のデータをもとに、より効果的なマーケティング戦略を立てることができる。

以下に、ここまでにまとめたCX向上のための具体的アプローチをリストアップします。是非これらの手法を実行してみてください。

1. 顧客接点の最適化・営業の顧客接点を改善する
・カスタマーサポートの質を向上させる
・Webサイトや店舗での体験を改善する
2. リピーターを増やす仕組み作り・購入後のフォローを強化する
・ロイヤルティプログラムを導入する
3. 顧客の声を活かす方法・アンケートでCXの現状を可視化する
・SNSを活用し、顧客との接点を増やす
・NPS®(ネット・プロモーター・スコア)を活用する
4. デジタルを活用したCX改善・HubSpot(ハブスポット):顧客管理・マーケティング自動化ツール
・Chatwork(チャットワーク):社内外のコミュニケーション強化
・Googleアナリティクス:WebサイトのCX改善に役立つ

5. 社員を巻き込み、顧客体験(CX)向上を定着させる方法

顧客体験(CX)を向上させるための施策を考え、実行することは非常に重要です。しかし、CX向上の取り組みを一部の担当者だけが行うものにしてしまうと、効果は限定的になり、結果的に続かなくなります企業全体でCXを意識し、組織の文化として根付かせることが、本当の意味でのCX向上につながります

とはいえ、社内全体を巻き込むとなると、「どうやって社員に理解してもらうか」「どのようにモチベーションを維持するか」といった課題が生じます。ここでは、CX向上を企業文化として定着させるための具体的な方法について解説します。

5-1. CXを企業文化にするために必要な意識改革

CX向上を組織に定着させるためには、まず 「顧客体験はすべての業務に関わる」 という意識を社内に浸透させることが大切です。

例えば、「CXは営業やカスタマーサポートの仕事」と考えている社員が多いと、その他の部門が関心を持たず、結果としてCXの取り組みが一部の部署に限定されてしまいます。しかし、実際には製品の開発、納品、事務処理、さらには経理業務に至るまで、すべてが顧客の体験に影響を与えるのです。

この意識を定着させるために、まずは経営者自らが CXの重要性を強く発信し続けることが必要です。定例会議や社内ミーティングの場で「顧客にとってより良い体験を提供するために、私たちは何ができるか?」という問いかけを行い、CX向上を経営の最優先課題の一つとして位置付けることが効果的です。

また、CX向上が売上や利益にどう影響を与えるのかを具体的な数字や事例を交えて説明することで、社員にとって「自分たちの仕事が会社の成長に直結する」という実感を持たせることができます。

5-2. 経営者ができる「社員を巻き込む工夫」

CX向上を企業文化として根付かせるには、経営者の社員を巻き込むための具体的なアクションが必要です。

まず、成功事例を積極的に共有することが重要です。たとえば、「顧客対応を少し改善しただけで、こんなにポジティブなフィードバックがあった」といった事例を社内で紹介すると、社員は「自分の行動がCX向上につながる」という実感を持つようになります。このような小さな成功体験の積み重ねが、最終的に大きな変革を生み出します

また、社内研修や勉強会を開き、CXの視点を学ぶ機会を設けることも効果的です。例えば、CXに関する最新のトレンドや成功企業の事例を共有しながら、「私たちの会社ではどう活かせるか?」を社員同士で議論する場を作ることで、CX向上の意識を高めることができます。

さらに、CX向上を継続的な取り組みにするために、社内の評価制度にCXの視点を取り入れることも考えられます。例えば、営業部門では「新規契約数」だけでなく「顧客満足度」も評価基準に加える、カスタマーサポートでは「対応の迅速さ」に加えて「顧客からの好意的なフィードバックの数」を評価に反映するなど、CXを意識した評価軸を取り入れることで、社員の行動を促すことができます。

5-3. CX向上を継続するために

CX向上の取り組みは 一度やれば終わりではなく、継続的に改善していくものです。そのためには、「何がうまくいったのか?」「どこに課題があるのか?」を定期的に振り返ることが重要です。

例えば、四半期ごとに「CX向上のための振り返りミーティング」を実施し、実施した施策の効果を検証する仕組みを作るとよいでしょう。また、顧客からのフィードバックを積極的に集め、「顧客が何を求めているのか?」を常に意識することも大切です。

CX向上を企業文化として根付かせることができれば、価格競争に巻き込まれることなく、顧客に選ばれ続ける企業へと成長することができます

次章では、CX向上の取り組みを実際にスタートするための「今日からできる3つのアクション」について解説します。

6. まとめ:今日からできる3つのアクション

ここまで、顧客に選ばれづける企業になるためのCX向上戦略について詳しく解説してきました。しかし、「CXを向上させることが大事なのはわかったが、結局何から手をつければいいのか?」と感じているかもしれません。

そこで最後に、今日から実践できる3つのアクションをご紹介します。

6-1. 自社の「強み」と「顧客の期待」を再確認する

まずは、自社が「どんな価値を提供できるのか?」を整理することから始めましょう。

「なぜ今の顧客は自社を選んでくれているのか?」

「競合と比べたときに、自社が提供できる独自の価値は何か?」

「顧客が求めているのに、自社がまだ提供できていないものは何か?」

このような視点で、自社の強みを再定義し、顧客の期待とズレがないかをチェックすることが大切です。社内で意見を出し合うのも良いですし、実際に顧客にヒアリングを行い、リアルな声を集めるのも効果的です。

6-2. 1つの顧客接点を改善し、「体験価値」を向上させる

CX向上と聞くと、「会社全体の仕組みを変えないといけない」と思われがちですが、最初から大きな変革を目指す必要はありません。まずは 「1つの顧客接点」 にフォーカスし、具体的な改善を実践してみましょう。

例えば、次のような取り組みが考えられます。

  • 営業の提案を見直す → 顧客の課題を解決する提案を意識する
  • 問い合わせ対応のスピードを上げる → 「24時間以内に返信する」ルールを導入する
  • 納品後のフォローを強化する → 商品やサービスの満足度を確認する連絡を行う

こうした 小さな改善を積み重ねることで、顧客の満足度は確実に向上 します。

6-3. CX向上のための仕組みを作り、社内で共有する

CXを一時的な施策にせず、継続的に改善していくためには、社内で情報を共有し、仕組みを作ることが不可欠です。

  • 定期的にCX向上の成果を振り返る会議を開く(成功事例を共有する)
  • デジタルツールを導入しCX改善を効率化する(HubSpot、Chatwork、Googleアナリティクスなど)
  • 社員にCXの重要性を理解してもらい、意識を高める(研修やミーティングの実施)

特に、経営者がCXを重視している姿勢を見せることが、組織全体の意識改革につながります。

6-4. 「CX向上戦略」の実行プラン

最終的に目指すべきなのは、「価値で選ばれ続ける企業になること」 です。そのためには、CXを継続的に向上させ、顧客との関係を深めていくことが不可欠です。

まずは 「強みの再確認」「1つの顧客接点の改善」「社内での共有」 という3つのアクションから始めましょう。小さな取り組みでも、積み重ねることで確実に効果が出てきます。

CXの改善を継続すれば、「この会社だからお願いしたい」と言われる企業になり、安定した経営基盤を築くことができます

今日から一歩を踏み出し、CX向上の取り組みをスタートしましょう!

【ライター】
加藤 壮一郎
株式会社ビジネスバンク
Entrepreneur事業部 

早稲田大学商学部にて経営学を専攻する井上達彦研究室に所属。「起業家精神とビジネスモデル」を研究テーマに、経営理論を学ぶと同時に研究対象におけるビジネスモデルの研究やそれにまつわる論文の執筆に励んでいる。
社長の学校「プレジデントアカデミー」のHPに掲載するブログの執筆、起業の魅力と現実を伝えるインタビューサイト「the Entrepreneur」にて起業家インタビューを行い記事を執筆している。

ビジネスバンク 取締役 黒田訓英
監修 / 黒田 訓英
株式会社ビジネスバンク
取締役

中小企業診断士

早稲田大学商学部の講師として「ビジネス・アイデア・デザイン」「起業の技術」「実践起業インターンREAL」の授業にて教鞭を執っている。社長の学校「プレジデントアカデミー」の講師・コンサルタントとして、毎週配信の経営のヒント動画に登壇。新サービス開発にも従事。経営体験型ボードゲーム研修「マネジメントゲーム」で戦略会計・財務基礎を伝えるマネジメント・カレッジ講師でもある。
日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。日本ディープラーニング協会認定AIジェネラリスト・AIエンジニア資格保有者。経済産業大臣登録 中小企業診断士。