本日は、プレジデントアカデミー長野校を共同運営している
松本克幸さんに長野地域の会社が発展するためのポイントをお伺いしたいと思います。
松本さんは、50年間経営者として健全経営をされております。
その真髄に迫れればと思います。
共同運営しているプレジデントアカデミー長野校は7年目(2019年9月現在)を向かえ、
長野市で経営セミナーを毎月開催しております。
今では、長野市の会社様だけではなく、軽井沢や松本、飯田と長野全域から集まってきております。
インタビューはプレジデントアカデミー運営事務局の野田拓志が行わせていただきます。
松本さん、自己紹介をよろしくお願いいたします!
野田:松本さん、本日はよろしくお願いいたします!
松本:本日はよろしくお願いいたします!
野田:まずは自己紹介をお願いできますでしょうか?
松本:松本 克幸(まつもとかつゆき)です。1946年12月25日生まれですので、今年で73歳になります(2019年9月現在)。
現在は、協栄電気興業株式会社取締役副会長とファーストフレームジャパン株式会社代表取締役を務めています。
協栄電気興業株式会社では、総合設備業(電気・空調・上下水道・環境・防犯メンテ)を行っております。水と空気と電気に関わる全般的な仕事をしており、会社のモットウは「誠実に」「スピードをもって」「笑顔で」です。( http://www.nagkyoei.co.jp )
もう1社のファーストフレームジャパン株式会社では、オーダーメイドの額装ショップを経営しております。( http://www.ffjap.com )
趣味は、ジョギング・マラソンです。毎朝10km以上のジョギングはライフワークとして欠かすことができないですね。
野田:2社の経営をされているんですね!Facebookで毎朝投稿される松本さんのジョギング写真、いつも楽しみにしていますよ!
毎朝10km以上のランニングはどんな天候であろうと欠かさない
出身は熊本、活躍の場は長野そのキッカケは?
野田:1つ素朴な疑問なんですが、今活躍されている地域は長野ですよね?ただ、生まれは熊本と伺っております。どのようなご縁があって現在に至るんですか?
松本:生まれは、熊本ですが、高校を卒業後に東京に上京し、電気設備や通信設備などをしている会社に就職をしました。
その会社の先輩から「サラリーマンをやっていてもつまらないだろうから、会社を作らないか?」と言われて。それがきっかけで、20歳のときに運送業で起業をしました。
運送業は元勤めていた会社の資材を東北、関東地方に届ける仕事を日夜問わずやっていました。その後、元勤めていた会社の工事部門も下請けでやらせてもらうようになり、長野県に着ました。
野田:そこで初めて長野との関わりがスタートするんですね!
松本:そうです。昔は、10軒くらいの農家が1つの電話回線を使って通話をしたり屋外放送をする有線放送というものがあったのですが、その工事の仕事をするようになりました。そのため、共同創業者であるいとこは東京に残り運送業を続け、私が長野へ最初は1人で移り、その仕事を、人の採用から工事まで、私が行いました。
そのうちに長野の方が忙しくなってきたので、東京の運送業をやめ、本格的に長野で工事業を営むようになり、お客様のご要望にお応えしていたら、今日のように、電気から通信・上下水道・空調設備・土木というように、総合的な工事業者なっていました。
野田:そのようなご縁が合って、今に至るんですね!
50年以上経営して見えてきた「経営の本質」とは?
プレジデントアカデミー長野校の会員様との交流会
野田:さて、ぜひ伺いたい本題に入りたいと思います。20歳の時に独立ということで、既に50年以上経営をされてきている状況ですが、50年以上経営して見えてきた「経営の本質」を松本さんはどのようにお考えでしょうか?
松本:時代が変わっても「人に迷惑をかけない」「人のお役に立つ」「いつも感謝の気持で」「謙虚で素直であること」という4つの大切なことは、変わらないもの=経営の本質・生きていく上で必要なことだと思っています。
この4つのことを実行するためには、常に自分は「何のために」「誰のために」「何をするのか」「何をやればいいのか」ということを問うことが大切だと思います。
ですが、それ以上に大切なことは「人として立派な人間」になること、「人としての道を外さない」ことだと思います。簡単な言葉でお伝えすると「人としてちゃんとしているかどうか」が根幹として大事ですね。
野田:松本さんの経営では「人として立派な人間」になることに重きを置いているのですか?
松本:はい。私の会社は人間尊重、人を生かす経営という理念経営をしています。その理念に合わない考えを持っている人は私の会社で働いてもあまり意味がないと思っています。
理念というものは、会社が「何のために」、そして「誰のために」存在しているのか、それに加えて会社として進むべき方向を示しているからです。
そのため、社員が持っている「何のために、誰のために働くのか」というような、自分が働く意義と一致していないと、遣り甲斐、生き甲斐、働き甲斐もなく、ただ毎日目の前の業務をこなすだけになるからです。
それだと「この業務はつまらない」と思う日が来てしまう。私は、どんな仕事でも「何のために、誰のために」を考えていれば、どんなに小さな仕事だったとしても、必ず何かの、誰かの役にたっていると思います。そう思うと「つまらない仕事」はありえないはずです。
野田:なるほど、まずは「人として立派な人間になる」ことがなによりも大切なんですね。ビジネスを上手く行うためには信頼関係が大切と言われますので、その根幹としての人間力が経営を継続していく秘訣なんですね。
長野の中小企業がさらに発展していくには、どうすれば良いのか?
プレジデントアカデミー長野「経営変革認定企業」受賞の会員の皆様
野田:さらにお話を深めていこうと思うのですが、松本さんがご活躍されている長野地域。
長野の中小企業がさらに発展していくには、どうすれば良いと考えておりますか?
松本:私は、人との強い繋がりがあって、信頼できる人がいつも傍にいてくれる環境であることが一番のポイントだと考えております。自分自身の性格が、寂しがりやということも少なからずありますが(笑)そういう環境でないと、血の通った人間関係を作ることが難しいと思っています。
さらに、地域に根を下ろしている地元の中小企業の意識が変われば、地域も変わっていくのではないかと思うのです。また変えていかなければいけないと思います。中小企業が血の通った経営をするために、まず「人としてどうあるべきか」ということを問い続け、何処にでも通用する「人材を育てていけば」、少しずつでも変っていくのではないかと思っています。
野田:発展のポイントは「地域企業の繋がり」と「人材の育成」だとお考えなんですね。この「人材の育成」についてもう少し深く伺おうと思うのですが、松本さんが特に大切にしていることはどのようなことですか?
松本:「何のために、誰のために」という問いかけを常に経営者だけではなく、社員共々大切にし、確認をしながら仕事に関わることが人材の育成に繋がると思います。
私がどれだけ崇高なことを言ったとしても、現場で仕事をするのは社員の皆さんです。その社員の皆さんが「何のために、誰のために」という意識を持っていなければ、お客様からの信頼は得られないでしょう。ただ仕事をすればいいというわけではありません。
私の会社では、社員の技術はもちろん、何かあればすぐに対応するという、「誠意とスピードと笑顔」がモットーです。その3つを心掛けていれば、お客様がファンになってくださる確率が非常に高いです。
お仕事をさせていただく場合、自分の携帯の番号をお客様にお知らせします。そのことは、いつ私たちにご連絡を頂いてもお応えしますというシグナルです。そのことだけでも、お客様は弊社や担当者を信用していただけますし、お客様との繋がりが確実なものになっていきます。
1度お仕事させていただいてからは、ほとんどといっていいほど、弊社と担当者にリピートのご指名をいただけます。仕事が少なくなり、規模が小さくなっていく企業が多い中で、私どもの会社は成長させていただいております。
会社の一番の財産は「人」です。物でもお金でもありません。一番大切な「人」をどうすればもっともっと活すこと出来るのか、このことに着目していない経営は必ず行き詰まると思います。
野田:さて、このような長野地域での成功のポイントとプレジデントアカデミーを運営している理由は何か関連性があるんでしょうか?
松本:特にこれからの時代は、地域と中小・小規模企業の時代、だと思います。
都市型一極集中で、地方から都会へ出ていき、そこで就職し家庭を持ち、自分たちだけで働き生活をしていくことの難しさと、大変さがあります。
生まれ育った故郷へ帰ってきて、傍に親がいてくれる有り難さを感じながら、仕事に邁進出来る環境はとても恵まれたものではないかと思います。
地方地域を大切に思い、地元で働く社員の皆さんを大切にする経営者が増えれば、地域の発展と働く方々の生き甲斐も出てくるのではないでしょうか。
そんな経営者を1人でも増やしていきたい!と思い、プレジデントアカデミーを運営しています。このプレジデントアカデミーを通して「人と人」の縁を紡いでいければと思っております。
年齢を重ねても新しいものを柔軟に取り入れる理由は?
年齢を超えて関係性を築いていく松本氏
野田:話はかなり飛んでしまいますが、、、松本さんはSNSを日常的に使っていますが、歳を取ると新しいものを取り入れずに経営をされる方もいらっしゃいます。
松本さんはなぜ、SNSなどの新しいものを柔軟に取り入れているのでしょうか?
松本:そもそも私は、まずは自分で何でもやってみるという習慣を持っていますし、何より一人でも多くの人と関わりたいという思いがあるからですね。
相手が使えているのに、自分が使えていないのが理由で、コミュニケーションが取れないというのは、悲しいことです。
現代は、常に何か新しいものが誕生しているので、とりあえず触れたり経験するようにしています。
何かをやる前から「それは無理、無理、出来ない」という人がよくいますが、やってみて自分に合わなければやめればいいだけの話です。そういうことを聞いた時は、「やる前から何故出来ないとわかるんだよ、やりもしないで」と思ったりもします(笑)
野田:そのようなチャレンジ精神が松本さんを突き動かしていくものなんですね。
すべての根幹は「何のために、誰のために」
野田:それでは、そろそろお時間となってきましたので、最後にメッセージをお願いします!
松本:経営や仕事をする時に考えて欲しいことは「何のために、誰のために」その仕事があるのか、そして自分は「何のために、誰のために」その仕事をやっているのか、やろうとしているのかを必ず問いかけるということです。
その仕事をすることによって、誰の役に立つのか、喜ぶ人はいるのか、どういう影響を与えるのか、ということを考えて欲しいのです。
そして「やるのか、やらないのか」をまず決め、やると決めたら、どうやったら出来るか、やる方法を考えるということです。
やるのか、やらないかも決めないで、迷ったり、悩んだりしている人がよくいますが、順序が違うと思います。
起業をする時も同じです。「儲かりそうだから起業をする」というような理由ではなく「このような人に、このように役に立つので起業をしたい」ということだと思います。
利益は目的ではなく、お役に立ったという結果に対する「お役立ち料」です。生きていく上で、このような「何のために、誰のために」という信念(目的、目標)を、きちっと持っていないと何事もうまくいかないと思います。
「人生は一生勉強」「人生はドラマ」「人生に無駄なし」です!
本日お伝えした想いに共感してくださる方が長野のプレジデントアカデミーに集まってくださったら嬉しいですね!
野田:松本さん、本日は長野地域の会社に向けた成長のヒントをありがとうございました!引き続き、ご一緒にプレジデントアカデミー長野校を盛り上げていければと思います!
松本:本日は、ありがとうございました!