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「だから部下がついてこない」
〜経営者・リーダーの常識をくつがえす、
組織づくりの「秘訣」とは?〜
経営者に「なぜ、部下がついてこないのか?」
社員の育成は経営者・リーダーの重要な仕事
春になると、新入社員が希望に胸を膨らませて入社する。
しかし、彼らは希望と同時に不安もいっぱい抱えている。
経営者・リーダーの大きな役割は、希望と不安を抱えて入社してきた社員を、一 日も早く戦力として仕事ができるようにすること。多くの会社が採用に力を入れ、自社としての採用ノウハウを持っているが、入社後の「教育」に関しては、十分な体制をつくり上げていないのが中小企業である。
私は中小企業の経営者に新入社員教育の大切さを伝えているが、「わかってはいるんだけれど…。現実的にはなかなかできない」という反応をする方が多い。 教育部、研修部という専門のセクションを設けて社員教育ができる大企業ならともかく、中小企業の場合はなかなかそこまで手が回らない。
しかし、教育しなければ社員は育たない。
では、どうすればよいのか。
結論から言うと、「日常業務の中で人材を育てる」という意識を明確に持ち、日々実践すればよい。 日常業務の中で、人材教育する人はだれか?
それは「経営者・リーダー」
だれと出会うか、だれから学ぶか、だれに相談するかによって、人生は変わる。
身体の成長が食べ物から呼吸するビタミンやミネラルで促 進されるように、人間としての成長は「よい言葉」「よい思い込み」「よい学び」によって促進される。
仕事の現場では、部下は「よい経営者・リーダーに出会う」ことによって、「よい言葉」 「よい思い込み」「よい学び」を得て成長する。経営者がよければ、 部下は自然とよくなる。それが、本稿で説明する「上司学」の基本的な考え方。
ビジネスパーソンの多くは、家へ帰れば父親であり、母親である。親が魅力的であれば、子どもたちは大人に憧れを抱き、早く大人になりたい、早く社会に出て仕事をしてみたいと思うようになる。
いきいきと行動している大人を身近に見ていれば、子どもは将来に希望を持てる。
経営者・リーダーとして、たくさんの優秀な人材を育てていくことは、ビジネスの場を活性化させるだけではなく、家庭を価値あるものにし、さらには業界や社会によい影響を与えることになる。
しかし、人を育てるのは容易なことではない。
経営者・リーダーの多くは、「どうしたら部下が育つのか?」と、いつも考えている。明確な方法論を持ち得ないまま、日々、試行錯誤しながら部下に接している経営者・リーダーも多いはず。
また、「自分が考えるとおりに部下が動いてさえくれれ ば、すべてうまくいくはずだ」と考えている経営者・リーダーも少なくないようだが、「なかなか部下が思うように動いてくれない!」と嘆いているのが現実。
部下指導には強力なリーダーシップが必要だと考えて、会議のたびに部門目標を連呼し、達成していない部下がいると全員の前で叱責したり、声高にののしったりする経営者・リーダーも中にはいる。威厳を持って振る舞えば、 部下を動かせると誤解している。
しかし、これはリーダーシッ プのはき違えで、居丈高に命令しても部下は育たない。かえって反発を 招くばかりである。
私が考えるのは「人を育てる」というより、「人が自然に育つ」ための環境づくり。この環境づくりはリーダーズアカデミー「組織づくりの12分野」講座として体系的に学習プログラム化され、 全国で多くの経営者・リーダーが受講している。
経営の失敗から生まれた組織づくりの「秘訣」
組織づくりの「秘訣」は、私自身の失敗の積み重ねから生まれた。その体験を織り交ぜながら、私が体得した部下の育て方についてお話しする。
私は大学卒業後、IT系ベンチャー企業に就職。ちょうど通信が 自由化された時期で、会社は急成長していた。営業部署に配属された私は、とにかくがむしゃらに営業して成果を上げ、すぐに部下を3人持つこととなり、22歳で「上司」になった。その後もプ レーイングマネジャーとして業績を上げ、24歳のとき、8人の営業部隊を任される最年少営業部長、支店長という立場に。
当時の私は、自分の成績を上げることに一生懸命で、部下を育てることなどあまり考えていなかった。年上の部下、同年齢の部下もいる中、「なめられちゃいけない。そのためにはだれよりも売り上げを上げることだ」と考えて行動する日々。 このころの私が考えていたのは、努力の「方法」「方向」「量」が間違っていなければ、絶対に成果を出せるというもの。
部下に対しても、「俺の言うとおりにやれば、必ず成果が出る!」「 ホラ、言ったとおり、成果が出たでしょう」と言い続けた。成果を上げられない部下に対しては、怒鳴りつけ、お尻をたたいて営業に送りだすだけ。
後になって、このマネジメントの間違いを嫌というほど思い知らされることに。
私はこのやり方を「KKDマネジメント」と名づけ、やってはいけない部下指導法として自らを戒めている。
KKDマネジメントとは、「K=恐怖を与える、K=脅迫する、D=ど突く」の略で、いわゆる体育会 的なマネジメントの典型。強圧的な対応をするだけで、部下が上司 に言いたいことが言える環境をつくっていなかった。
しばらくすると、私の部門の業績が落ち始めた。
何とか回復させたいと一計を案じた私は、部下を集めて私に対する不満を自由に言わせる会を開くことに。とはいえ、上司に対する不満はなかなか言いにくいだろうと思い、事前に何人かの部下に「このように言いなさい」と、呼び水になる発言をさせることにした。
当日は、予想どおり最初は口の重かった部下たちも、サクラ発言が功を奏し、次第に私に本音を言い始めた。ある程度の覚悟はして臨んだつもりでしたが、私に対する不平不満が予想以上にたまっていることに気づかされ、まさに「針のムシロ」の状態になってしまった。 辛い時間だったが、結果的にはよかった。
部下の本音を聞くことができ、話しやすい雰囲気をつくることの重要性を学ぶことができた。
部下の不満に行動で応える
28歳のとき、「理想の会社をつくりたい!」という思いで独立。 何人かの部下が一緒についてきてくれた。
仕事そのものは順調だったが、やがて部下たちから不満が聞こえてきた。
「自分たちが営業に汗を流しているというのに、社長は毎日何をやっているんですか。いつも事務所にいるじゃないですか…」 この話を耳にして、とてもショックを受けた。事務所で遊んでいたわけではなく、社長としてやるべき仕事をこなしていたのだが、そのことを部下たちに理解してもらえなかった。
私は説明するより、行動することを選んだ。しばらく営業の前線を離れていたので、内心は怖かったが、ともかく日中がんばって営業に回り、夜や休日を社長の仕事に当てた。その結果、非常によい営業成績を上げることができた。
この結果には自分自身も満足したが、それ以上に会社にとって、よい影響が出た。 部下には「社長とはいえ、一緒に会社をつくった仲間じゃないか」という思いがあった。そしてその思いに応えて私が行動し、結果を出し たことで社員が一つにまとまった。
部下は私に、「やっぱり社長はやればできる人なんだ」というレッテルを貼ってくれた。そしてこのことが、会社発展の基盤となった。 このような経験から、私は人を育てることの重要性を学んだ。そし て、人を育てるための方法論を確立したいと考えるように。
それ以来、人材育成のセミナーに通い、本を読み、先輩たちの話を聞き回るようになった。これが、「上司学」をまとめることになるきっかけだ。人間は失敗から大事なことを学ぶものだ。
経営者・リーダーが考える「部下を動かそう」は間違っている
部下が自ら動く環境をつくろう
私は人材育成セミナーに参加して、さまざまなことを学んだ。あるコンサルティング会社からは、人材育成の基本的な考えとして「1…1.6… 1.6²の法則」を教わった。
経営者の指示に従って「納得せずに」仕事をしたときの生産性を「1」とすると、本人が「納得して」仕事をしたときの生産性は「1.6」、さらに、社員自らの頭で考え、経営者の許可を得て仕事をしたときの生産性は「1.6²」になるというもの。三番目の仕事の仕方は、指示されるだけの仕事より、生産性が2.56倍にもはね上がる。
部下が動かないのは、指示されているからであり、自らの選択によって、納得して動いたときには、そのエネルギーは何倍にもはね 上がり、しかも継続性が生まれる。 そうすると、まず、部下に納得してもらう指導、コミュニケーションの方法が重要なことがわかる。
次に、放っておいても、部下が自分の頭で 考え、行動するような環境づくり、教育が必要になる。「1…1.6 …1.6²の法則」は実践に役立つ具体的なヒントを与えてくれた。
また、別のセミナーに参加したときの話。そのころの私は、会社を設立して間もなくで、「なぜ部下は動かないんだ!」「 部下を動かすには何 が必要なんだ?」「 部下を動かすコツはないのか?」と悩んでいる時期だった。この疑問を講師に投げかけた。
すると、その講師は半ばあきれたような顔をして、こう言った。 「何を言っているんですか?そもそも人を動かそうと考えること自体、 チャンチャラおかしい。上司というのは、部下が自ら動こうとする環境をつくることが大切」 金属バットでガツンと殴られたような衝撃を受けた。
それまでの私は「どうやったら部下を意のままに動かせるだろうか?」ということばかり考えていた。その考え方が根本的に間違っていたことを思い知らさた。
この講師の話は、前述の仕事の生産性の話とピッタリ符号していた。
それまで「オレについてこい!」式のマネジメントをしていた私だったが、その後、マネジメントスタイルをガラリと変えた。自分が前面に出るのではなく、黒子になって部下をバックアップするスタイルへと切り替えた。
その効果は絶大。部下自身に目標を持たせるやり方に替えたところ、部下は自ら動くようになり、次第に業績も上がった。
経営者・リーダーはゴールを示してやる気にさせる
私がどのようなやり方で部下にやる気を出させたのか、一例をお話しする。
あるとき部下の一人に、「君は何のために仕事をしているの?」と聞いてみた。
すると、部下は少し考えて、「生活のためですかね…」と、漠然 とした答えを返した。
そこでさらに「何かほしいものはないの?」 とたずねた。
彼はしばらく考えて「ベンツに乗れたら最高ですね」と答えた。
翌日、私はその部下を輸入車のショールームに連れて行き、ピカピカのベンツが並んでいるのを見て、彼は目を輝かせた。ベンツを手に入れたときのイメージをなるべくリアルに描いてもらうために試乗もさせたところ、「最高ですよ!」と言いながら、喜々としてハンドルを握っていた。もともとまじめに仕事をする部下だったが、その日以来、ますます一生懸命に仕事をするようになった。
目指すゴールが具体的に見えたことで、彼はやる気に火がついた。
私は彼に、ゴールを目指すためには「計画」が必要だとアドバイスをした。 ベンツを手に入れるためには、給料を上げる必要がある。
そのための当面の目標は主任になること。それには業績を上げ、売上げ目標を達成しなければならない。
では、今月中に何をすればよいのか。今日は何をすればよいのか…。
ゴールから逆算して計画を立てさせることで、部下はゴールを目指しやすくなった。
部下指導について語るとき、「コーチング」という言葉がよく使われる。
コーチングの語源は「Coach」という名詞で、「馬車」の意味がある。 つまり、コーチングという言葉は「大切な人を目的地まで送り届ける」という意味を含んでいる。そう考えると、コーチング目的がよくわかる。
それは、部下をゴールに導くための方法論。
テクニックで部下を動かそうとするのではなく、「部下が自分からがんばろうと思うようになるためには、何が必要か?」とまず考えることが大切である。
経営者・リーダーは部下を知ろうと努力すべし
「仕事の優先順位」をあげる
動かそうと思っても、部下は動かない。
部下を動かすには、部下が自分から動きたくなる環境をつくればよい。
それがわかったとき、「では、人はなぜ動くのか?」という新たな疑問がわいた。仕事を一生懸命やる部下もいれば、遊びや趣味のほうに熱心な部下もいる。
その差はなぜ起こるのか?
それは価値観の違いによって起こる。
人の行動はその人の価値観に基づいた優先順位によって決められている。この優先順位は、時と場合によって変化しながら、人間の行動を決定づける。
例えば、かぜをひいても熱を出しても、絶対に会社を休まない人がいる。少々の熱より、仕事の優先順位のほうが高いから。
もし、奥さんがかぜで熱を出した場合、この人はどう行動するか。
普段なら妻の看病より仕事を優先するだろうが、もし、奥さんの病状が悪化して心配な状態なら、会社を休んでも病院に連れて行こうとするだろう。
しかし、普段なら妻の看病を優先する人でも、上司に「明日の会議は君がいなければ始まらない。よろしく頼むよ」と言われたらどうか。もし、自分にもその自覚があったら、奥さんのことを心配しつつも出社して、会議に出席するはず。
だから、部下に行動を起こさせたいと思ったら、まずは部下の価値観を変え、「仕事の優先順位」を上げる必要がある。
仕事より趣味や遊びを優先している部下に対して、「もっと、しっかりやれ」「こんなふうに仕事をしろ」と口を酸っぱくして言ったところで、部下は動いてくれない。
できる上司は、「部下が動かない」と嘆く前に、「どうしたら部下の心の中で、仕事の優先順位を上げられるか?」を考え、部下に動機づけをする。
私自身の場合でいえば、その第一歩として、部下と腹を割って話すことを心がけた。
部下がどんなふうに考え、どのような価値観を持ち、どのような優先順位で日々行動し、仕事をしているのかを知ることから始めた。
こうしたコミュニケーションを通じて、なぜ仕事の優先順位が低いのか、その理由が見えてくることがあった。
例えば、職場の人間関係や仕事の内容に不満を感じているために、やる気を失っている部下に対しては、職場の環境や仕事内容を改善することで、仕事へのモチベーションを高め、仕事の優先順位を上げることができた。
原因がわかれば、対処法もわかる。
そのためには、日ごろから部下とコミュニ ケーションを図ることが大切。
経営者・リーダーは短時間でいいから部下と話すべし
部下とのコミュニケーションは、経営者・リーダーから部下へのワンウエーになりがち。
これではだめで、上司である自分が何を考えているのかを部下に伝え、部下がどう思っているかを聞く、ツーウエーのコミュニケーションが大切。
私は部下と話していて「こういう部下になってほしい」と言うし、部下のほうも「こういう上司になってほしい」「 こういう仕事をさせてほしい」「とやかく言わずに仕事を任せてほしい」などと言われる。
そう言われたからといって、そのとおりにする必要はない。
希望の仕事を与えるには経験不足だと思ったら、「悪いけどその仕事は君にはまだ無理」とはっきり言う。まだ仕事を任せるわけにはいかないと思ったら、「ちょっと様子を見させて。今この仕事を〇〇までにきちんとやってくれたら、考えてみよう」などと応じる。
大切なことは、部下の言い分を通すことではなく、部下の話を聞いて、ダメな理由をきちんと説明した、という事実。
こうしたツーウエーのコミュニケーションが、経営者・リーダーと部下の関係を近づける。
そのために個人面談はよい方法だが、現実的には、一人の部下 にまとまった面談時間を割いてじっくり話をするのは、なかなか難しい。
5分、10分でもいいから話す回数を増やすことをお勧めする。
私の経験からも、そのほうが現実的で、かつ効果的。
私は毎朝、出社すると部下全員の顔を見る。
「あいつ眠そうだけど、日酔いかな。やる気がないみたいだな」と感じたら、「ちょっと来て」とその部下を呼び、「今朝は元気ないな、どうしたんだ?」と話しかける。
あるいは、「週末、実家に帰ると言っていたけど、ご両親は元気だっ たか?」というふうに、言葉をかける。
そんな会話から部下の価値観や生活ぶり、仕事についての考え方が見えてくる。
上司に気にかけてもらっていると感じたら、部下はうれしいもの。
日ごろから言葉を交わしていれば、何かあったときにも、腹を割った話がしやすくなる。
「目的」と「目標」が見えれば部下は動く
「目的」と「目標」を部下に教える
「あなたは、『目的』と『目標』の違いをきちんと説明できますか?」
このようにセミナーで問いかけると、受講者の多くはうつむいてしまう。
違いをはっきり理解している人は意外と少ないが、この違いがわからないと部下の指導はできない。
例えば、「ボートに乗って、三日以内にある島に到着しなければならない」とする。
押し寄せる荒波を何とかしのぎ、懸命にオールを漕いで、もう少しで島にたどり着く、というところで突然の嵐に見舞われ、スタート地点まで戻されてしまった。
さて、あなたならこの先、どう行動するか?
ほとんどの人が、「もうこんなことやってられない!」「面談くさいからやめてしまおう」と思うのではないだろうか。
そう思うのは当然。
なぜなら、このケースには目標 (三日以内に島に到着すること)はあっても、目的がない。
目的とは「何のためにやるのか」という行動の理由。
目標とは「いつまでに、何を、どうする」という手法のこと。
この場合は、「何のため に島に到着しなければならないのか?」という目的が欠如しているため、もう一度ボートを漕いで島に向かう動機づけにならない。
これがもし賞金のかかったレースだったり、三日以内に島に到着しな かったら大事な家を失ってしまうなど、目的がはっきりしていれば、たとえ嵐に押し戻されようと、あなたは必死で島に向けて再出発するに違いない。
人は目的と目標がそろったとき、初めて自主的に、かつ粘り強く行動するようになる。
なかなか行動を起こせない部下がいたとしたら、注意したり、しかりつけたりする前に、指示した仕事の目的と目標を改めてわかりやすく話すことが大切。
職場には目標があふれている。
今月の売上げ目標100万円、契約件数20件以上など、非常に明確な数字目標が掲げられている。
この目標を達成するために、「いつまでに、何を、どうする」という話し合いが頻繁に行われている。
それなのに、肝心の「何のためにやるのか」という目的がないがしろにされていることが少なくない。
ひどいケースになると、部下が「何のためにこの会社で働いているのか?」と「目的」について悩んでいるときに、「もう少しがんばれば売り上げ目標に届くじゃないか」と、「目標」の 部分で励ます経営者・リーダーもいる。
しかし、これでは部下の悩みはますます大きくなるだけ。
目的を失っている部下に対しては、「この売上げを達成することで、次の大型商品の市場導入を早めることができる。そうすれば企業体質が強固になって、待遇の改善要求にも応えられるようになる。だからがんばってくれ!」というように、目的を再度明確にして説明することが大切 。
経営者・リーダーは部下に「がんばる理由」を理解させる
「目的と目標はどちらが大事か?」という質問もよく受けるが、私は迷わず「目的」と答える。
もちろん、どちらも大事だが、仕事をするうえでは目的のほうがはるかに大切だと考えている。
ロケット花火を飛ばそうとするときは、ロケット花火だけあっても飛ばない。導火線に着火する「火」が必要だ。
同様に、何か行動を起こすとき、「火」の役目を果たすのが目的。
人間は、自分の心に火を着ける 「目的」があるからこそ、がんばることができる。
目的をはっきりさせて、それを部下の頭の中にしっかり植えつけることによって、一人ひとりの部下が「がんばる理由」「 その仕事を実行する理由」を明確に理解することができる。
目的がわかれば、「いつまでに、 何を、どうする」という具体的な目標は、部下が自ら考えるようになる。
経営者・リーダーが目標を与えなくても、部下が自分で目標を立てるようになるのが理想的。
「ベンツに乗りたい」という目的を見つけて一生懸命仕事をするようになった部下のことは前述しおたが、仕事の目的や目標を定めるときは、 リアルなイメージを持たせると効果的。
「こうしなければいけない」「こうあるべきだ」という発想から生まれた目的ではなく、自分が心から望むことを目的とすれば、部下のモチベーションは上がる。
漠然と「お金をためたい」ではなく、「マンション購入の頭金を準備するために、 年収が5%上がるようにがんばる」というように、できるだけ具体的なイメージが持てれば、行動につながる。
部下との緊密なコミュニケー ションは、部下が具体的な目的を見つける手助けをするためにも重要。
次回
【2経営者・リーダーは「良い人になるな」「良い上司を目指せ」】に続く・・・
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