![](https://bbank.jp/president-ac/test/wp-content/uploads/2024/02/image-8.png)
2015年より4マス媒体
(テレビ、新聞、ラジオ、雑誌)
の広告費は前年割れ続けており、
相対的に影響力が弱まってきています。
一方、ネット広告の成長率は年10%~20%で、
2019年の広告費はテレビの広告費を
上回るまでに成長しました。
しかし、皆さんの中には
「ネット広告って具体的に何?」、
「ネット広告の仕組みがわからない」
と思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はネット広告の仕組みから特徴、
種類や重要な効果指標までわかりやすく解説していきます。
是非参考にしてください。
ネット広告の仕組み
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まず、私たちがブラウザで
各ウェブサイトにアクセスすると、
ブラウザはウェブサーバー
(ページを表示するために必要な情報を格納している場所)
に対して「ページを表示して」とリクエストを送ります。
それを受けたウェブサーバーが
ブラウザに対してHTMLファイル
(ページを表示するために必要な情報)
を送信することで、
私たちはページ内のコンテンツを
見ることができるわけです。
この時、ページ内に広告枠がある場合は、
アドサーバーと呼ばれる
広告を管理しているサーバーに対しても
「広告を表示して」とリクエストが送られます。
それを受けたアドサーバーが
ブラウザに対して広告を配信することで、
広告がページ上に表示されるという仕組みです。
前述のウェブサーバーはアドサーバーに対して、
ページのコンテンツを表示させる役割であることから
コンテンツサーバーと呼ばれることもあります。
ネット広告の特徴
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①低コストで始められる
テレビCMや新聞広告を出稿するためには、
何百、何千万はたまた何億円とコストがかかってきます。
しかし、ネット広告では
あらかじめ予算を設定することができます。
課金方法はいくつかありますが、
後述の「アフィリエイト広告」の場合は
「成果報酬型課金」が多く用いられます。
成功報酬型とは、事前に広告主が設定した成果
(「その広告を通じてその商品の購入に至った」など)
に対してのみ課金されるので、
想定外の費用が発生することはありません。
限られた予算からでもスタートできるのが特徴です。
②リアルタイムデータを取得できる
マス4媒体の場合、
実際に何人が視聴したのかを正確に知ることは困難です。
しかし、ネット広告では
「どれだけのユーザーがその広告を見たか」
「そのうちの何人がその広告をクリックしたか」
などをリアルタイムで確認することができます。
もし想定していた人数がクリックしていなかった場合、
すぐに修正を加えて改善することもできます。
③詳細なターゲティングができる
私たちがブラウザを訪問した時、
Cookieと呼ばれる私たちの情報
(IDやパスワード、訪問回数など)
がブラウザ内に保存されます。
ネット広告はそのCookieを利用することで、
各個人に最適な広告を表示できます。
その人の性別や年代、
閲覧しているページから関心ごとを推定して
ターゲティングができるわけです。
これにより、より効率的な広告出稿が可能となります。
ネット広告の種類
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ここからはいくつかのネット広告をご紹介します。
今回紹介する広告だけが全てではないので
「更に詳しく知りたい!」という方は、
他の記事を参照しながら理解を深めていってください。
1. リスティング広告
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リスティング広告とは検索結果の上部に、
ユーザーが検索したキーワードに連動して掲載される広告です。
この特徴から「検索連動型広告」とも呼ばれます。
課金は「クリック課金制(CPC)」用いられており、
ユーザーがその広告をクリックするたびに広告主に課金される仕組みです。
掲載順位はオークション形式で、
自身で設定する「入札単価」と
キーワードとの関連性やランディングページの品質など
「広告の品質」の掛け合わせによって順位が決定されます。
■リスティング広告メリット■
✓誰でも簡単に始めることができ、お金をかければ検索結果上位に広告が表示される
✓1,000円程度からでも始められる
■リスティング広告デメリット■
✓広告費を投下し続けないと、掲載され続けない
✓「広告」だと認識され、ユーザーが関心を向けない可能性がある
2. SEO(Search Engine Optimization)
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SEOはネット広告ではありませんが、
リスティング広告と度々比較されます。
SEOは「検索エンジン最適化」と訳され、
自サイトが検索結果の上位に表示されるよう
サイトを最適化していくことです。
リスティング広告が有料であることから
「有料検索」と呼ばれるのに対し、
SEOは「自然検索」
(検索結果にリスティング広告以降表示されるもの)
と呼ばれることもあります。
”自然”検索なので、リスティング広告のように
費用がかからないのが特徴です。
掲載順位は検索エンジンのアルゴリズム決定され、
Googleであれば専門性、権威性、信頼性を最重要視されます。
具体的に言うと、
「ユーザーに有益なコンテンツを提供しているか」
「ページスピードは早いか」
「外部サイトから被リンクされている数が多いか」などが挙げられます。
■SEOのメリット■
✓一度検索結果上位に表示されれば、維持コストほぼゼロでユーザーにリーチできる
✓広告ではないので、ユーザーのクリック率が広告よりも高い
■SEOのデメリット■
✓成果まで時間を要し、競合がいればさらにハードルが上がる
✓検索エンジンのアルゴリズムに左右される(コントロールが効きにくい)
3. アフィリエイト広告
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アフィリエイト広告とは成果報酬型です。
他の広告は認知を目的としたものが多いのに対し、
アフィリエイト広告は広告主が設定する成果
(商品の購入や資料請求、会員登録など)を目的とします。
仕組みは、広告主に代わって
アフィリエイターと呼ばれる人たちが
自身が運営するメディアに広告を掲載します。
そのメディアに訪問したユーザーが
アフィリエイト広告を通じて
広告主が設定した成果を達成した場合に
アフィリエイターに報酬が発生する流れです。
一般的に、広告主とアフィリエイターとの間に
ASPと呼ばれる事業者が仲介に入ります。
広告主がASPに広告を出稿し、
アフィリエイターがASPにある広告の中で
紹介しやすい広告を選択する構造です。
■アフィリエイト広告のメリット■
✓明確な成果に対して費用がかかるので、費用対効果が高い
✓アフィリエイターへの報酬額は事前に決まっているので費用をコントロールしやすい
■アフィリエイト広告のデメリット■
✓アフィリエイターに選ばれない限り、広告が掲載されない
✓自社が望まないサイトに広告が掲載される恐れがある
4. アドネットワーク
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アドネットワークとは、
莫大な量の広告枠が集まった広告配信ネットワークです。
広告主はアドネットワークに入札することで
多数のWebサイトに一括で広告を配信できます。
掲載順位は設定した入札価格による
オークションで決定され、
課金は「クリック課金制(CPC)」や
「CPM(1000インプレッション単位の課金)」が用いられます。
代表的なアドネットワークに
「GDN(Google ディスプレイネットワーク)」や
「YDN(Yahoo! ディスプレイアドネットワーク)」があります。
■アドネットワークのメリット■
✓多数のサイトに掲載してくれるので、掲載依頼の時間を省ける
✓多くの露出量が見込める
■アドネットワークのデメリット■
✓ブランドイメージを損ねるサイトに掲載される恐れがある
✓純広告(直接販売)で売れ残った枠に掲載されることが多いので、魅力的な広告枠が少ない
5. SNS広告
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SNS広告とは
FacebookやTwitterといったSNS上で配信する広告です。
各SNSが持つ特性
(Facebookは実名制、Twitterは拡散性など)
を活用して広告を配信することができます。
掲載順位は基本的に入札単価や
広告の品質の掛け合わせによって決定されます。
■SNS広告のメリット■
✓ユーザー情報や行動履歴が集まっているので詳細なターゲティングができる
✓シェア(共有)などの2次拡散が期待できる
■SNS広告のデメリット■
✓各SNS毎にユーザー属性が異なるので商品によってはマッチしない可能性がある
✓コンテンツと並べて見られるため、目を引くものではないと素通りされてしまう
ネット広告の重要指標
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ここではネット広告において
頻繁に用いられる重要な指標をご紹介します。
この他にも多くの用語あるので
気になった方はぜひお調べください。
IMP(Impression): 広告が表示された数
CPM(Cost Per Mille):1,000IMPあたりの広告費用(広告費用÷IMP×1,000)
CL(Clicks):広告がクリックされた回数
CTR(Click Through Rate):表示された広告に対してクリックされた割合(CL÷IMP)
CPC(Cost Per Click):クリック1回あたりの費用(広告費用÷CL)
CV(Conversion):資料請求や商品の購入など広告で達成したい最終成果
CVR(Conversion Rate):クリックされた広告に対してCVした割合(CV÷クリック数)
CPA(Cost Per Acquisition):CV1回あたりの費用(広告費用÷CV数)
CPI(Cost Per Install):1インストールあたりの費用(広告費用÷インストール数)
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ネット広告市場の今後の動き
![](https://bbank.jp/president-ac/test/wp-content/uploads/2024/02/image-15.png)
ネット広告の強みはターゲティングができることでしたが、
今後この強みを利用できない可能性があります。
2020年6月23日にAppleが
iOS14ではIDFA(各デバイスのID)取得を
オプトイン方式に変更することを発表しました(開始時期は2021年以降)。
IDFA取得を拒否されれば、
IDFAを元にターゲティングしていた広告は配信できなくなります。
また、Googleも2022年頃には
「3rd party cookieを廃止する」と発表しており、
今後のネット広告市場は雲行きが怪しいです。
日々最新情報をキャッチアップしていくことが
今後意思決定をする上で重要になってくるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ネット広告は4マス広告にはない特徴をもっており、
うまく活用することができれば広告の幅も広がることでしょう。
今回ご紹介したネット広告以外にも様々な種類があります。
自社にとって最適なネット広告を見極め、
是非活用していってください。
【ライター】
下境田 直也
株式会社 Urth 代表取締役
大学では経営学を専攻。2018年の1年間はアメリカオレゴン州へ留学。帰国後の2019年には、文部科学省が運営するアントレプレナー育成事業の一環であるGapFundProjectにおいて最高評価および支援金を受け、代表取締役として起業。現在は、フリーランス活動を支援する事業を軸に会社活動を行っている。
【監修】
野田 拓志
株式会社 ビジネスバンクグループ
経営の12分野ガイド
早稲田大学非常勤講師
大学時代、開発経済・国際金融を専門とし、 その後「ビジネス×途上国支援」を行う力をつけるために一橋大学大学院商学研修科経営学修士コース(HMBA)へ進学。 大学院時代に、ライフネット生命の岩瀬氏や元LINEの森川氏に対して経営戦略の提言を行い、そのアイデアが実際に事業に採用される。 現在は、「社長の学校」プレジデントアカデミーの事業部長として、 各地域の経営者の支援やコンサルティングを行う。2017年4月からは早稲田大学で非常勤講師として「ビジネス・アイデア・デザイン(BID)」を行う。
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