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起業を考えている人がまず検討するべきなのが、どのような形態で会社を作るのかということです。
法人の形態は7種類あって、それぞれの会社形態には一長一短があります。本記事では7種類の法人形態の違いについて説明します。

法人の7つの形態

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まず、法人を設立する上で考えるべきなのは、営利法人にするのか非営利法人にするのかということです。

「営利」とはビジネスによって利益を追求するということを指し、いわゆるお金儲けのために作られた法人を営利法人だと呼びます。一方で非営利法人とは、お金儲けを目的とせずに活動している法人のことを指します。

営利法人には株式会社合同会社合資会社合名会社の4つのパターン、非営利法人には一般社団法人一般財団法人NPO法人という3つのパターンがあります。

それぞれの、法人形態によって出資者の権利や組織形態が異なるので、起業する際には自分の目的にあった法人を設立する必要があります

営利法人か非営利法人か?

起業する際に、まず決めなければならないのは営利法人として設立するか、非営利法人として設立するかです。例えば、合同会社を株式会社にするように営利法人内、または非営利法人内での形態の変更は可能ですが、営利法人と非営利法人の間をまたぐような組織の変更は認められていません。

また営利法人と非営利法人では向いている業種も違いますし、経営において求められるスタンスも異なります。

よって、営利法人か非営利法人かという選択は会社形態を決める上でも最も重要なことです。

営利・非営利のメリット、デメリット

では、営業法人と非営利法人にはそれぞれどのようなメリット・デメリットがあるのかについて説明します。

営利法人のメリットと言えるのが、収益を分配できるということです。例えば株式会社は投資家から出資を募る代わりに、投資家に株式を渡します。そして保有している株式に応じて、株式会社から配当金を受け取ることができます。

一方で非営利法人は収益を追求しない団体なので、収益が発生したとしても出資者に利益分配をすることができません。ただし、出資者に利益分配ができないだけで、法人として収益が発生することもありますし、活動している社員に給料を支払うことも可能です。

非営利法人を設立するメリットは、営利法人と比較すると税金の面で有利になる事が多いということです。営利法人の場合、発生した収益すべてに対して法人税が発生するのに対して、非営利法人は行った収益事業のみに課税され、会費や寄附金のような収益事業と関係の無いキャッシュインに関しては課税の対象外となります。

営利法人4形態の違い

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では、営利法人4形態のそれぞれの違いについて説明します。

株式会社

まず紹介するのが、法人の形態として最もポピュラーである「株式会社」です。

株式会社とは、株式を発行して投資家からお金を集めて、そのお金で事業を運営し、収益の一部を還元する法人形態のことです。

投資家は株式の保有割合によって一定の権利が与えられますが、経営は基本的に経営者が行うので、投資家は株式会社の経営に関わる必要がありません。

実務には携わらない外部の投資家から資金調達を行うのには良い法人形態です。ただし、株式を各投資家に分散させればさせるほど、創業者の経営に関する議決権が減るので、経営が安定しなくなります。

合同会社

合同会社は2006年の会社法改正によって新しく設立可能となった法人形態です。ちなみに、合同会社という法人形態が新設される代わりに、それまであった有限会社という会社形態が新設不可能になりました。

合同会社の特徴は、出資者と経営者が同一であるということにあります。外部投資家から資本を入れることはできません。よって株式会社と違い上場することもできません。また、2006年からの制度なのでまだ認知度が低く、株式会社と比較すると信用度が劣ると考えられやすいです。

ただし、出資者の合意の上で利益の配分を自由に決められたり、決算を公表する必要が無かったり、設立の際のコストが安かったりと株式会社よりも手軽に会社を設立することができます。

合資会社

合資会社は、経営をする無限責任社員と資本を提供する有限責任社員によって構成される会社組織を言います。

無限責任社員とは会社の負債全てについて責任を負う人のことを指し、有限責任社員とは自分が提供した資本の範囲内でのみ負債について責任を負う人のことを指します。ちなみに、株式会社も合同会社も有限責任です。

会社の負債について無限に責任を負わなければならない無限責任社員にはリスクの高い法人形態ですが、設立が安価ですし、現物出資も可能なので株式会社よりも簡単に設立できます。ただし、設立される数は少なく効果的なケースが少ない法人形態です。

合名会社

合名会社とは無限責任社員だけで構成された会社です。

無限責任社員だけということで、4つの法人形態の中でも出資者にとって最もリスクの高い法人形態です。よって、近年では合資会社以上に新規設立がレアな法人形態で、株式会社や合同会社として法人を設立した方が良いでしょう。

非営利法人3形態の違い

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続いて非営利法人の3種類の法人形態について説明します。

一般社団法人

一般社団法人とは営利目的で活動を行わない法人全般の事をさし、NPO法人など他の法人形態で設立されていない団体のことを指します。

活動内容は制限されていないので、営利が目的でなければ収益をあげることも可能です。また、設立が他の非営利団体と比較すると簡単で2人以上の構成員から数週間で設立することがあります。

様々な業界の業界団体や資格の認定機関、互助団体を設立する際によく使われる法人形態です。

一般財団法人

一般財団法人とは財産に対して法人格を与えた法人形態で、300万円以上の財産を拠出すれば、事業の公益性や活動目的に関係なく設立可能です。一般社団法人は社員2名で設立できるのに対して、財団法人は理事3名、評議員3名、監事1名の合計7名が設立のために必要です。よって、一般社団法人よりも設立の難易度が高いです。

美術館のような組織によく用いられる法人形態です。

NPO法人

最後に紹介するNPO法人とは日本語で特定非営利活動法人と呼ばれていて、他の非営利法人と異なり、活動は法律に決められた20種類のことしか行えないようになっています。

また、設立にあたっては社員を10人用意したり、審査が他の法人設立方法よりも時間がかかることが多いので手間が掛かります。

ただし、法人形態の中でも一番設立費用が安く、補助金などを利用しやすい傾向があります。また社会的信用もあがりやすい傾向もあります。

違いを理解し、事業に合った法人形態を選ぼう!

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以上のように7つの法人形態の違いについて説明してきました。7つの法人の形態について理解した上で、自分の構想にあった法人形態で会社を設立してください。

適切な法人形態を選ぶことは重要ですが、起業のスタート地点にすぎません。
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