更新日:2024年8月7日

【無料レポート】

数千人の社長を見てきて分かった
成功し続ける社長がもつ「7つの特徴」


ビジネスバンク 代表取締役 浜口隆則
著者 / 浜口 隆則
株式会社ビジネスバンク
代表取締役社長

横浜国立大学教育学部卒、ニューヨーク州立大学経営学部卒。
会計事務所、経営コンサルティング会社を経て、大好きな起業家を支援する仕事をするために20代で「日本の開業率を10%に引き上げます!」をミッションにした株式会社ビジネスバンクを創業。現在は起業支援サービスを提供する複数の会社を所有するビジネスオーナーであり、アーリーステージの事業に投資する投資家でもある。「幸福追求型の経営 / 戦わない経営 / 小さな会社のブランド戦略」など、独自の経営理論にはファンが多い。浜口隆則 著書一覧1浜口隆則 著書一覧-2Facebookアカウントはこちら
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「社長として、どうあるべきか?」

真摯に経営に取り組もうとしている経営者なら、自分が「社長として、どうあるべきか?」と誰もが悩むと思います。

本レポートは、そんな責任感の強い経営者のために、
数千社という経営と数千人の社長の現実と趨勢を見てきた私たちが【成功し続けている社長の特徴」についてまとめたものです。

「成功し続けている社長像」は細かいことを挙げれば多岐に渡りますが、忙しい社長のために、最も重要だと思われる7つにしぼりました。
一つの考えとして参考にして頂ければ幸いです。

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一般的な社長像がもたらす弊害

社長像 CEO

「一時的な成功」と「継続的な成功」は、違います。
 
真摯に経営に取り組んでいこうとしている社長なら、派手だけど一時的な成功よりは、地味でも継続的な成功を望んでいるはずです。
ですから「成功し続けている社長」という観点で、成功している社長像を持って頂けたらと考えています。

多くの人が持っている間違った社長像

しかしながら、世の中に存在する「一般的な社長像」は「一時的に成功した社長」の像に近くなりがちです。
また、「地味な成功者」ではなく「派手なタイプの成功者」のイメージに偏りがちです。
 
間違ったイメージは、私たちの脳裏に深く染み込んでいることが多いです。そして、その間違ったイメージによって、社長としての道を誤ってしまうことがあります。
 
実は、これはメンタルブロックという意外と根深い問題にも繋がるのですが、解決策の一つは、シンプルです。
それは、一時的ではなく、成功し続けている「本物の成功」を遂げている社長たちの特徴を知ることです。

「本物の成功」は表に出てこない

しかし、ここで問題があります。
「本物の成功」は、なかなか表に出てこないのです。
 
地味なことはニュースになりません。人の目を惹きません。
ですから、私たちが情報を得る手段である、テレビや新聞や雑誌というメディアは、地味な情報を伝えてはくれません。
 
「成功している社長像」が、この典型だと思います。
 
地味だけど、役に立つ情報は、そうやって排除されていきます。
多くの人が読みたい情報は、多くの人に役立つ情報とは限らないのです。
 
私も昔は、多くの一般的なメディアが好んで露出させる社長たちがリアルな社長像なのだと、なんとなく感じていました。
しかし、社長の支援をする仕事を選択し、実際に何千人もの社長にお会いする中で「一般的な社長のイメージとは、かなり違うなあ」と思わされることが多かったです。
 
世の中に一般的に存在する社長像と実際に数千人の社長の現実と趨勢を見てきた私たちが持つに至った社長像は、かなり違います。
 
そういった「本当の社長像」は、あまり表に出てこないメカニズムが働いているので、私たちにとっては当たり前になってしまいましたが、貴重なのかもしれません。
 
経営は「赤字+廃業してしまった会社が87%」という世界ですから、「成功し続けている社長」の数自体も少ないので、多くの人までは情報が届かないままの状態になっています。

本当に参考になる<社長像>

プレジデントアカデミー(President Academy)では、一時的な成功ではなく、継続的に成功する社長が増えて欲しいと考えて運営しています。
ですから、メディアでよく目にする社長ではなく「成功し続けている社長」をモデル(成功している社長像)として、その特徴を提供しています。
 
私たちが経営者として迷った時、社長としてのあるべき姿に迷った時、先駆者である「成功し続けている社長」が教えてくれることは、厳しかったりもしますが、とても参考になります
 
「ちょっと変わっているなあ」と最初は感じるかもしれませんが、それこそ、世の中に偏った形で溢れてしまった社長像に影響を受けている証拠でもあります。
 
一度、先入観をポイッと捨てて、オープンマインドで受け取ってみてもらえたらと思います。
 
さあ、7つの、とても大切な特徴を見ていきましょう。

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成功し続ける社長がもつ「7つの特徴」

成功 社長 5つの特徴

「経営の成否は社長が決めている」
 
これは短期的には違う場合もありますが、長期的には真実です。
(*参考:無料レポート「「社長の仕事」とは?」
 
経営が継続できるかどうかは、社長の力にかかっています。
ですから、私たちは社長としての力を高め続けるべきです。
 
そのために参考になるのは成功し続けている社長の特徴」です。
 
もちろん、一時的な成功者から学ぶべきこともありますが、一時的な成功には偶然の要素や特殊性や特定環境などが多く含まれていることが多いです。
しかし、少なくとも10年以上も継続して成功するためには、多くの異なった環境を生き抜いてきている社長なので、普遍的に参考になる部分が多いと考えています。
 
ですから、この7つの特徴は、
言い換えれば、本物の成功者が生き残っていく過程で気づいた「大切な考え方や行動指針」とも言えます。
 
それらを説明していきたいと思います。

成功し続ける社長の特徴 1 :成長していく人の最強の武器

社長は成長し続けるべき

まず一つ目の特徴です。
経営に終わりがないように、社長としての実力や器にも終わりはありません。
もちろん、社長の実力が一定のレベルまで達すれば、経営は安定していきますが、そこで社長が過信してしまうと停滞が始まります。
 
社長が停滞するということは、常に変化・成長している社会の中に会社があるわけですから、相対的には退化しているのと同じです。自分では同じ位置にいるつもりなのが怖い所です。
 
ですから、私たちは社長として「成長し続ける」ということを常に考えておくべきです。成長し続けたほうが、経営も当然、より安全になっていきます。
 
また、経営が「人の、人による、人のための仕組み」である以上、社長として成長するということは、人としても成長することでもあります。
人としても成長したほうが、一個人としても、より幸せに近づいていくので、社長は成長し続けるべきだと考えています。

成長するための「最強の武器」とは?

「成長していく人の最強の武器」って何だと思いますか?
一度、頭の中に描いてみてください。
 

 

 
◇ 
 
様々なことが思い浮かぶと思います。
私たちも数千人の経営者たちの栄枯盛衰を見てきたので、様々な要素が思い浮かびますが、究極的には、この気質だなと考えるようになったのは、意外かもしれませんが、これです。
 
それは素直さです。
 
成長していく人は素直なことが多いです。
単に従順という意味ではなく人から言われることも聞き入れられる器があるということです。

経営者が陥りやすい罠

経営者が陥りやすい罠は、「自分を持っている感」です。
 
「自分を持っている感」というのは「自分は自分」で「他者とは違う」という感覚です。そういう自負心と言っても良いかもしれません。
 
ビジネスをするにあたって、独自性を重要視することは大切なことです。
しかし、社長としての成長を考えると、独自性への無条件な肯定感は、深刻な弊害をもたらす危険性があります
 
経営者には「俺は俺」「私は私」と「自分を持っている感」を持っていたい人が多いです。
しかし、自分は自分で「人に指図されたくない」というような感情を強く持ち過ぎている人は、その心が邪魔をして、人から言ってもらったことを聞き入れられなくなってしまいます
 
他者が自分のために「とても良いこと」や「本当に必要なこと」を言ってくれていたとしても、「それは違う、私の考えとは違う」と言って、聞き入れない。
内容が合わないと感じているのではなく他者から言われた」という理由だけで聞き入れない
それを繰り返して、独善的になり、成長が止まってしまうことが多いのです。

独自性の弊害

独自性への無条件な肯定感は、とても、もったいないことです。
なぜなら、他者が自分に対して言ってくれたりすることというのは、自分を劇的に変えてくれる「成長因子」かもしれないからです。
それにも関わらず、それを拒否してしまっているからです。
 
変わっていくチャンスや成長する機会を、自ら捨ててしまっています。
 
「自分を持っている感」を最も重要だと考えている人は、人に流されないでいることは難しいと捉えています。
しかし、能力が高く、一定レベル以上の成功を成し遂げられた実力のある人にとって、それは逆です。
 
素直に受け入れるほうが、難しい。
他者の意見を受け入れるということは、自分に今まで無かった要素などに挑戦しないといけなくなるということですから、難しいです。
実際に成功しているからこそ、難しくなるのです。
 
拒否するほうが楽です。
人は、これまでと違うことをするのが苦手な傾向があります。
ですから「それは違う。自分にとって必要ない」と拒否してしまったほうが楽なのです。
 
拒否して、自分を貫き通す方が楽であり、かつ、なんとなくカッコ良く見えます。ですから、多くの人が、その手段を使ってしまいます。
 
しかしながら、楽でカッコウもつくからと言って、拒否し続けていると、いつまでも同じままです。成長が止まってしまいます。
停滞は単に止まっていられる訳ではありません。全てが刻々と変化し成長している環境にさらされている社長にとっては、停滞は凋落と同じ意味なのです。
 
このように拒否するというのは一時的な感情のためには良いかもしれないですが、長期的には絶対に損失です。特に、私たち経営者は「自分の考えを通したい傾向が強い人種」でもあるので、余計に気をつけるべきだと考えています。

素直を書く松下幸之助氏

松下 幸之助 氏
(出典元)https://www.php.co.jp/pfc/sunao/

「素直さが大切」というのは、私だけが言っているのではありません。それこそ多くの偉人級の経営者が口を揃えて言っていることなので、とても大事な要素だと考えた方が良いと思います。

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成功し続ける社長の特徴 2 :成功する起業家の第一条件

2つ目の特徴は成功する起業家の第一条件と呼んでいる考え方です。
 
この考え方が不足していると、経営者であり続けられることは、ものすごく難しいです。ですから、多くの社長に大切にして欲しい考え方です。
 
「成功する起業家の第一条件」は何かと言うと、これも意外に聞こえるかもしれませんが、下記です。
 
「成功する起業家の第一条件」=
「人生で起こる全ての事は100%自分の責任だと考えられていること」

 
人生で起こることを「自分の責任」だと考える傾向のことを【内部要因思考】と言います。自分に何かが起こった時に、これは「自分の責任で起こったのだな」と捉える傾向です。
 
逆に、人生で起こることを「自分の責任ではない」と考える傾向のことを【外部要因思考】と言います。自分に何かが起こった時に、それは「自分のせいじゃない」と捉える傾向です。
 
「人生で何かが起こった時の原因を、どのように捉えるか?」という、これらの心理的な傾向と「成功度」には関係があります。
 
【内部要因思考】と「成功度」の因果関係を図にしてみると、下記のような感じになります。
 

(図1:【内部要因思考】と「成功度」の関係)

内部要因思考と成功度の関係性

 
【内部要因思考】と「成功度」は、ほとんど正比例になっていることが多いです。もちろん、分かりやすくするために単純化してありますが、【内部要因思考】ができるようになればなるほど、成功する確率が上がることは間違いないです。
 
特に、何もない状態から始める起業時は、【内部要因思考】が高いほうが、より短かい期間で上手くいくことが多いです。
 
では、なぜ【内部要因思考】の社長の方が成功しやすいのでしょうか?

言い訳をしない人が成功する理由

(図1)で表された【内部要因思考】と「成功度」の関係は、簡単に言うと「言い訳をしない人が成功する」ということです。
なぜ「言い訳をしない人が成功するのか?」を考えてみましょう。
 
① 成長できる人になる
 「言い訳をしない人」が成功しやすい理由は、まず「成長できる人になる」ということです。停滞することなく、変わっていけるということです。
 
たとえば、重要な商談のアポイントに遅れてしまったとします。
その理由は「電車が遅れたから」だとします。このような時、【外部要因思考】の人は「電車が遅れたのだから、自分は悪くない」と考えます。
 
確かに、その通りです。
 
実際、電車が遅れたから、重要なアポイントに遅れてしまったわけですから、そう考える気持ちは十分に理解できます。その時だけのことを考えると「自分の責任ではない」と考えても悪くはないでしょう。
 
しかし、この人は、電車が遅れたら、また遅刻します。
そして、自分は悪いと考えないまま、何の改善もせずに、重要なアポイントに遅刻するということを「繰り返してしまう」可能性があります。
 
これは長期的に考えると、結果として、相手から「この人とは仕事したくない」と思われるようになり、大きなマイナスにつながります。
 
 
【内部要因思考】の人は全く違います。
どのように考えるかというと
「この遅れた電車の時間に乗ろうとしたのは自分の責任だ」
「遅刻したという事実は変わらないから自分の責任だ」と考えて、
次回以降は電車が遅れたとしても間に合うように、2本早い電車に乗るとか、別の交通手段を使うとか考えて、工夫していきます。
そうやって、どんどん変化(改善)していきます。これは、成長です。
 
自分以外の責任にしていたら、何も変わりません。
【外部要因思考】の人は「自分の責任ではないから、変わる必要がない」と考えています。
自分の経営が上手くいかないのは「景気が悪いからだ」「社会が悪いからだ」と思ってしまっている。
そう考えてしまうと、変える必要性を感じなくなってしまいます。悪いのは自分ではなく、それは景気のせい、社会のせいですから。
 
「変わらないことの免罪符」を自分に提供してしまっているようなものです。だから成長できなくなってしまいます。
 
それとは逆に「言い訳をしない人」は、失敗したら、それを自分の責任だと捉えて、その原因を改善するように、どんどん変えていくので、成長していけます。
 
 
② 任される人になる
 もう一つの理由は「任される人になる」ということです。
 
たとえば、あなたが仕事を外注して任せた相手が、約束の期限に納品できなかった時に、様々な言い訳をして、自分が間に合わなかったことを正当化しようとする人だったとしたら、
あなたは、そんな人に仕事を頼み続けますか? 
大切な仕事を任せる相手として、その人を選びますか?
 
私だったら、そういう言い訳を繰り返す人は、もう選ばないです。
もし期限に間に合わなかったとしても「言い訳しない人」には、また仕事を任せます。仕事を頼む立場の人だったら、たいていは、そう考えるはずです。
ですから、言い訳する人は「任されない人」になっていきます。「この人は信用できない」という烙印を押されてしまうということです。
 
【外部要因思考】でいる方が楽です。
ですから、私たち経営者が【外部要因思考】をしていると、社員の多くが【外部要因思考】になっていきます。その方が楽だからです。
 
これは私たち社長が覚悟しないといけないことですが「楽なことは簡単に真似される」ということです。
残念ですが「正しいけど大変なこと」は意外と真似してくれないです。
ですから、私たちがしっかりと【内部要因思考】ができていないと、会社全員が言い訳ばかりするようになって、「この会社の人は言い訳ばかりするな」「信用できないな」と思われるようになって、お客さんからそっぽを向かれる会社になってしまうのです。

雪が降っても自分の責任

成功 社長 特徴 雪が降っても自分の責任

人は自分に甘くなりがちですから、「何事が起ころうとも自分の責任」だと考えるくらいで丁度いいです。
 
雪が降って交通渋滞が起ころうが、電車が遅れようが、何が起ころうが、もう自分の責任だと、一旦、受け取ってみると良いです。
業績が悪いのも自分の責任ですし、仕事を十分にしない社員がいるのも自分の責任ですし、ポストが赤いのも自分の責任です。
 
そうやって「全ての責任は自分にある」と考えて責任範囲を広げていくのが「社長の仕事」の一つでもあります。
 
ただ、そうやって責任範囲を広げ過ぎるとツラくなるので、良い意味では、抜くところは抜いても良いと思います。
しかしながら、一旦、責任を受け取るというのは、経営者としては大事な姿勢なのだと思います。
 
私は長野で起業しました。
長野から始めて、東京でシェアオフィスを展開していったのですが、長野なので、しかも、1997年だったので、大きな話題にはなりました。地元のテレビ局も「こんなニュービジネスが始まりました!」と取材にきてくれたりしたのですが、お客さんは全く来てくれなかったです(笑)。
 
何をやっているのか理解してもらえていなかったです。
先輩の経営者たちからは「浜ちゃんは、何をやっているんだ?」と思われていました。
 
ですから、最初は全く上手くいかなかったわけです。
当時は、24年後である今(2021年)のシェアオフィス業界が、ようやく始めようとしているくらいの最先端のことを、もう実行していて15分単位でオフィスが借りられるようにしたりしていましたから、「新しいことをやり過ぎていた」というのも、上手くいっていなかった要因の一つです。
 
そのような流動性の高い形態をしていると、飲食店と同じような動きになっていきます。つまり、天気が悪くなるとお客さんが来なくなります。ですから、雪が降ると「また売上が下がってしまうなぁ」と思いながら経営をしていました。
 
そうやって2年くらいは「冬は雪が降るからダメだ」と、売上が減るのを「雪のせい」にしていました。
3年目になってくると、経営的に、どんどん追い込まれていって、ある日、雪かきをしながら「雪のせいにしていたら、いつまで経っても、何も変わらないな」と思わされた瞬間がありました。
 
その時に、心の底から「雪のせいにするのはやめよう」と思えるようになりました。
とにかく一度「全てを自分の責任にしてみよう」と覚悟しました。追い込まれたからこそ、そう考えられるようになったのだと思います。

「覚悟」は伝わる

そうやって「雪が降っても自分の責任」くらいに考えてやってみようと思って動き始めました。
すると不思議なことに、急に上手くいくようになったのです。
最初は「不思議だなぁ」と思っていましたが、その後、数千人の社長とお付き合いしていくうちに、なぜ「雪が降っても自分の責任」と考える【内部要因思考】の人が成功し続けているのかが分かってきました。
 
人は、そういう覚悟をした人が「分かる」のだと思います。
 
人に何かを任せる時というのは、慎重に相手を選びます。
失敗したくないわけですから、常に相手を見て選んでいます。それでもダメな相手に任せてしまって失敗したりします。そういう経験を積んでいくと、逃げる人か逃げない人かが分かるようになっていきます。経験を積めば積むほど、人を見る目が厳しくなっていきます。
 
逃げない人に、私達は仕事を任せたいわけです。それは小売でも同じです。
 
そういう覚悟って、意外と伝わるものです。
ですから、自分で責任を取ろうとする覚悟のある社長や会社が選ばれるようになっていきますし、言い訳ばかりして責任を回避しようとする社長や会社は選ばれなくなっていくのです。
 
このような背景があって【内部要因思考】というのは、とても大切だと考えて、私自身も大切にし続けています。

成功し続ける社長の特徴 3 :失敗の定義

社長にとって「内部要因思考」は、とても重要な考え方です。
 
しかし、「内部要因思考」を始めた頃は、かなりキツいです。
なぜなら、失敗だらけになるからです。
 
これまで「誰かのせい」にしていたことが、すべて自分の責任になるわけです。
 
しかし、成功し続けている社長たちを観察していると、内部要因思考をして責任を受け取りながらも、あまり深くは落ち込むことがないように感じていました。
 
最初は「めちゃくちゃメンタルが強い人たちなのだなあ」と思っていましたが、実は違いました。成功し続けられるような社長は、繊細な人が多いです。繊細だからこそ、色々なことに気づき、改善され、より良くなっていくのです。
 
繊細なのに、なぜ落ち込まないのか?
 
それは、多くの人と「失敗の定義」が違うからでした。 

失敗の定義が違う

下記の図のように多くの人は、「失敗を結果」として捉えています。
何かアクションを起こしたら、失敗するか成功するかという結果として、失敗を捉えています。 

しかし、成功する人は、下図のように「失敗を過程(プロセス)」として捉えています。
何かのアクションを起こしたら、最初は失敗するのが当たり前で、そのプロセスを繰り返して成功に近づいていくという考え方です。

このように成功する社長は「失敗は結果でなくプロセス」と捉えていて、成功するためにアクションを起こせば「失敗は、当然のように起こること」だと考えています
 
だから、落ち込まないのです。
 
そして、失敗を結果だと捉えて、アクションを止めてしまったり、悩んだりしている人が多い中で、アクションと失敗を重ね続けて、成功に近づいていくのです。

成功し続ける社長の特徴 4 :成長し続ける人の特徴

成功 社長 特徴 第一歩が早い

次に4番目の特徴です。一つ目の特徴で「成長する人は素直さを持っている」ということを説明しました。それにプラスして、その成長が続いている人の特徴です。
 
私の身近な経営者でも、とっくに引退してもいいような年齢になっても、成長し続けている人がいます。
何年か前も、急に70歳を越えている経営者から連絡があって、「浜ちゃん、Facebookのやり方を教えて」と教えを請われました。30年近いお付き合いがありますが、そういう年齢になっても新しいことに挑戦する人たちというのは、やはり成長し続けています。近況を聞くと、全く新しい事業にも挑戦していて、業績も順調に拡大されていました。

第一歩が早い

そのような「成長し続けている人たち」の特徴はいくつかありますが、最も大切だなと思わされている特徴を挙げると、それは「第一歩が早い」ということです。
 
行動が、とにかく早い、第一歩目が早い。
成長し続けている人たちは、とにかく、早く動きます。
「すぐやる」のです。
 
このレポートを読んでくださっている中にもいらっしゃるかもしれませんが、残念ながら、私は、これがダメでした。
「すぐに行動する」ということが、得意ではありませんでした。
しかし、多くの成功し続けている社長を見てきて、成功している人たちは、本当にすぐやる人が多かったですし、第一歩を早く踏み出している人が多かったです。

72時間ルール

それを目の当たりにしたので、「このままだとダメだ」と思って、即時行動ができない自分に「72時間ルール」というルールを作りました。
 
「72時間ルール」は「自分がやらないといけない」とか「やりたい」と思ったことは「72時間以内に第一歩を踏み出す」というルールです。
 
たとえば「富士山に登りたい」と思ったとします。
72時間以内に富士山に登らないといけないというわけではありません。
登らなくてもいいですが、72時間以内に、地図を買うとか、登った人の話を聞くとか、具体的なアクションを起こしていくということです。
私がよくやるのは、登山靴を買ってしまうとかです。
 
トライアスロンに挑戦してみようと思った時は「72時間以内に」自転車を買いました。そしたらもう、やらざるを得なくなります。
私のように元々、即時行動が苦手な人は、それくらいやった方がいいと考えています。
 
私の例のように、やらざるを得ないような状況まで追い込まなくてもいいですが、第一歩を踏み出しておくと、二歩目や三歩目は、簡単に踏み出しやすくなります。
そうすると「やりたいこと」や「やるべきだと思ったこと」の多くを実現していけるようになります。
 
当たり前ですが、何もしないで成功することはないですから、行動量は、とても大事です。
特に、起業時のようなゼロから何かを始める時や、社長が自社の経営に変革をもたらせようと挑戦するような時には、明確な方法論がないわけですから、仮説を立てた上でアクションを繰り返していく必要があります。
 
経営者という実践者は、初動を早くして、アクションを積み重ねることが必要です。
ですから、特に、私のように即時行動が苦手な人は「72時間ルール」を試してみてください。
 
このルールは、実際、多く人から喜んで頂いています。

成功し続ける社長の特徴 5 :経営を知っている

経営で成功するためには、経営を知っている必要があります。
 
この誰もが理解できそう事実を、多くの社長は深く理解できていません。
そして、経営を知らないままに、経営をして、当然のように失敗していってしまいます。
 
87%もの会社が失敗しているのは、経営が難しいからではありません。
経営を知らない社長が、経営をしているからなのです。

経営を勉強する重要性

あなたが家を建てようとした時、建築家が「私は建築を勉強したことがありません」「すべて勘で建てようと思います」「まだ実績はないです」と言われたら?
 
どう思いますか? その建築家に30年のローンを組んで、何千万も払いたいですか?
 
あなたが搭乗する飛行機のパイロットが、航空操縦学を学んでいなかったら?
その飛行機に乗りたいですか?
 
あなたの大切な人が手術をする時に、医者が医学を全く勉強していなかったら?
大切な人の手術を、その医者に任せますか?
 
こうやって例えて考えると恐ろしいことですが、経営では、同じようなことが起こっているのです。
 
成功する社長は、早い時点で、この事実を理解し、集中的に経営を勉強する時期を作っています。そして、学び続けています。
 
社長が経営を勉強する重要性に関しては、「経営を勉強する重要性 〜社長が学ぶべき たった一つの理由〜」でも詳しく解説させて頂いたので、読んでみてください。

多くの経営が失敗する意外な理由

「経営を知っている」ことは、本当に重要です。
 
経営活動を上手く行いたいのに、その対象のことを知らないで上手くいくわけがありません。「経営を知っている」ことは経営で成功するためには必要な条件であることは、誰にでも分かるように思えます。
 
ですから、私は当初「経営を知っている」ということを<成功する社長の特徴>としてリストに入れていませんでした。あまりにも当たり前で、前提条件のような特徴だと考えていたからです。
 
しかし、現実は違いました。
何千人もの社長とお付き合いしていくうちに、あまりにも多くの社長が「経営のことを知らない」ことに気づかされました。
 
一見、優秀に見える多くの社長が失敗していくのは、不思議で仕方がなかったのですが、原因が分かりました。
 
ものすごく単純な理由だったのです。
多くの社長が失敗してしまう原因は「経営を知らないから」なのです。
 

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成功し続ける社長の特徴 6 :成功する社長の「知の基準」

次の特徴は成功する社長の<知の基準>です。
 
数千人もの社長と仕事を通して関わっていくにつれて、成功している人たちは「知っている」ということの基準が違うのだということに気づきました。

知っていること=できていること

成功している社長たちは「知っていることは、できていること」だと考えています
できていることが知っていることであって、「できていなかったら、それは知らないこと」と同じだと考えているのです。
 
反対に、勉強が好きで知識はあるのに、なかなか上手くいっていない人は、「知っていることを、できていること」のように錯覚しています。
私自身も、勉強したり研究したりすることは好きなので、自分への反省材料でもあるのですが、知って満足している分野もあったりします。
「あーなるほど面白かった」で満足してしまっているということです。

できていないことは、知らないことと同じである

「知っている」だけでは、私たち経営者にとっては何の意味もなさないです。
「知っている」ことを自社で実践できたり、実現できる様にして、初めて意味を持ちます。
ですから、「できていないことは、知らないのと同じこと」だと考えるべきです。

知っているだけで満足していないか?

「知っている」というだけで、満足してはいけないということです。
経営者は実践者なので、知っていることと、やっていることを一致させる「知行一致」が大事だということです。

知行一致

成功し続ける社長の特徴 7 :成功する起業家の最終条件

 最後に7番目の特徴です。
この特徴が欠けていると「成功する状態が続かない」ことが多いということに気づいたので「成功する起業家の最終条件」と呼んでいます。
 
経営が長く続いている社長たちを見ていると、大抵この特徴を持っています。そして、この特徴は「経営が継続する要因」として深く関わっています。
これも意外に聞こえるかもしれませんが、それは感謝できる能力を持っているということです。

感謝できる能力

社長というのは、特に成功した時に、極端に言うと傍若無人になってしまって、周りの人に感じの良い接し方ができなくなってしまうことがあります。成功したのは「すべて」自分の能力や努力の結果だと考えてしまい、周囲の人を道具のように扱ってしまうようになります。
 
そういう人は、どうなっていくかというと、ビジネスが上手くいっている時は、まだ問題は噴出してこないことが多いのですが、ビジネスが傾いた時に、一気に問題が噴出して、急激にダメになっていきます。
 
特に、一緒に仕事をしていた社員が、さぁーっと辞めていってしまうことが多いです。人がいなくなっていくということは、少なくとも同じ規模やレベルでは経営を続けることが困難になる可能性が高いですから、そこからは下り坂を転げ落ちるような状態になってしまうことが多いのです。
 
そこまで極端ではなくても、自分の成功が周囲の力によっても支えられたのだと感謝する心を忘れてしまうと、周囲は、それに気づきます。
「そんな人と一緒に仕事をしたいですか?」と問われたら、多くの人は「一緒に仕事をしたくない」と感じるはずです。
 
「チームで仕事ができる能力」というのは、ある程度の規模で経営を行うために、また、自分の得意な分野を中心に仕事をして、自分の不得手な分野はメンバーに任せられる経営を行うためには、とても重要な力です。
つまり、経営を継続させるために必要な力と言えます。
その土台は、相手のことを考えられる力であり、相手の心を推し量れる力です。
 
ですから、「感謝できる」ことは「能力」として捉えてもいい特徴の一つなのだと考えています。

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成功し続ける社長になるための「3つのアクション」

成功 社長 3つのアクション

「成功し続ける社長」の特徴を7つ見てきました。
 
どれもシンプルですが、自分の素になるくらいまで落とし込もうとすると、少し時間はかかると思います。でも不可能なことではないです。
成功し続ける社長たちが持っている特徴は「100メートルを9秒台で走れ」と言っている訳ではありません。むしろ、それらで成功者としての資質が得られるのであれば、ある程度の努力をしてでも身につけたいところですし、十分に可能な内容です。
 
6番目の「知の基準」でお伝えしましたが、私たち経営者は実践者ですから、「知っただけ」では意味がありません。そうかと言って、すぐにできるようにならないといけないのではなく、少しずつできるようになればいいのです。慣れていく感覚に近いかもしれません。
 
そのために下記の「3つのアクション」が参考になると思います。

(1)一人で静かに考える時間を持つ

「7つの特徴」はシンプルですが、成功し続けているほとんどの社長が持っている特徴なので、自分を少しずつ変えて、身につけた方が良い素養だと考えられます。
 
そのためには、常に、自分とギャップがあることを意識しながら、「できているだろうか?」と何度も意図的に意識を傾けないといけません。何事も同じですが、そういうプロセスがないと、より良い方向に自分を変えていくことは難しいです。
 
ですから、まず私たちができることは、定期的に意識することです。毎日5分でも良いので「1人で静かに考える時間」を持って、今の自分を見つめ直すことをお薦めしています。

「忙しい」を言い訳にしていませんか?

会社を経営していると、様々な所から入ってくる様々な情報に対して「反応する」「対応する」のに多くの時間を取られてしまっている社長が多いです。
そうやって、外からの反応に時間が取られて「じっくり考える時間」がなくなってしまい「自分と向き合う時間」がなくなってしまっている人が多いと思います。
ですから、「自分と向き合う時間」というのを5分で良いので作ってみてください。
 
どんなに忙しくても、1日5分くらいは取れるはずですから実行してみましょう。
最初は少し負担に感じるかもしれませんが、慣れてくると、やらないと気持ち悪いくらいになります(笑)。

(2)リマインダーを持つ

次に2つ目のアクションです。人は忘れる動物です。
今日知ったことも、今日やるべきだと思ったことも、たいてい忘れてしまいます。忘れることは人間の防御システムの一つでもありますが、大切なことは忘れたくないですよね。
 
ですから、「リマインダー」を作ることをお薦めしています。
 
 リマインダー【Reminder】
  ― 備忘のために、自分の記憶に依存しない方法で、思い出せてくれるもの
 
たとえば、簡単な方法だと、毎日必ず行う「別の行動」と結びつけて行うという方法があります。
歯を磨く時には必ず考えるとか、トイレに行った時には必ず考えるとか、何か絶対やることに結び付けてやるようにすると忘れにくくなります。
 
最近はスマートフォンなどのスケジュールやタスク管理(To Do管理)などのアプリに通知機能が充実しているので、それらを活用するのもお薦めです。
 
私の場合は、「社長の仕事」という自著の中でリマインダーを仕組みとして作りました。
本を読んでくださった方には、本の中に葉書が入っていて、そこに秘密のホームページのU R Lが記載されています。
そのページでメールアドレスを登録すると、社長として気をつけるべきことの<122項目>が、毎日一つずつリマインダーとしてメールで送られてくるような仕組みにしました。

社長の仕事リマインド

メールは大抵、毎日チェックするので、日々、それを見ます。
そうすると忘れません。
そういう仕組みは自分でも作れます。メールの配信システムやタスク管理のリマインダー機能などを使って、自分が大事にしている考えをメールで送ってもらうような仕組みにしておけば、日々、リマインダーとして自動的に動いて活躍してくれます。