日本の学歴社会を生き抜き、企業でも活躍している優秀な人たちの多くは、「問題は誰かに出されるものだ」という前提でいます。
「ここがうまくいかないから解決策を考えてくれ」
「当初の想定よりも売れないのは、いったいどうしてなのか」
上からこういう問題を与えられて、それを解くのがうまい人が「仕事ができる」と評価されます。しかし、経営者になったらまったく逆です。問題を出す側にならないといけません。そこでは、適切な問題をつくりだす能力が必要になります。
そのために重要なのは、「そもそも今の現実をどれだけ問題視できるか」ということです。「順調にいっている我が社には、たいして憂慮すべき点はない」と能天気に考えていれば、問題は見つかりません。
私が見る限り、多くの起業家がたくさんの重大な問題を抱えています。にもかかわらず、本人はたいして問題視していません。たとえば、仕事が属人的になりすぎていて仕組み化されていなくても、それが当たり前だと考えて平気でいます。
しかし、たとえ今はとてもうまくいっている事業でも、「うまくいっている」ということ自体が問題だったりします。そこに油断をしている間に、ライバル社がより優れた商品を開発するかもしれないのです。
だから「どこにでも」「たえず」問題はあります。形を変えながら、たえずあるのです。そこに気づくことで、優れたアイデアも生まれていきます。
起業しようと考えるのは、もともと優秀な人たちが多いのです。問題に気づきさえすれば、原因追及や解決策の模索も得意です。でも、問題に気づかずにいれば、そうした能力も発揮しようがありません。
「問題は自分がつくりだす」という前提に変えて、たえず存在し続けるために解決すべき問題を探す能力を磨いてください。
▶︎Point|1日1つ問題をつくっていこう