起業して成功するためには、すでに成功している人たちを参考にすべきだということは、誰もが賛同してくれますよね。
実際、成功事例を見たり読んだりするのを好きな人は多いですが、ただ「あれが流行っているよね」「人気あるよね」と知るだけではダメです。「なぜうまくいっているのか?」を分析する必要があります。
そのときに欠かせないのが「解剖」です。
成功しているビジネスモデルを参考にするといっても、丸ごと取り入れることはできません。さまざまな成功モデルから部品を取り出し、組み合わせてマネていくことになります。だから、解剖して部品に落とし込むことが必要なのです。
このとき、経営書とつき合わせながら解剖することが大事です。医学生が解剖を学ぶときも、どこにどんな臓器があるか教科書の説明とつき合わせながらでなくては正しくできません。
経営書とつき合わせながら成功しているビジネスモデルを解剖していけば、経営がうまくいっている人たちのフレームワークがいろいろ見えてきます。
最初は三大分野を参考にして、もし「とくに商品力が強いんだ」ということになれば、「では、絶対的価値が高いのか、それとも相対的な価値が高いのか」「相対的価値が高いなら、それはとくにどの点か」などと細かく解剖していきましょう。
こうした作業に慣れてくると、たとえば自分が入ったレストランの経営状況なども分析できるようになります。
この店の面積はどのくらいだろうか?
このあたりの土地の値段は?
ということは、最低これくらいの売上が必要だ。
その売上を、このメニューの単価で達成するのに必要な顧客数は?
今の時間帯でこの客入りではうまくいってないな。
こうしたことを、具体的な数字で考える習慣が持てるようになります。
私は10年前にイタリアまで出向き、ラ・レーテ社の経営者にいろいろ教えてもらったことがあります。
ラ・レーテ社はサッカーのゴールネットなど、スポーツで用いるネットを専門に製造している小さな会社です。小さいけれど大きなブランド力を持っていて、私はその秘密を知りたいと思ったのです。
もちろん、企業秘密もあるでしょう。しかし、他業種であれば、教えてくれることも多いですし、聞かなくてもその場で見ればわかることがたくさんあります。
あなたの周囲にも、成功モデルはあちこちに転がっています。
経営を学ぶ材料が、あちこちに転がっています。
起業するまでの日々を漫然と過ごさないで、周囲にあるモデルをどんどん解剖して自分のものにしておきましょう。
▶︎Point|自分の好きな〝興味のある〟ビジネスを1つ徹底的に解剖して
みよう