経営者の仕事は「3年後の今日をつくる」ことだと私は思っています。
3年後、会社が生き残っている理由を今つくっているのが経営者であって、今日の仕事をしっかりやるのは社員の仕事です。
もちろん、なんのリソースもないままゼロから始める創業当初は、経営者自らがガンガン動き、ビジネスを軌道に乗せることが必要です。
しかし、それをずっと続けていては疲弊してしまうし、経営者に何かあったら社員は路頭に迷います。ですから、経営者には「自分が動かずにビジネスを回すにはどうすればいいか」という発想が必要なのです。
理想は、「自分が動かなくてもうまくいく会社」をつくることです。ところが、「自分が動かなくてもお金が入ってくる」という状態に罪悪感を感じる人が多く、自ら動き続けて会社を危険な状態のままにしています。
タイタニック号はなぜ、沈没したか考えてみてください。氷山にぶつかったのは、それが迫り来ることを責任者が見ていなかったからです。
船長が望遠鏡で一日中、海を眺めていれば、せっせと甲板を磨いている船員からは「船長はラクでいいな」と思われるかもしれません。しかし、それは船長が行うべき重大な仕事なのです。
起業したら、最初は船を動かすことに注力すべきです。しかし、いったん、動くようになったら前を見なくてはなりません。自分の仕事を仕組み化し、ほかの人に渡す発想を持ちましょう。今のあなたに部下がいるならば、チェックリストなどを用いて、彼らがルーティンワークをこなしていけるようにしましょう。
その過程では、自分がやっていることを整理することになるので、より良い方法が見つかったりもします。つまり、継続可能な仕組み化を考えるほど、あなたのビジネスは優れたものになっていきます。
▶︎Point|「自分がいなくても会社が回るには?」と考えよう