感謝できる能力は、事業を一時的に成長させるためにはさほど必要なくとも、成功し続けるために必須のものです。
ですから、起業する人にとっての「成功への最終条件」と言っています。
ここまで繰り返し述べてきたように、ビジネスは「人が人のために行う活動」です。対顧客にしろ対社員にしろ、長期的にうまくいっている会社で人をないがしろにしているところはありません。
一方、事業が軌道に乗り始めると、周りの人に支えられていることに気づけなくなり、上から目線になっていく経営者もいます。
成功すれば周囲から「すごい」とおだてられ、お金も名誉も集まってきます。経営者は、そこでどうしても天狗になります。天狗になれば周囲の声に耳を貸そうとしなくなるし、そういう経営者に対して周囲も何も言わなくなります。そうなると、自分が神様にでもなったかのように勘違いしてしまうのです。
経営環境は一本調子ではなく、必ず変化します。いいときもあれば悪いときもあります。うまくいっているときは、報酬を得られることや成長している仕事に従事している面白さで人は離れずにいます。しかし、うまくいかなくなったときに、感謝できる能力がない経営者を支えようとは思ってくれません。
ビジネス能力は高く、せっかく軌道に乗せたのに、この能力が欠けているために潰れていくのはあまりにももったいない話です。
今からあなたができることとして、周囲への「ありがとう」を倍にしてみましょう。人間ですから、うまくいったら多少調子に乗るのはしかたありません。しかし、そこにはまりきらずに周囲への感謝を持ち続けられるのは1つの能力です。性格や心の問題としてとらえず、能力だと思って感謝できる感性を磨いていきましょう。
▶︎Point|普段なかなか言えていない人にこそ「ありがとう」って言ってみよう