人は、自分の「成分表示」のようなものを勝手に決めています。
「私はコミュニケーション能力が低い」「僕は積極性が足りない」
「意志が弱くて何事も続かない」「いざとなるとすぐにビビる」
このように決めつけてしまい、たいていの人が、自分の能力を本来の力よりも低く見積もり過ぎています。それは私たちの育ち方に原因があります。
初めてのことに挑戦する機会が多い子どもの頃は「うまくいかない」ことの連続です。名前を正しく書くことにしろ、自転車に乗ることにしろ、いずれできるようになりますが、最初からうまくできないのは当然のことです。
しかし、こうして「できなかった」経験をたくさんしながら大人になったため、私たちは今の自分でも「できないかも」と制限をかけるようになります。
しかし、それは勝手な思い込みに過ぎません。大人になった今はたいていのことはできるのです。
「1マイル走」という競技があります。1609メートルを走る1マイル走には、1923年にフィンランドのヌルミ選手が出した4分10秒3という記録があり、これは絶対に破られることがないと長い間言われてきました。
医学者たちは、「4分を切るのは医学的に無理だ」と発表していて、本当に誰も4分を切れずにいました。ところが、1954年にイギリスの大学生が3分59秒4で走りました。すると、その1年以内に23人が4分を切ったのです。
その年だけ特別なルールが適用されたわけではありません。1人が4分を切ったことで自己制限が外れ、「絶対できない」から「できるかも」にマインドが変わっただけです。
このように、本当はできることでも、人は自らかけている自己制限によってできなくさせています。心身共に鍛え抜かれた一流のアスリートでさえそうなのですから、私たちが自己制限から受けている影響はとても大きいのです。
▶︎Point|人は自分で勝手にブレーキをつくっている
誰かのために生きてこそ、人生は価値がある
アインシュタイン