会社員でいるうちは、誰かのアイデアによって動くことが大半です。自分なりの企画を出すことはあっても、そこに会社としての意向がプラスされます。
しかし、起業したら、すべてあなた自身のアイデアで動いていかなければなりません。考えついたことを全部ビジネス化できるわけではないので、いかにたくさんのアイデアを出せるかが勝負になってきます。
今から、アイデア出しの訓練をしておきましょう。
ビジネスアイデアを考えるというのは、「世の中の困り事は何か?」を考えることであり、ビジネスとは「困り事解消業」です。
子どもの頃の私が最初に考えたビジネスアイデアは、「家庭でつくる食事のための材料を届ける」というものでした。忙しい母が、「夕食の材料を買いに行く時間がない」と困っていたのを見たからです。
あとで調べてみると、すでにそういうビジネスは存在していました。私の考えたことを実際にビジネスにしている大人たちがいたのです。このように自分のものにならなくても、よいアイデアを得るために、発想するクセをつけることが大切です。世の中の困り事に敏感になるためには、デスクの前で考えていてはダメです。街を歩いているときなど、アンテナを張り巡らせてみましょう。
たとえば、前を歩いている人の靴のかかとが剥がれそうになっていたら、「直したいけど修理に行く時間がないのかもしれない。だったら、宅配で引き受ける靴の修理はどうだろうか」と考えてみるのです。
浮かんだアイデアは、すぐにメモしましょう。私は自分宛にメールを送るなどしておきます。デジタルデータに残しておくと、あとで検索できて便利だからです。
大小どんな分野のことでも構いません。こうしたアイデア出しを「面白い」と思えることが、起業して成功するための第一歩と言えます。
▶Point|ビジネスは「困り事の解消業」