リスクの準備

14|仕事の自動化を考える

経営者の仕事は「3年後の今日をつくる」ことだと私は思っています。

3年後、会社が生き残っている理由を今つくっているのが経営者であって、今日の仕事をしっかりやるのは社員の仕事です。

もちろん、なんのリソースもないままゼロから始める創業当初は、経営者自らがガンガン動き、ビジネスを軌道に乗せることが必要です。

しかし、それをずっと続けていては疲弊してしまうし、経営者に何かあったら社員は路頭に迷います。ですから、経営者には「自分が動かずにビジネスを回すにはどうすればいいか」という発想が必要なのです。

理想は、自分が動かなくてもうまくいく会社をつくることです。ところが、「自分が動かなくてもお金が入ってくる」という状態に罪悪感を感じる人が多く、自ら動き続けて会社を危険な状態のままにしています。

タイタニック号はなぜ、沈没したか考えてみてください。氷山にぶつかったのは、それが迫り来ることを責任者が見ていなかったからです。

船長が望遠鏡で一日中、海を眺めていれば、せっせと甲板を磨いている船員からは「船長はラクでいいな」と思われるかもしれません。しかし、それは船長が行うべき重大な仕事なのです。

 

起業したら、最初は船を動かすことに注力すべきです。しかし、いったん、動くようになったら前を見なくてはなりません。自分の仕事を仕組み化し、ほかの人に渡す発想を持ちましょう。今のあなたに部下がいるならば、チェックリストなどを用いて、彼らがルーティンワークをこなしていけるようにしましょう。

その過程では、自分がやっていることを整理することになるので、より良い方法が見つかったりもします。つまり、継続可能な仕組み化を考えるほど、あなたのビジネスは優れたものになっていきます。

▶︎Point|「自分がいなくても会社が回るには?」と考えよう

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