会社経営においてたえず考えていかなくてはならないのが、「いかにお金を切らさないようにするか」ということです。
「これだけしか入ってこないのだったら、出ていく分を少なくしなくては」
「この先これだけ出ていくのだから、このくらいは入ってくるようにしないと」
このように、入ってくるお金と出ていくお金をちゃんと見て、出ていくものが入ってくるものより少なくなるように収支を合わせなくてはなりません。
単純で当たり前のことなのですが、意外とできる人が少ないのです。
会社員でいるうちは、細かいお金の収支を合わせることは、専門の部署がやってくれます。だから、ざっくりしたコスト感覚があれば大丈夫でした。しかし、経営者になったら、リアルな数字を敏感に自分で合わせていく力が必須となります。
数字について客観的に現状把握する力やモニタリング力をつけるために、今から簡単にできることがあります。それは家計簿をつけることです。
実際に家計簿をつけてみると、お金の出入りが見える化されて「自分は、意外にこんなところにお金を使っているんだ」ということがわかってきて「やりくり」のセンスが磨かれていきます。
毎月の収支だけでなく、季節家電の購入や車検費用など、ときどきドカンと減るお金があるといったことも把握できます。そういった、さまざまなお金の動きを踏まえたうえで収支を合わせていくのは、家計も会社経営も基本的に同じです。
女性の場合、もともと守りの意識が強いので「出ていくお金を抑える」ことができるのですが、男性はそれが苦手で、給料日の前日ともなるとお金が無くなって食パンだけをかじっているようなことになりがちです。
もっとも、守りの意識が強すぎては成長を止めることになりますから、攻めも必要です。しかし、攻めのほうにばかり集中して守りがおろそかにならないよう、家計簿でお金の扱いに慣れておきましょう。
▶︎Point|家計簿でお金の流れを見るクセをつけよう