ビジネスには「商品をつくる力」「売る力」「管理する力」と、さまざまな能力が必要とされます。起業するときには、なんでも自分一人でやろうと張り切る人が多いのですが、実際に全部を必要以上のレベルで一人で行うのは無理があります。
人は、何かの分野が得意な分、苦手なことも多いのです。得意なことに注力して、苦手なことは、それが得意な人にやってもらったほうが効率的です。
かつて、ソニーの井深大氏が盛田昭夫氏を、ホンダの本田宗一郎氏が藤沢武夫氏を創業パートナーに選んだのも、自分の苦手分野を補ってくれると判断したからでしょう。成長企業には、こういうスタイルをとっているケースが多く見られます。
あなたの不得意分野を得意とする人と組むことを、真剣に検討してみましょう。
自分が苦手な分野をはっきりさせておくと同時に、人脈リストを眺めてパートナー候補を探してみてください。ここで間違いがちなのは「あの人なら気が合う」という基準で選んでしまうこと。あなたが選ぶべきなのは、むしろ逆で「あなたと違うタイプ」で相補完的な人であるべきです。
私は学生のときから、同級生やアルバイトの仲間などに関して「自分がもし起業して、この人と組んだらどうだろう」と考えるクセがありました。そして、自分と違うタイプの3人と一緒に事業を始め、20年近く経った今も補完し合っています。
とはいえ、いきなり「一緒にやりませんか」と誘っても無理がありますから「この人は自分にない力がありそうだ」と目を付けた人とは、今からいい関係を保っておくことです。ベタベタ付き合う必要はありません。最初から創業計画などを熱く伝えないといけないわけでもありません。
大切なのは、普段から仕事や人生に対する真摯な姿勢を見せておくことです。
ただし、かっこつけないこと。嘘があっては創業してから破綻します。ありのままのあなたで誠心誠意、付き合っていくのが一番です。
▶︎Point|自分と違うタイプで相補完的な人を探そう