能力の準備

65|量から質への転換を経験する

起業したら少ない人員で業績を伸ばしていかねばならないので、効率が重要です。しかし、最初から効率を考えると、実は効率を生まないものです。

最初はむしろ、「とにかくたくさんの量をこなす」ことを覚悟してください。ある程度の量をやらないと効率的な方法は見えてきません。

私自身、起業してもなかなか成果が出ず、量を重ねた3年目くらいになって、急激に業績が伸びたという経験をしています。

「ずっと英会話のテープを聴き続けていたら、ある日突然、会話が聞き取れるようになった」という人もいるのではないかと思います。

このように、量を重ねることで突然、質に転換するポイントを「スレッシュホールド=閾値(いきち)」と言います。

この量と質の関係は正比例ではありません。下記の図のように、しばらくは量をこなしている割に質がついてこない日が続きます。そして、閾値を迎えた瞬間に飛躍的に質が向上します。

スポーツや音楽もある程度の段階までは練習量をこなすことが重要で、それから質が生まれていきます。質は、量から生まれるのを知ることです。

100のアウトプットをしようと考えたら、最初は300くらいインプットするくらいの気持ちでやることです。それを続けていると、やがて50のインプットで100のアウトプットができるようになります。

こうした成功に至るまでのメカニズムを知らないと、なかなか成果が出ないことに嫌気が差し、続けていれば閾値に達するのに、あと少しのところで放り出してしまいます。

そんなもったいない過ちを犯さないように、語学の学習や新しいスポーツなど何かに挑戦して、「量をこなして、それがあるとき急激に質に変わる瞬間」を経験しておきましょう。

▶︎Point|圧倒的な量を経験してみよう

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