学生対象の講演会などで私がよく言うのは、「学校では自分の成長だけを考えていればいいが、会社では他者への貢献を考えなくてはならない」ということです。
もちろん、社会に出てからも「自分を成長させたい」という欲求は人々の中に強くあります。成長しようとしない人が起業して成功することはありませんから、自己の成長を追求することは大いに結構です。
ただし、その「成長ベクトル」を、内側にばかりではなく外にも向けていくことが必要になってきます。
他者に価値を提供することで報酬が得られるビジネスという活動は、他者の存在があって初めて成り立ちます。いくら自分が満足していても、他者のために役立っていなければ仕事をしたことにはならないのです。
加えて、経営者になれば、顧客だけでなく社員や取引先など自分以外のことを考えなければならない局面が増えます。
ですから、ビジネスアイデアを検討するときには、「自分の仕事を通して、どうやったら社会貢献できるか」という視点が必要なのです。
「社会貢献」と言うと大げさに聞こえるかもしれません。でも、大げさに考えることはありません。「今やっている自分の仕事が、1ミリでも世界をいい方向へ変えていく」という、自分の仕事と社会のつながりを意識することが大切です。
これができないと、起業してからのビジネスに対して「エゴの肯定」といったバイアスのかかった見方をしてしまうし、実際に世の中に「価値がある」と認めてもらえる商品をつくれなくなってしまいます。
今から「どうやって社会貢献できるか」を考えながら過ごすクセをつけましょう。
▶︎Point|1ミリでも世界をいい方向へ変えていくために自分ができることは何か?を考えよう