会社員でいるときは、税金や社会保険料について詳しくない人が多いです。
なぜなら、それらを支払う作業は会社が代行しているからです。すでに必要なお金が差し引かれた状態で給与が振り込まれるので、安心して全額使うことができます。
ところが、独立すると、それらは自ら申告して支払うことになります。
会社員の感覚を引きずったまま入ったお金を使ってしまうと、税金や社会保険料を支払わなくてはならないときにそのお金がないという事態に陥ります。支払期限までに支払わなければ、容赦なく厳しい追徴金が課されます。
また、社会保険料に関しては、「労使折半」と言って、勤めている人と会社が半分ずつ支払っています。あなたの給与明細から差し引かれているのとほぼ同額を、会社が受け持ってくれているのです。
このように、会社を起こして経営者の側になると、会社員の頃には思ってもみなかった支払いがいろいろ発生します。それを知らないで独立し、いきなりお金の収支が合わなくなって潰れてしまう会社も実際に存在します。
起業したら従業員の給与支払いにあたって、いったいどんなことをやらなければいけないのか。
起業したら、そもそもどんなお金をいくらくらい納めなければならないのか。
それを肌感覚でつかむために、自分の給与明細をしっかり見ておきましょう。
いろいろな名目でお金が差し引かれていると思いますが、それは「会社が取っている」のではありません。会社は納税作業を私たちの代わりに無料でやってくれていて、かつ、社会保険料の一部を肩代わりしてくれています。
経営者になれば、今度はあなたがそれをすることになるのです。
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