勤めていた会社を辞めて起業し、成功した多くの人は、「以前いた会社は好きだったけれど、それ以上に自分がやりたいことがあった」と言います。決して、嫌な会社を辞めたい一心で起業したのではありません。
彼らは、自分自身が愛社精神を持って働いた経験があるからこそ、魅力ある会社をつくることができています。自分が会社という組織を嫌っておきながら、経営者になった途端に社員に対して「愛社精神を持て」と言っても無理な話です。
ですから、起業する前に、あなたの愛社精神について見直しておきましょう。
会社は、いろいろな人間が集まることで成り立っています。なかには、自分の意に沿わないことをする人もいます。もしかしたら、あなたにとって経営者や上司が、まさにそういう人物かもしれません。しかし、自分の意に沿わない部分にも理解を示して肯定しながらやっていける人でないと、経営者になったときにチームをうまくつくれません。また、何事につけ、今の会社を「否定」することはやめましょう。
一度、会社に対して否定的になると、何もかもが悪く思えてきます。でも、存続している会社である以上、どこかいいところがあるのです。
いわゆるブラック企業と言われるところに勤めていても、追い込まれることで自分を成長させられる人もいます。逆に、居心地がいいだけのホワイト企業では成長できないこともあります。
どの会社にも、良い面も悪い面もあるのに、「×」しか見えなくなっているマインドこそが問題です。「×」と同時に「○」も見る訓練をしておきましょう。
たとえば、この1カ月を「愛社月間」と決め、愛社精神を持って活動してみてはどうでしょう。会社を愛して一生懸命やっていると、「どういうことがあったときに愛社精神を持つのが難しくなるか」もわかります。それを知れば、経営者になったときに自分がやってはいけないことも見えてくるはずです。
▶︎Point|まずは、1週間だけ「愛社精神」を持って仕事してみよう