ユーチューブなどのおかげで再現性が高まったとはいえ、話した言葉はその場限りで終わってしまうことが多いものです。
それに比べて文章は、波及性も高く、一度の作業でレバレッジを効かせることができます。たくさんの人に自分の考えていることを伝えるには、文章が優れています。
経営者として不特定多数の人たち相手に文章を書くときに、気をつけなければならないことは、「読まれないこと」が前提だということです。
これまで、友人への手紙でも、学生時代のレポートでも、上司に出す報告書でも、それは「読んでもらえること」が前提にありました。しかし、経営者が外に向かって書く文章が読まれるかどうかはわかりません。
それにもかかわらず、読まれることを前提で書いている経営者が多いのです。
読まれることを前提で書かれた文章に決定的に足りないことは「読んでもらおう」という工夫です。メリハリもなくポイントもわかりにくく、読む側の負担になるだけだから、結局読まれません。読まれないということは、書いていないのと同じです。それではせっかく一生懸命に書いても意味がありません。
ですから、今後、文章を書くときは、読まれないことを前提に「どうやったら読んでもらえるか」を考えながら書くクセをつけましょう。
また、読んでくれたとしても、相手はその内容について「知らない」という前提も忘れてはなりません。知らない世界について長々と書かれると読みたくなくなります。
こうした前提に立てば、「短く」「簡単に」「気になる要素を入れて」書くことが必要になります。つまり、いかにキャッチコピーに近づけるかということです。
たとえば、今あなたの手元にペットボトルのお茶があるとして、その魅力を、「短く」「簡単に」「気になる要素を入れて」書くとしたらどうなりますか?
上手なキャッチコピーを書く練習を、いろいろ重ねておきましょう。
▶︎Point|何かのキャッチコピーを書いてみよう