■『社長の仕事』の質が会社の成否を決めている
何千人という社長と接してきて、
何千社という経営の盛衰を見てきて、
思い知らされたことだ。
この事実は、多くの成功者が語ってきたことでもあるし、職位に関係なく、
会社に属する多くの者が理解できると思う。
また、日々、社会からの厳しいフィードバックを容赦なく受けている実践の経営者ならば、
なおさら、強く実感しているはずだ。
しかし、実は、そこに大きな落とし穴がある。
なぜかと言うと「社長の仕事が会社の成否を決めている」のは、
長期的には真実だが、短期的には真実ではないからだ。
経営は不思議なもので、短期的に見ると、社長の実力に関係なく成功していることが多い。
経営の成功を支える要因が、たまたま揃っていたり、時流やブームに乗ったり、
一部の突出した能力が強くて全体の成功を支えていたりすると、成功する。
いや、成功してしまう。
つまり「たいていの成功は、偶然である」ということだ。
しかし、それにもかかわらず、多くの社長は「偶然の成功」で満足してしまう。
成功の一部が偶然によってもたらされているとは夢にも思わず、
すべてを自らの力で成し遂げた成果なのだと信じてしまう。
だから、社長としての実力を高めることをやめてしまう。
そういった努力から逃げるようになり、人の話を聞かなくなり、独善的になる。
そして、失敗してしまう。
■ 環境は常に変わる
それによって自社を成功に導いていた要素も常に変化している。
当然、偶然によってもたらされていた要素も変化する。
その時、実力のない経営者は、それを再構築することができない。
いや、そもそも「何が変化したのか?」「何が必要なのか?」が分かっていない。
偶然の成功に酔い、社長としての実力を高める努力をせず、
経営に必要な「要素と構造」が分かっていないのだから、当然のことだ。
分かるのは、うまくいっていないという事実だけだ。
多くの社長が「社長であり続けることができない」という、
厳しい現実の大きな原因の一つが、この点にある。
「社長の仕事」は、会社を一時的な成功へ導くことではない。
会社を「永続させる」ために必要な「すべて」のことをすることだ。
それは簡単ではない。
「成功するのは簡単だが、成功し続けるのは難しい」のだ。
President Academy は、その難しさと正面から向き合う、
覚悟のある社長のために創られた「社長の学校」だ。
一時的な成功ではなく、継続的な成功を目指そうとする社長。
一時的な成功に酔うことなく、過信せず、実力を高めようとする社長。
そういった社長のために存在する。
数千人の社長が目の前で見せてくれた現実、
成功と失敗から生まれた言葉は、
厳しかった。
だから、厳しいと感じる表現があるかもしれない。
■ 「知っているか知らないか」ではなく「出来ているか出来ていないか」
優しい言葉も大切だと思う。
しかし、優しい言葉だけが、人を支えられるとは思わない。
とても苦いかもしれないが、ぜひ受け取って頂き、
明日からの経営に生かしていって欲しい。
また、「社長の仕事」は「知って終わり」ではない。
「知っているか知らないか」ではなく「出来ているか出来ていないか」を
自らに問うのが「成功と継続」をもたらす社長の基準である。
そういった基準で取り組んでいってもらいたい。
忙しい社長業のことを考えて、「経営の12分野」の各要素を、
なるべく短い時間で点検出来るように、一つ一つを簡潔に短くまとめた。
ざっと理解した後は、さらに実践に落とし込めるよう工夫した。
ぜひ、実際の経営で実践するために、使って欲しい。
それだけでも「社長の仕事」の質を飛躍的に高めることができる。
自分を見つめること、自分に向き合うことは、厳しく辛いことでもある。
しかし、それこそが「社長の仕事」の大切な第一歩なのだ。
さあ、「社長の仕事」を始めよう。
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