ミッション・ビジョン・クレド
経営を行うにあたって必要だと言われるこれらの要素。

実際、自社でもつくったほうが良いのか、
どうすればよいのか?

全国で経営者の方々とお会いしているとよく悩みとして
ご相談いただきます。

そんな悩みを持たれている経営者の方々に向けて、
いままで数百社のミッションの悩みにお答えしている
プレジデントアカデミーの黄塚森さん

ミッションにまつわる【あれやこれや】を質問してみました!


野田:それでは今回、ミッションについてお話いただく
黄塚さんの自己紹介をお願いします!

黄塚:黄塚 森(こうづか しん)です。
プレジデントアカデミーの「経営の12分野ガイド」をしております。
あと、早稲田大学の非常勤講師も兼任しています。

理系の大学を院まで出ておりまして、
大学院時代は「等身大2足歩行ロボットの研究」に携わっていました。
今でいうASIMOのようなロボットですね。

その後、新卒で株式会社ビジネスバンクグループに入社しました。
入社から半年で「起業の学校」アントレプレナーアカデミーを浜口と共に立ち上げ、
2年目から経営セミナーでの講師を担当、4年目で執行役員に就任しました。
本当に、得難い経験をさせていただきました。
2020年4月から、独立をし、新たな人生のスタートに立っております。

年間3,000名以上の社長を動員する
人気経営セミナー「経営の12分野」シリーズの
コンテンツ作成・講師・運営責任者を担ってきました。
最近では、年間の講演回数が100を超え、
商工会議所や企業内での研修依頼も多くなってきました。

コンサルティングでは、ミッションを軸とした組織内部の設計を得意としています。
「ミッション構築」「クレド(共通価値観)づくり」
「採用システムの構築」「評価制度構築」などを、一気通貫で支援しています。


野田:経営セミナーやコンサルティングを主催している
プレジデントアカデミーのご紹介もお願いできますか?

黄塚:プレジデントアカデミーは「30年企業を日本に1,000社 生み出します!」を
ミッションとして掲げ、日本全国で中小企業の支援を行っています。

私たちが数千社の企業支援の経験から導き出した、
企業永続を実現するメソッド「経営の12分野®」を始め、
個別コンサルティングや、経営の質問・相談サービス、
経営変革の事例ライブラリー「Bukiko」など、
経営変革に必要な様々なサービスがパッケージになった会員制のサービスです。

開講から11周年を迎え、累計の参加者は3万0,000名を突破。
北は北海道から南は宮崎まで全国の40地域の経営者にご受講いただいております。


■ そもそもミッションとはなんですか? ■

野田:まず、はじめに。そもそもミッションとはなんですか?

黄塚:ミッションとは「会社が存在する理由」を明確にしたもの。
平易な言葉で言えば「何のためにこの会社は存在するのですか?」という存在理由です。

また、もう少し違う言葉で表現をすると
チームメンバーと共に達成を目指し続ける
「究極の目的地」とも言うことができます。

ミッションは、船旅における「北極星」のような役割を果たし、
会社が進むべき方向を示してくれます。


ミッションがある会社とない会社の違いとは? ■

野田:ミッションがある会社とない会社、どう違うんですか?

黄塚:ミッションがある会社と、ない会社は、大きく違います。

<ミッションがない会社の特徴>

1.ブレる

2.社員がバラバラ

3.応援されない

4.抑止力がない

<ミッションがある会社の特徴>

1.ブレない

2.社員が目的を共有

3.応援されやすい

4.抑止力がある

ミッションがある会社の一番の特徴は、
なんといっても「ブレない」こと。
「言っていること」にも「やっていること」にも一貫性があり、
全てに「軸」が感じられます。

そして二番目の特徴は「社員がイキイキとしている」こと。
会社全体で目指すべき方向性が共有されており、
一丸となってその達成を目指していくので、
みんなが目を輝かせながら仕事に取り組んでいます。

三番目の特徴は「応援されやすい」ということ。
これには、明確な理由があります。

実は、ミッションがない会社も、周りの人や会社は
「できることなら応援したい」とは思っているんです。

ただ、ミッションがないために、
周りから見ると「何を目指しているのか」
「どんな助けが必要なのか」がわからないんですね。
だから「どう応援したらいいのかわからない」となって、
応援されなくなってしまうんです。

ミッションには「この指とまれ」のような効果があり、
しっかりと掲げることで、応援をはじめとして、
様々な経営資源が集まってくるようになります。

最後に四番目の特徴として「抑止力」があります。
ミッションがない場合には、経営判断をする際の「軸」がありませんから、
「ちょっとした儲け話」などに、乗ってしまいやすくなってしまいます。
そして、いろいろなものに手を出していくうちに、
ますます「何をやっている会社なのか」が、曖昧になっていってしまうんですね。

一方で、ミッションがしっかりと定められていると、
「オイシイ話」が転がり込んできても、
「それはミッションの達成にプラスになるのか?」、
「本当に自分たちがやるべきなのか?」と、一度立ち止まって考えることができます。

結果として、会社の「軸」がしっかりとして、
ますます強い会社になっていくのです。


■ ミッションをつくると、何が変わるの? ■

野田:ミッションをつくると、何が一番変わりますか?

黄塚:ミッションをつくって一番変わるのは「ブレなくなる」ということですね。
経営者は日々、多くの決断をくださなければならないですし、
「人」や「金」のことなど、様々な悩みにつきまとわれています。

そんな中で「一貫性をもって」判断をし続けることは並大抵のことではありません。

「ミッション」を定めると、何かに迷ったときや、悩んだとき、
ピンチのときなど、どんなときにも「立ち返る」場所ができます。
そうすると、安心感が持てますし、自分の決断にも自信を持てるようになるんですね。
実際、僕がミッションを作成した経営者の方々からは、こんな声をもらっています。


*美容室 経営者

ミッション作ったお陰で、ブレずに済んでます。本当に作って良かった〜と心から思ってます。昨年3店舗を出させてもらいました。お陰様の一言です!今年は、ミッションをスタッフに落とし込む一年にしたいと思ってます。

*英会話教室 経営者

事業継続が危うい場面もありましたが、ミッションにいつも助けられました。大きな決断のときにもミッションが支えになりました。

*リフォーム会社 経営者

過去に経験したこれまでのコンサルティングと違って、私のこと、我社のことを本当に理解して頂いた上で真剣に一緒に考えて下さる姿勢がとても嬉しく、また心強く感じました。


■ ミッションをつくりたい。。。
そんな方へのオススメのつくりかたは!? ■

野田:ミッションをつくりたいけど。。。
そんな方へのオススメのつくりかた、教えてください!

黄塚:ミッションをつくる際には「ミッションの3段構え」という方法をオススメしています。
これは私たちが20年以上に渡って、
様々な会社と共にミッションづくりに取り組む中で編み出した方法。

シンプルな方法ですが、伝わりやすく、
効果の高いミッションをつくることができます。

ミッションの3段構えは、その名前の通り、
次に紹介する「文章の型」に当てはめる形でミッション文章を作成していきます。

【ミッションの3段構え】

1.社会の困りごとの明確化

2.あなたがどうやってそれを解決するのか?

3.あなたが目指す理想の社会

まずは1段目で「社会の困りごと」を明確にします。
全てのビジネスは顧客の「困りごと(もしくは欲望・欲求)」を解決するために存在します。
その「困りごと」を、まずは書いていきます。

次に「その解決方法」
ここでは「私たちは、こういった仕事を通して、その困りごとを解決していきます」を記していきます。

そして最後に「目指す理想の社会」
ミッションにおいては、この「目指す理想の社会」の部分がとても重要です。

ここでは「今できていること」ではなく
「事業が究極的に発展していって、
困りごとが全てキレイサッパリ解決したら、
どんな理想の未来が実現するか」を書いてください。

この型に当てはめて考えていくと、どんなミッションができるのか?

例えば、私たちのミッションは、このような文章です。

***

日本の社会と起業環境は、

挑戦する者に決して優しいとは言えません。

私たちは、起業環境を改革・整備する、

起業支援事業を総合的に行うことによって、

たくさんの人が起業に挑戦できる社会、

挑戦した起業家が尊敬される社会、

そんな社会の実現を目指しています。

***

このミッション文というものは、短ければ短いほどいいです。
ただし、私たちのミッションくらい短くするのは、結構大変です。

傾向としては「競合が多いビジネスほど」、
「創業者の想いが強いほど」、ミッションの文章は長くなりがちです。

最初の時点では長い文章になってしまっても構いません。
書き上がったものを短く、短く、削っていって、
最終的に、なるべく短い文章を目指しましょう。

ミッションの文章が書き上がったら、
最後にミッションを「ひとこと」であらわす「スローガン」というものを作成します。
私たちの場合は、下記がスローガンです。

「日本の開業率を10%に引き上げます!」

ミッション文の内容を「20文字以内」にギュッと詰め込んで、
言葉をつくっていきましょう。

スローガンを作成すると、
名刺や、チラシのフッター、メールの署名など、
スペースが狭い場所でもミッションを展開することができます。


■ ミッションづくりの注意点をずばり教えて下さい! ■

野田:最後に、ミッションづくりの注意点教えて下さい!

黄塚:ミッションづくりのポイント、注意点は山程あるのですが、
ここでは3点だけ、お伝えしますね!

ミッションの文章表現は、皆さんの表現しやすい文体で大丈夫です。
私たちのミッション文は「国の文書か!」ってくらい硬い表現なのですが、
これはたまたまです笑。

口語体でも構いませんし、カタカナや英語表現が出てきても構いません。
みなさんの表現しやすい文体で、書いていってください。

「理想の社会」には「まだ達成できていないこと」
「一生かかっても達成できるかわからないこと」を描いてください。

ミッションは「現時点でできていること」を示すのではなく、
「目指し続ける最終目的地」を記すものです。
なので「現時点でできてしまっていること」は、
ミッションとして機能しないんですね。

「今は全然、できていないこと」で構いませんので
「事業が究極的に発展していったら、どんな社会が実現するか?」を考えてみてください。

これが特に重要なので、よく覚えておいてください。
それは「解決方法」のところの文章を「絞りすぎない」ということです。

私たちのミッション文も「起業支援事業を総合的に行うことによって」というふうに、
少しぼやけた書き方をしていますよね。

実はこれが、重要なのです。

なぜかというと、近代は事業のライフサイクルが早すぎてしまうんですね。
つまり、一度ヒット商品・サービスをつくっても、
それだけで一生食べていくことが極めて難しい時代になっています。

30年も40年も事業を続けていくことを考えると、
どこかのタイミングで新しい事業をつくるか、
既存商品・サービスも大きな方向転換をする可能性が高いのです。

そうした場合に「解決方法」を絞りすぎてしまうと、
ミッション経営を追求すればするほど、方向転換ができなくなってしまうんですね。

なので、ココはある程度の「広さ」を持って定めていってください。
まあ、広すぎてもいけないんですが・・・。

広すぎず、狭すぎずのポイントを狙っていってください。


野田:本日はご丁寧にありがとうございました!
ミッションの必要性やミッションの効果、さらに効果的なつくり方も分かりました!
惜しみなくお話いただき、この内容だけでも2時間のセミナーができそうですね。笑

黄塚:ありがとうございました!素敵なミッションをぜひつくってみてください!


私たちプレジデントアカデミーが一緒に
ミッション作成を行う
「ミッション構築ブートキャンプ」

ご興味がある方は、下記より詳細をご覧ください!!


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