YouTubeチャンネルって、
見ますか?
ユーチューバーなんかが、
注目されていますよね。
実は僕、何だか気が進まず、
これまで全く見なかったんです。
それが最近になって、
とても面白い企画を見つけたんですね!
「音楽」に特化した
チャンネルなんですが、
とにかくコンセプトが面白い!
どんな
チャンネルなのかというと・・・。
1. THE FIRST TAKEとは?
開設してまだ「3ヶ月」ながらも
「50万人」ほどの登録数を獲得している
音楽系のYouTubeチャンネルです。
▼THE FIRST TAKE
https://www.youtube.com/channel/UC9zY_E8mcAo_Oq772LEZq8Q
↓↓↓コンセプトはこちら↓↓↓
「一発撮りのパーフォマンスを
鮮明に切り取るYouTubeチャンネル。」
白い空間に、マイク一本。
出演するアーティストは、
どんな演奏をしも良い。
というものです。
配信されている動画は、
どれも100万再生ほどを獲得。
中には、2,000万再生を
超える動画もあります。
このチャンネル、
何が面白いのかというと、
「動画」という「無時間」の装置に、
「時間」の概念を入れているのですね。
「え、どういうこと?」
本来、「動画」というものは、
「時間軸」を固定するものなのです。
「つくる」段階では、
いくらでも時間をかけられるし、
撮り直しも、修正も、何回でもできる。
その対局にあるのが「ライブ」ですよね。
これは、全てが一発勝負。
やり直しもきかないし、
修正もできない。
今回の
「THE FIRST TAKE」という企画は、
その「真ん中」を攻めるものなのですね。
「ライブ」という、
大観客向けに演奏しているもので、
「動画も撮った」というものではなく、
「動画用に」一発演奏をする。
ココに
企画の新しさがあります。
そして多くの人が、
「そこに」惹かれているのです。
でも、
一体なぜなのでしょう?
2. ポイントは「絶妙なポジショニング」
ヒットの要因の1つは
「絶妙のポジショニング」にあります。
少し、図示してみましょう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
▼THE FIRST TAKEのポジショニング
【動画】
↑
|
◯ |
楽曲動画など | ◯
| ライブ映像など
|
←ーーーーーーー+ーーーーーーー→
【入口】 | 【玄人】
★ |
FIRST TAKE |
| ◯
× | 通常のライブ
ハードルが高い ↓
【ライブ】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「動画 ー ライブ」の軸(縦軸)では、
真ん中あたりに位置しています。
「入口ー玄人」の軸(横軸)では、
「入口」側に位置しています。
「でも、それって
ライブ映像と変わらないんじゃない?」
一見すると、
そう思いますよね。
しかし、
ライブ映像は「玄人向け」のもの。
「そのアーティストのことを
良く知らない人」にとっては、
ハードルが高いのです。
対してTHE FIRST TAKEでは、
「一曲ずつ」の提供。
だから、YouTubeという
「ながら聞き」することが多い媒体に
とても合っています。
さらに、この企画は、
顧客にとっても、アーティストにとっても
Win-Winの関係です。
Webの世界は基本的に、
「いくらでも修正できてしまう」世界。
なので、歌に関して言えば
「本当に上手いのか?」
「機械でいじってるだけでは?」が
わかりません。
一方で、
この企画は「一発撮りオンリー」。
良くも悪くも、
実力がそのまま出てしまいます。
これは、ユーザー側に
「本物か否か」という
新しい尺度をつくります。
アーティスト側から見ても、
この企画には
「純粋な実力を見てもらえる」
という魅力があります。
さらに、
それが「ライブ」とは違って、
世間一般に広く伝播していくのです。
これは、
新しいファンの開拓に繋がります。
そして、
THE FIRST TAKEからすると、
この一連のサイクルが、
事業を強くします。
実力のあるアーティストの動画が
蓄積されるほど、このページの価値が
上がっていくのです。
「事業を進めれば進めるほど、
事業が強くなる」
この仕組み、
実は成長する会社の共通点。
こういった仕組みのことを
「弾み車」と言います。
書籍『ビジョナリー・カンパニー』に
登場する、有名な概念ですね。
いったん、
下記でまとめてみましょう。
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▼THE FIRST TAKEの弾み車
①一発撮り動画を超高品質で公開する
↓ ↑
↑
②たくさんのユーザーが集まる ↑
(ページの価値が上がる) ↑
↑
↓ ↑
③動画を発表したいアーティストが増える
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3. 振り子を「半歩」戻す
「時代は繰り返す」というのは、
普遍的な現象です。
この「変えログ」でも、
「振り子現象」として
何度かお伝えしてきました。
僕はよく
「ハシゴが外れる」という
言い方もします。
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▼「ハシゴが外れる」とは?
ある人がハシゴをのぼって、
1階から2階へと進んでいきます。
この人にとっては、
1階も、2階も馴染みのあるものですね。
そのうち、1階と2階をつなぐ
ハシゴは忘れ去られ、消えてしまいます。
しばらくすると「2階」で赤子が生まれ、
青年へと育っていきます。
この子どもにとっては、
「1階」は未知の世界で、
「新しいもの」に見えるのです。
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今回のTHE FIRST TAKEも、
「昔の録音方法」の焼き直しとも
言えるわけです。
でも、今の若い世代にとっては、
これこそが「新しい」のですね。
さらに、この企画が絶妙なのが、
時代の振り子を「半歩だけ」
戻しているところ。
時代の振り子は、長い目で見れば
「大きく」振れ続けます。
しかし、その最初の部分では
「半歩だけ」戻すのがキモ。
こうしないと、
ユーザーがついて来られないのですね。
THE FIRST TAKEでは、
「ユーザーはそれまでの習慣を
何も変える必要がないまま」
「ライブに近い音楽体験ができる」
というところにキモがあります。
「半歩だけ振り子を戻す」という技術。
この技術でヒットした商品が、
世の中にはたくさん存在します。
ぜひ皆さんも、
「次のヒット」を模索してみてください!
<本日の質問>・・・・・・・・・・・・
Q. 時代の振り子を「半歩」戻せないか?
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ライター:黄塚 森