「お客様が本当に求めているものは何だろう…」

新規プロジェクトのリリースを目前に控え、そんな悩みを抱えていませんか? 実は、多くの中小企業経営者が、「ニーズ」と「ウォンツ」の違いを正しく理解できていません。
「〇〇が欲しい!」というお客様の声(ウォンツ)にばかり気を取られ、その奥にある「本当に解決したい課題」(ニーズ)を見落としてしまっているのです。

ここで、クイズです。次のうち、顧客の「ニーズ」はどれでしょう?

  1. 「最新のスマートフォンが欲しい」
  2. 「いつでもどこでも快適に情報収集したい」
  3. 「家族との思い出を綺麗に残したい」

…正解は、2と3です。1は「ウォンツ」(手段)であり、「ニーズ」(目的)ではありません。

多くの企業が、この「ニーズ」と「ウォンツ」を混同し、マーケティング戦略を誤っています。その結果、どんなに優れた製品やサービスを提供しても、顧客の心に響かず、売上が伸び悩んでしまうのです。

しかし、ご安心ください!

この記事では、「ニーズ」と「ウォンツ」の違いを徹底的に解説し、顧客の「必要」を刺激する、全く新しいマーケティング戦略を、具体的なステップと実践ワーク付きでご紹介します。

この記事を読めば、あなたは…

  • 「ニーズ」と「ウォンツ」の違いを完璧に理解し、自社の戦略に活かせる
  • 顧客の「必要」を見抜き、競合と差別化できる。
  • 新規プロジェクトを成功に導くヒントを得られる。

さあ、顧客の「必要」に応え、選ばれ続ける企業へと変革を遂げるための、最初の一歩を踏み出しましょう!

1.「ニーズ」と「ウォンツ」の違い

「ニーズ」と「ウォンツ」の違いを理解することは、マーケティング戦略の出発点です。ここでは、その基本的な定義から、具体的な事例、さらには学術的な視点まで、徹底的に解説します。

1-1.今さら聞けない…を解消!図解でスッキリ、「ニーズ」と「ウォンツ」

早速ですが、「ニーズ」と「ウォンツ」の定義を確認しましょう。

  • ニーズ(Needs): 顧客が抱える根本的な問題・課題、満たされていない状態。
    • 例:「安全に移動したい」「健康を維持したい」「美味しい食事をしたい」「快適な睡眠をとりたい」
  • ウォンツ(Wants): ニーズを満たすための具体的な手段・欲求、特定の製品やサービスへの願望。
    • 例:「〇〇社のSUVが欲しい」「△△フィットネスジムに通いたい」「□□レストランのコース料理が食べたい」「高級マットレスで眠りたい」

言葉だけではわかりにくいので、図で見てみましょう。

具体的な事例で、「ニーズ」と「ウォンツ」の違いを見てみましょう。

業界ニーズ(根本的な課題)ウォンツ(具体的な手段)
自動車安全に、快適に移動したい〇〇社のSUV、自動運転機能付きの車、燃費の良い車
食品美味しくて、健康的な食事をしたい□□レストランのコース料理、オーガニック食材、糖質制限食品
住宅安心・安全で、快適な暮らしをしたい耐震性の高い家、防音設備のあるマンション、広いリビングのある家
ITサービスいつでもどこでも、スムーズに情報収集・発信したい最新のスマートフォン、高速インターネット回線、使いやすいSNSアプリ

ここで重要なポイントは、「ニーズ」は普遍的、「ウォンツ」は一時的、ということです。

時代や環境が変わっても、「安全に移動したい」「健康でありたい」といった人間の根本的なニーズは変わりません。しかし、「〇〇社のSUVが欲しい」といったウォンツは、新製品の登場や流行の変化によって、すぐに変わってしまう可能性があります。

【コラム】マズローの欲求5段解説

さらに、人間の欲求段階説(マズローの欲求5段階説)と関連付けると、より理解が深まります。

マズローの欲求5段階説では、人間の欲求は、

  1. 生理的欲求
  2. 安全欲求
  3. 社会的欲求
  4. 承認欲求
  5. 自己実現欲求

の5つの階層に分かれています。このうち、「生理的欲求」「安全欲求」といった根源的な欲求は「ニーズ」に、「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現欲求」は「ニーズ」と「ウォンツ」の両方に関わると言えるでしょう。

2.なぜ「ウォンツ」だけでは売れないのか? – 現代マーケティングの落とし穴

「〇〇が欲しい!」という顧客のウォンツに応えることは、一見、正しいマーケティング戦略のように思えます。しかし、現代の市場環境においては、「ウォンツ」だけを追い求めることは、非常に危険な落とし穴にはまる可能性があります。

2-1.「ウォンツ」を刺激するマーケティングの限界

なぜ、「ウォンツ」だけでは売れないのでしょうか?

その理由は、主に次の3つです。

  1. 競合との差別化が難しい: 「ウォンツ」は、機能やデザインなど、目に見える部分で表現されることが多いため、競合他社に簡単に模倣されてしまいます。
  2. 顧客の心変わりが早い: 「ウォンツ」は、流行やトレンドに左右されやすく、すぐに飽きられてしまう可能性があります。
  3. 価格競争に陥りやすい: 競合との差別化が難しく、顧客の心変わりが早いため、最終的には価格競争に陥り、利益を圧迫してしまいます。

これらの理由から、「ウォンツ」への訴求は、短期的な効果はあっても、持続的な成長には繋がりにくいのです。

2-2.【データで見る】「ウォンツ」偏重マーケティングの危険性

  • 「新製品を購入する際、最も重視する点は?」というアンケートで、「価格」が上位に来る傾向が強まっています。(出典:消費者webアンケート調査
  • 「同じような製品・サービスが複数ある場合、何で選ぶか?」という質問で、「ブランド」よりも「価格」や「機能」を重視する人が増えています。(出典:消費者webアンケート調査

これらのデータは、「ウォンツ」だけを追い求めるマーケティングが、いかに危険であるかを示しています。

【コラム】過去の失敗事例

かつて一世を風靡した「ガラケー」は、高機能を追求するあまり、顧客の「ニーズ」(コミュニケーション、情報収集)を見失い、スマートフォンに市場を奪われました。

この事例からも、「ウォンツ」だけを追い求めることの危険性がわかります。

3.中小企業にこそ「ニーズ」が必要な理由 – 弱者が強者に勝つための戦略

資金力やブランド力で劣る中小企業が、大企業と同じ土俵で「ウォンツ」競争をしても、勝ち目はありません。しかし、「ニーズ」に焦点を当てれば、中小企業ならではの強みを活かし、大企業に負けない、独自のポジションを築くことができます。


3-1.なぜ、中小企業は「ニーズ」に着目すべきなのか?

中小企業が「ニーズ」に着目すべき理由は、主に次の3つです。

  1. 顧客との距離が近い: 中小企業は、顧客一人ひとりと直接コミュニケーションを取る機会が多く、顧客の生の声を聞きやすい環境にあります。
  2. 小回りが利く: 大企業に比べて意思決定のスピードが速く、顧客のニーズの変化に柔軟に対応できます。
  3. 地域密着: 特定の地域に根ざしたビジネスを展開している場合、その地域の顧客特有のニーズに特化した製品・サービスを提供できます。

これらの強みを活かすことで、中小企業は、大企業が見落としがちなニッチな「ニーズ」を発見し、独自の製品・サービスを提供することができます。

【コラム】「ニーズ」を深掘りして成功した中小企業

株式会社フェリシモ「500色の色えんぴつ」:

「たくさんの色の色えんぴつが欲しい」というウォンツの奥にある、「自分だけの表現をしたい」「感性を磨きたい」という潜在ニーズを捉え、大ヒット。

株式会社エアークローゼット「airCloset」:

「服を選ぶ時間がない」「自分に似合う服がわからない」というニーズに応え、プロのスタイリストが選んだ服を届けるサービスで急成長。

これらの事例は、中小企業が「ニーズ」を深掘りすることで、いかに大きな成功を収めることができるかを示しています。

4.今日からできる!「ニーズ」発掘5ステップ – 実践ワーク付き

「ニーズ」深掘りの重要性は理解できても、「具体的に何をすればいいのかわからない…」という方もいるでしょう。ここでは、今日から実践できる「ニーズ」発掘の5つのステップを、具体的なワークシート付きで解説します。

4-1.ニーズ発掘ワークシート

4-2.ニーズ発掘5ステップ

4-3.ステップ1:顧客を徹底的に理解する

まずは、顧客のことを深く知ることから始めましょう。

  • ペルソナ設定:
    • ターゲット顧客を具体的にイメージした「ペルソナ」(架空の顧客像)を作成します。
  • カスタマージャーニーマップ:
    • 顧客が製品・サービスを知り、購入し、利用するまでの、一連の行動・思考・感情を時系列で可視化します。
  • インタビュー、アンケート:
    • 顧客に直接話を聞いたり、アンケートを実施し顧客理解を深めます
  • 【ポイント】: 顧客の本音を引き出すために、オープンな質問を心がけましょう。「なぜそう思うのですか?」「具体的にどのようなことですか?」など。
解答例 ペルソナのお手本 ー秋野つゆー

Soup Stock Tokyoは、ブランド立ち上げ時に「秋野つゆ」という架空の人物を設定しました。この「秋野つゆ」は、ブランドの人格化として機能し、社員全員が彼女の視点で判断を行うことで、統一されたブランドイメージを築き上げました。 

名前: 秋野つゆ(Aki no Tsuyu)
年齢: 37歳
居住地: 東京都・都心のマンション
職業: 広告代理店のマーケティングプランナー
年収: 600万~800万円
家族構成: 独身(または共働きの夫と二人暮らし)
趣味: 美術館巡り、ヨガ、読書、カフェ巡り、旅行
ライフスタイル:

  • 朝は軽めの朝食とコーヒーを楽しみながら、ニュースアプリで情報収集
  • 仕事は忙しいが、好きな仕事なのでやりがいを感じている
  • 昼食はヘルシーで手軽なものを好み、スープストック東京をよく利用
  • 休日は友人とカフェで過ごしたり、都内のギャラリーや映画館へ
  • ブランド志向ではなく、自分に合ったシンプルで上質なものを選ぶ

価値観:

  • 「本物」や「シンプルな美しさ」に惹かれる
  • 忙しくても食事は大切にしたい
  • 身の回りのものはミニマルかつ上質で統一感のあるデザインが好き
  • 持続可能なライフスタイルに関心があり、フードロス削減やオーガニックにも興味がある

スープストック東京との関係:

  • 「食べるスープ」のコンセプトに共感し、ランチやテイクアウトで頻繁に利用
  • スープは栄養バランスを考えつつ、仕事の合間でも手軽に楽しめる点が魅力
  • 季節限定メニューやサブスクサービスにも興味を持つ
  • ギフトや手土産としてスープを購入することも

4-4.ステップ2:顧客の「不」を発見する

顧客の抱える「不満」「不便」「不安」「不快」「不足」といった”負の感情”に着目します。

  • 5W1H、5回の「なぜ」:
    • 「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように」を問いかけ、顧客の「不」を深掘りします。
解答例

1. 顧客の「不」の洗い出し

  • 不満 (満足していないこと):
    • 既存の顧客管理システムが使いにくい。
    • 顧客データの分析に時間がかかりすぎる。
    • 営業担当者間での情報共有がスムーズでない。
  • 不便 (不便に感じていること):
    • 外出先から顧客情報にアクセスできない。
    • 顧客対応履歴がバラバラに管理されている。
    • レポート作成が手作業で面倒。
  • 不安 (心配や懸念):
    • 顧客情報が漏洩するリスクがある。
    • 最新の顧客動向を把握できていない。
    • 競合他社に顧客を奪われるのではないか。
  • 不足 (足りないと感じているもの):
    • 顧客のニーズを深く理解するための情報が不足している。
    • 顧客との関係性を強化するための機能が足りない。
    • 営業活動を効率化するためのツールが不足している。
  • 不快 (嫌だと感じること):
    • 顧客からのクレーム対応に追われる。
    • 営業会議での報告が無駄に感じる。
    • 顧客満足度が低いのではないかと感じる。

4-5.ステップ3:「ニーズ」の仮説を立てる

顧客の「不」の根本原因を突き止め、複数の「ニーズ」の仮説を立て、言語化します。

解答例
顧客の「不」「なぜ?」の繰り返しニーズの仮説解決策アイデア
既存の顧客管理システムが使いにくい開発から時間が経ち、最新のUI/UXデザインが反映されていない。システム更新に予算とリソースを割けていない。顧客管理システムの重要性を十分に認識していない。顧客情報を活用した戦略立案・実行の体制が整っていない。顧客情報を一元管理し、簡単操作で分析・活用できる、戦略的な顧客管理システムを必要としている。クラウド型の顧客管理システム導入。使いやすいUI/UX、データ分析機能、営業支援機能などを備えたもの。
外出先から顧客情報にアクセスできないセキュリティ上の理由でリモートアクセスを許可しておらず、社内ネットワークでしか顧客管理システムにアクセスできないため。いつでもどこでも顧客情報にアクセスし、迅速な顧客対応をしたい。モバイル対応の顧客管理システム、または専用アプリの開発。
顧客対応履歴がバラバラに管理されている組織として統一した顧客対応履歴の管理方針やツール導入が決定されておらず、担当者ごとに異なるツールや方法で管理しているため。顧客対応履歴を一元管理し、顧客との関係性を可視化したい。顧客対応履歴管理機能の強化。過去の対応履歴を簡単に検索・参照できる機能、顧客とのコミュニケーション履歴を時系列で表示する機能など。

4-6.ステップ4:仮説を検証する

立てた仮説が正しいかどうかを検証します。

  • プロトタイピング:
    • 仮説に基づいて、製品・サービスの試作品(プロトタイプ)を作成します。
  • テストマーケティング、A/Bテスト、ユーザーテスト:
    • 小規模な市場での実験、複数案の比較検証、ターゲット顧客へのテスト利用などを実施します。
解答例

 仮説検証計画

  • 検証方法:
    • ✓ インタビュー (既存顧客5社、見込み顧客3社)
    • □ アンケート
    • ✓ プロトタイピング (クラウド型顧客管理システムのデモ版利用)
    • □ テストマーケティング
    • □ A/Bテスト
    • □ その他 ( )
  • 質問内容・検証内容:
    • インタビュー:
      • 現在の顧客管理に関する課題、不満、要望を具体的にヒアリング。
      • 理想の顧客管理システムについて、具体的な機能や操作性について質問。
      • 新しい顧客管理システムに求めること、期待することを深掘り。
    • プロトタイプ(デモ版)利用:
      • 実際にデモ版を操作してもらい、使いやすさ、機能の充足度を評価。
      • 改善点や追加してほしい機能についてフィードバックをもらう。
      • 導入後の業務フローの変化をシミュレーション。
  • 成功基準:
    • インタビュー対象者の8割以上が、新しい顧客管理システムの必要性を認める。
    • プロトタイプ利用者の7割以上が、デモ版の操作性に満足する。
    • プロトタイプ利用者から、具体的な改善要望が3件以上出る。(改善の余地があることは当然であるため)

4-7.ステップ5:改善を繰り返す

仮説検証の結果に基づいて、製品・サービスを改善します。

  • PDCAサイクル:
    • Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のサイクルを回し、継続的に製品・サービスを改善していきます。

5.「ニーズ」起点の新商品・サービス開発 – 事例から学ぶ成功のヒント

ここでは、顧客の「ニーズ」を起点に開発され、成功を収めた新商品・サービスの事例を紹介します。

2つの成功事例

事例1:株式会社フェリシモ

  • 商品名: 「500色の色えんぴつ」
  • 顧客のニーズ:
    • (顕在) 多数の色えんぴつが欲しい
    • (潜在) 自己表現、感性を磨きたい、日常に彩りを加えたい
  • 成功のポイント:
    • 500色という圧倒的なバリエーション。
    • 毎月少しずつ届ける販売方法で、収集欲求を満たす。
    • SNSでの口コミ効果。
  • 学び: 顧客の潜在ニーズを刺激する商品設計、販売方法が重要。

事例2: 株式会社エアークローゼット

  • 商品名: 「airCloset」(ファッションレンタルサービス)
  • 顧客のニーズ:
    • (顕在) 服を選ぶ時間を節約したい
    • (潜在) おしゃれを楽しみたい、自分に合う服を見つけたい
  • 成功のポイント:
    • プロのスタイリストによる服の選定。
    • 月額定額制で、様々な服を試せる手軽さ。
    • AIを活用したパーソナライズ提案。
  • 学び: 顧客の悩みを解決するサービス設計、IT技術の活用が鍵。

6.「ニーズ」を組織に浸透させる – 全員で顧客に向き合う企業文化を創る

「ニーズ」深掘りは、社長やマーケティング担当者だけが行えば良い、というものではありません。社員一人ひとりが「ニーズ」を意識し、顧客視点で行動することで、企業全体の競争力が高まります。

6-1.なぜ、「ニーズ」を組織全体で共有すべきなのか?


「ニーズ」の共有は、全社員が顧客視点を持つための基盤となり、以下の点で組織全体の力を引き出します。

  1. 製品・サービスの質向上:
    • 開発から製造、品質管理まで、全ての段階で「顧客が本当に求めるものは何か」を基準に判断できるようになります。
    • 表面的な「ウォンツ」ではなく、根源的な「ニーズ」に基づいた改善・開発が可能になり、真に価値ある製品・サービスを生み出します。
  2. 顧客満足度の向上:
    • 営業・接客は、顧客の真意を理解し、期待を超える提案・対応ができるようになり、信頼関係を構築します。
    • クレーム対応も、不満の根本原因を把握し、迅速・適切に対応することで、顧客の信頼回復につなげます。
  3. 社員のモチベーション向上:
    • 自分の仕事が顧客の「ニーズ」にどう貢献しているのかを理解することで、仕事の意義ややりがいを感じ、主体的に行動するようになります。
    • 「顧客のために」という共通の目標が、社員間の連携を強め、チームワークを高めます。
  4. 企業全体の成長:
    • 「ニーズ」に応え続けることで、競合との差別化、独自の強みを確立し、持続的な成長を実現します。
    • 組織全体の学習能力が向上し、変化に強く、イノベーションを生み出しやすい組織へと進化します

6-2.「ニーズ」共有のための具体的な方法

  • ワークショップ: 全員参加型の「ニーズ」深掘り議論、アイデア出しの場(例:ペルソナ設定)。
  • 研修: 「ニーズ」理解の基礎知識、フレームワーク、分析手法を専門家から学ぶ。
  • 成功事例の共有: 社内の「ニーズ」成功事例を共有し、モチベーション向上、意識浸透。
【コラム】社員の意識改革に成功した企業

企業名: ザ・リッツ・カールトン

成功のポイント:

「クレド」による従業員の行動指針の徹底。

従業員への権限委譲による、迅速かつ柔軟な顧客対応。

「ミスティーク」(顧客の潜在ニーズ)の重視。

顧客のニーズ:

(顕在) 快適な滞在、質の高いサービス

(潜在) 特別な体験、記憶に残る思い出を作りたい

学び: 従業員一人ひとりが顧客の潜在ニーズを意識し、行動することが重要。。

7.まとめ

「〇〇が欲しい」という顧客のウォンツ(欲求)に応えるだけでは、企業は生き残れません。

顧客が本当に「必要」としているものは何か?
その根本的な課題(ニーズ)を深く理解し、解決することこそが、企業の存在意義であり、持続的な成長の源泉となります。

この記事で紹介した「ニーズ」深掘りの考え方、具体的なステップ、成功事例などを参考に、ぜひ、今日から「ニーズ」を追求する企業へと変革を遂げてください。

顧客の「必要」に応え続ける企業こそが、未来を創るのです。

【ライター】
保坂 太陽
株式会社ビジネスバンク
Entrepreneur事業部 事業責任者

早稲田大学商学部にて経営学を専攻する井上達彦研究室に所属。「起業家精神とビジネスモデル」を研究テーマに、経営理論を学ぶと同時に研究対象におけるビジネスモデルの研究やそれにまつわる論文の執筆に励んでいる。
社長の学校「プレジデントアカデミー」のHPに掲載するブログの執筆、起業の魅力と現実を伝えるインタビューサイト「the Entrepreneur」にて起業家インタビューを行い記事を執筆している。

ビジネスバンク 取締役 黒田訓英
監修 / 黒田 訓英
株式会社ビジネスバンク
取締役

中小企業診断士

早稲田大学商学部の講師として「ビジネス・アイデア・デザイン」「起業の技術」「実践起業インターンREAL」の授業にて教鞭を執っている。社長の学校「プレジデントアカデミー」の講師・コンサルタントとして、毎週配信の経営のヒント動画に登壇。新サービス開発にも従事。経営体験型ボードゲーム研修「マネジメントゲーム」で戦略会計・財務基礎を伝えるマネジメント・カレッジ講師でもある。
日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。日本ディープラーニング協会認定AIジェネラリスト・AIエンジニア資格保有者。経済産業大臣登録 中小企業診断士。