「社員に当事者意識を持ってもらいたくて調べていたら、オープンブックマネジメントという手法を見つけた。これはどのような手法なのだろう?」
そう疑問に感じている方のために、今回はオープンブックマネジメントの概要や具体的に行うこと、導入する時のポイントを説明します。オープンブックマネジメントが気になっている方はぜひご覧ください。
オープンブックマネジメントとは
オープンブックマネジメントの「ブック」は、企業の財務諸表や会計帳簿、業務管理指標などの財務情報を指しています。これらの情報をオープンにする、つまり開示するマネジメント手法をオープンブックマネジメントと言うのです。
上記のようなブック(財務情報)を開示することで、売上や利益、コストなどのお金の流れがわかるようになり、会社の透明性が高まります。
オープンブックマネジメントで行うこと
先ほど、オープンブックマネジメントとは財務情報を開示するマネジメント手法のこととお伝えしました。しかし、ただ財務情報を公開するだけでは、オープンブックマネジメントを行っているとは言えません。その理由も含めて、具体的に何を行えば良いのかを説明します。
数字の共有
財務諸表そのものや利益がどのようにして生まれるのか、資産はどのように使うのかを共有します。このとき、ただ共有するのではなく、特に財務諸表については、社員が見れるように工夫や大事な部分をわかりやすく伝える必要があります。
財務諸表を社員が正しく閲覧できて理解できないと、せっかく公開しても、会社の透明性は向上したことにならないからです。
現場に裁量を与える
人から「〇〇をやっておいて」と言われたときに人間は当事者意識を持つことができるのでしょうか?もちろん、これで当事者意識を持てる人は良いのですが、おそらく多くの人が難しいでしょう。
その理由は、他人から言われてやっていることだから。逆に自分から「〇〇をやります」と言った場合はどうでしょうか?おそらく、多くの人が当事者意識を持つのではないかと思います。
つまり、仕事において当事者意識を持たせるためには、ある程度現場に裁量を与えることが大切です。自らの責任で物事を行わないと当事者意識は芽生えにくいので、現場に裁量がない場合、少しずつでも増やしていくのが良いでしょう。
評価制度をルール化
オープンブックマネジメントでは、財務情報だけではなく、数値を紐づいてどのように評価や処遇がなされるのかという、評価基準や処遇制度のルール化も必要です。なぜなら、見える化した、成果を公正に分配しなくては、不満が出るからです。
会社の透明性を高めるという意味においても、社員との信頼関係を築いていくという意味でも、評価基準や処遇制度のルール化、及び公表は必要不可欠となってきます。
オープンブックマネジメントを導入するときのポイント
ここまでは、オープンブックマネジメントで具体的にどんなことをすれば良いのかを説明してきました。ここからは、オープンブックマネジメントを導入(実践)するときのポイントを説明します。
常に情報は公開しておく
自社の財務情報や評価基準や処遇制度のルールは常に公開しておきましょう。隠してしまったり、会議で一瞬だけ見せるような形をとってしまうと「何かやましいことがあるんじゃないか」と社員の不信感に繋がりかねません。
オープンブックマネジメントで公開するものは、基本的に常に社員が見れるような状態を作っておきましょう。
数字にどんな意味があるのかを伝える
財務情報などを見る際に、例えば売上の数字は、どこを見れば良いのかを伝えるだけではいけません。その売上はどの部署からどのくらい発生しているのか、どのように社員に還元されているのか、どのように活かしていくのかなど、数字が持つ意味を伝えなければいけません。
まとめ
オープンブックマネジメントでは、財務情報や評価基準などの情報を公開することで、会社の透明性を高め、社員との信頼関係を構築することが大切です。
今回紹介した内容をもとに、オープンブックマネジメントをぜひ実践してみてください。
【ライター】
佐藤みちたけ
大分出身のライター。起業のワークショップなどを通じて、学校教育に違和感を覚え、高校を中退。その後上京し、17歳の若さでライターとして生計を立てる。現在では、様々な企業や団体でインタビュー記事の執筆や、Webメディアの運営などを行なっている。