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多角化戦略の概要やメリット・デメリットとは?成功ポイントや必要な背景も解説

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多角化戦略の概要やメリット・デメリットとは?成功ポイントや必要な背景も解説

自社の経営戦略を検討する上で、多角化戦略に興味があるものの、実際にどんな戦略か分からず以下のような悩みや疑問を抱える方も少なくありません。

 

・多角化戦略を採用するメリットとデメリットは?

・多角化戦略の成功ポイントとは?

 

結論から言うと、多角化戦略は経営の安定化や収益力の向上が期待できる成長戦略です。

 

なぜなら、多角化戦略は既存事業と関係性が希薄な新規事業により、売上変動リスクの分散や異なるライフサイクルの事業を併存させられるためです。

 

この記事では、多角化戦略の概要やメリット・デメリットとともに、成功ポイント、求められる背景や企業実践例を順にお伝えします。

多角化戦略を活用し、自社ビジネスを継続させつつ成長を実現するためにぜひお役立てください。

 

多角化戦略とは?

多角化戦略は企業における成長戦略の1つであり、既存ビジネスに行き詰まりを感じていて、新たな領域でビジネスを仕掛けたい企業に最適な戦略です。

 

アプローチする市場も、取り扱う商材も新たに設定・開発して取り組むため、多少のリスクを伴うものの、高い成長性が期待できるのが特徴です。

 

また、市場のライフサイクルを踏まえて、異なるライフサイクルにあるビジネスを運営できると、経営の安定にも繋がります。

 

自社ビジネスの継続的な運営や成長に悩んでいるならば、自社の成長戦略に多角化戦略を採用し、新規ビジネスの育成に挑戦してみましょう。

 

経営戦略の選択に迷ったり困ったりしている方はこちらを参考にしてください。

» 経営戦略とは?~優れた経営戦略を立てる3つの基本~定義・種類・フレームワークをご紹介

 

成長戦略における多角化戦略の位置づけ

多角化戦略は、「戦略的経営の父」と称される経営学者のイゴール・アンゾフが提唱した成長マトリクスの中の1つです。

 

アンゾフの成長マトリクスは、成長戦略の方向性を市場と商材の2つの軸で整理を行い、それぞれを既存と新規で分類しています。

 

多角化戦略はこの内、対象市場も取り扱う商材も新規領域に設定し、新たな事業領域で企業成長を目指す戦略です。

 

【アンゾフの成長マトリクス】

多角化戦略は他の成長戦略よりも既存ビジネスとの関係性が希薄なため、失敗するリスクはあるものの、成功時のリターンは大きいとされています。

 

多角化戦略の目的

多角化戦略の目的は、自社の経営資源を新たな製品やサービスを新たな市場に打ち出すことによる売上成長性の向上です。

 

既存ビジネスの永続的な成長は困難なため、異なるビジネスの並行運営でビジネス縮小リスクを分散しつつ、収益の安定・成長を狙います。

 

例えば、写真フィルムで一時代を築いた富士フィルムは、早くからフィルム技術を活用する医療や化粧品ビジネスを多角化していました。そのため、2000年以降に写真フィルムの需要が縮小していく中でも、収益は右肩成長しており、多角化戦略で成功した企業の1社です。

 

多角化経営は、既存ビジネスの縮小も見据えながら、中長期的な企業成長を実現するための有効な成長戦略です。

 

多角化戦略の種類

多角化戦略は「既存ビジネスにおける市場との関係性」「自社の技術や経験との関係性」の2軸によって、4つの戦略に細分化されます。

細分化された4つの多角化戦略は特徴が異なるため、多角化戦略を選択する際にはどの戦略を推進するかの見極めが肝心です。

 

【多角化戦略の4分類】

4種類に分類される多角化戦略の各々の特徴を把握し、自社の状況にあった多角化戦略を選択しましょう。

 

水平型多角化戦略

水平型多角化戦略は、自社の保有技術や経験を活かして、既存ビジネスとの関係性の強い市場で事業拡大を図る戦略です。

そのため、自社の経営資源を活用しやすく、市場開拓もこれまで培ったノウハウや手法を横展開しやすいのが特徴です。それゆえ、戦略実行のハードルの低さが利点となります。

 

一方、既存ビジネスが縮退局面に入ると技術の陳腐化で競争力が低下したり、多角化した先の市場も同時衰退したりする可能性がある点に注意しましょう。

 

垂直型多角化戦略

垂直型多角化戦略は、既存ビジネスとの関係性の弱い市場に対して、新規技術を用いて新規製品・サービスを展開して、事業拡大を狙う戦略です。

 

対象市場が既存ビジネスに近いため、ノウハウを活用したり、既存顧客へアプローチしたりでき、市場開拓は新規開拓よりも難しくありません。

 

しかし、新規技術を用いた製品・サービスの開発が必要なため、追加の設備投資や人員育成が必要になりビジネス開始に時間がかかる場合があります。

 

そのため、垂直型多角化戦略を進める場合にはビジネス展開の時間軸を長めに設定しておくのがポイントです。

 

集中型多角化戦略

集中型多角化戦略は自社の保有技術や経験を活かして、既存ビジネスと関係性の薄い新規市場を開拓する戦略です。

 

既存の技術や経験を基にビジネス展開するため、新規の事業投資を抑制しやすく、新規製品やサービスの開発や生産のハードルが低く進めやすいです。

 

しかし、参入先が新規市場のため、市場開発や市場の要求事項への対応などをゼロから始める必要があり、既存企業の参入障壁が高い場合もあります。

 

そのため、集中型多角化戦略の検討を進める際には、事前に入念な市場調査を行い、市場参入の可否や既存技術・経験の活用度の見極めが重要です。

 

集成型(コングロマリット型)多角化戦略

集成型多角化戦略は、従来のビジネスとは関連しない領域にアプローチして、収益拡大を図る戦略です。

 

既存ビジネスで積み上げた技術・経験や市場ノウハウが活用できないため、イチからのビジネス立ち上げになり、時間も費用もかかりやすいです。

 

万一、失敗した場合には、投資内容を既存ビジネスで利活用するのが困難な場合が多く、損害も大きくなる場合があります。

 

しかし、既存事業との関係性が最も薄い多角化戦略のため、経営のリスク分散効果が大きくなる利点があります。

 

多角化戦略のメリット3つ

多角化戦略の下、関係性の薄い異なる事業を同一企業内で営むことにより、経営基盤や経営資源の安定化や強化にプラス効果が期待できます。

 

ここでは経営資源のカネ・モノ(情報)・ヒトの観点における多角化戦略のメリットを整理します。

 

・経営の安定性向上

・事業間でのシナジー効果

・従業員の成長機会増加

 

既存ビジネスへの行き詰まりや、中長期的な安定的な成長を志向したい場合には、多角化戦略によるメリットの最大化を目指しましょう。

 

メリットその1:経営の安定性向上

多角化戦略のメリットの1つは、関係性の薄いビジネスの複数運営により、経営状況の浮き沈みの平準化が期待できる点です。

 

関係性が希薄なビジネスであれば、一方のビジネスが不調であっても、別のビジネスでも不調が同期する可能性は低いです。

 

例えば、市場に展開した製品やサービスにはプロダクト・ライフサイクルと呼ばれる寿命があり、市場投入後は成長・成熟・衰退の順に進んでいきます。

 

そのため、異なるプロダクト・ライフサイクル局面の製品・サービスを展開できると、収益の変動幅を小さくできます。

 

多角化戦略は複数事業の展開による売上成長性の向上が期待されますが、製品や市場のライフサイクルの観点より経営安定に資する戦略でもあります。

 

メリットその2:事業間でのシナジー効果

多角化戦略は、個別企業がそれぞれ事業を営むケースと比較して、同一企業が複数事業を運営することによるシナジー効果もあります。

 

アンゾフは多角化戦略で4つのシナジー効果が期待できるとうたっています。

シナジー効果の種類 シナジー効果の内容
販売シナジー 販売経路や販売組織を共有して販売業務を効率化
生産シナジー 生産設備の共同利用や原材料の一括調達などによる生産原価の低減
投資シナジー 研究開発や投資による成果の共有による、関連費用や時間の効率化
経営シナジー 経営ノウハウの共有・利活用による、経営活動の効率化

事業の多角化と言えどもひとつの企業であるため、独立企業としてビジネス展開するよりも効率性が高く、事業を推進しやすいです。

 

メリットその3:従業員の成長機会増加

多角化戦略により異なる複数の事業を運営すると、社員も同一企業内で様々なビジネス経験やスキル取得機会を得られるため、社員の成長を促せます

 

多角化戦略の場合、既存ビジネスとの関係性の薄いビジネスを興すため、社員は疑似的に複数の企業に勤めたような経験が可能です。

 

管理職も同様に複数ビジネスに携われるため、管理ノウハウが単一事業よりも蓄積できます。高スキルの社員育成に寄与できるでしょう。

 

多角化戦略は経営資源であるヒトの強化に繋がるため、中長期的に強固な経営基盤の整備にも効果のある戦略です。

 

社員への教育などの取り組みについて興味のある方はこちらを参考にしてください。

» 人的資本経営とは?どう取り組んだほうが良いのかも解説 | プレジデントアカデミー

 

多角化戦略のデメリット3つ

多角化戦略の採用・遂行は、メリットと同時にデメリットも生じる可能性があります。

 

多角化戦略を進めるにあたり、考慮しておくべきデメリットは3つです。

 

・収益性への影響

・企業イメージのあいまい化

・事業間の衝突

 

予測されるデメリットは、事前に対応策を講じればマイナス要素を抑制できるため、多角化戦略の検討時にはデメリット対策も進めましょう。

 

デメリットその1:収益性への影響

多角化戦略を実行するにあたり、単一事業を営むよりも事業運営にかかる費用が増加して、収益を圧迫する恐れがあります。

 

異なる複数の事業を運営する際、事業運営にかかる業務の個別対応が避けられず、ヒト・モノ・情報等を個別に準備する必要があります。

 

例えば、新規事業で新商品が必要な場合、既存事業との関係性が全くなければ、個別に研究開発環境や要員を揃えなければなりません。オフィス環境などは既存ビジネスと同居できるとしても、研究設備の導入や参入市場に詳しい研究員の雇用などが必要です。

 

そのため、立ち上げる新規ビジネスの内容次第では、自社内で個別に会社を設けるような状況になりかねず、財務面が圧迫されるケースもあります。

 

デメリットその2:企業イメージのあいまい化

多角化戦略により、関係性の弱い事業を複数展開すると、顧客の持つ自社に対する企業イメージがあいまいになるケースがあります。

 

顧客は購入する商材を通じて企業に対するイメージを持つことから、関係性が薄い商材を展開されると明快なイメージがしにくくなるためです。

 

企業イメージは企業価値にも繋がり、企業が展開する商材をブランド化して、付加価値を高める役割があります。しかし、その企業イメージが持たれにくいと、商材のブランド化もしにくく、競争優位性を高めにくくなります。

 

そのため、多角化戦略を進める際には、市場における企業イメージやブランド化の方法を入念に検討しましょう。

 

企業ブランディングについて興味のある方はこちらも参考にしてください。

» 企業ブランディングとは?必要な5つの力もご紹介! | プレジデントアカデミー

 

デメリットその3:事業間の衝突

多角化戦略で既存ビジネスと新規ビジネスで自社の限られた経営資源の取り合いになり、ビジネス発展の足の引っ張り合いが発生する場合があります。

 

多角化戦略を独自に立ち上げる際に必要な経営資源を、既存ビジネスから新規事業に向けられる余力が限られるためです。

 

元々、多角化戦略を進める時点で確保している経営資源は既存事業の維持・発展用の資源であるため、新規事業に分割すると既存事業に影響します。

 

すると、事業間で衝突が発生し、収益拡大を目指す戦略が内部分裂の戦略になってしまう恐れもあります。

 

そのため、多角化戦略を進める際には、経営資源の分配方法を予め練っておき、各事業の責任者や現場担当者の間で合意形成しておくのが重要です。

 

多角化戦略の成功ポイント3つ

多角化戦略を成功させる上で、新規事業の進め方や着目すべき領域がポイントとなります。

 

既存事業とは異なるビジネスを立ち上げるのが目的である多角化戦略は、負担が大きく、失敗リスクもあるためです。

 

そこで、多角化戦略を初めて検討する企業で、押さえるべき成功ポイントは3つあります。

 

・小さく始める

・既存ビジネスと関係性の強い領域から着手

・他社との協業も視野に入れる

 

成功確率の高い進め方を実行して、多角化戦略による収益拡大や経営の安定化を具現化しましょう。

 

成功ポイントその1:小さく始める

多角化戦略を成功させるポイントの1つ目は、失敗しても経営ダメージが最小限で済む規模から、小さく試験的に着手することです。

 

最初から大規模に始めても成功保証がないため、失敗時に取り返しのつかない経営インパクトが発生し、経営が傾くリスクがあります。

 

多角化戦略では、既存事業とは異なる市場と商材を取り扱うのが前提のため、過去の経験に基づいた取り組みは役立たない可能性があります。

 

さらに経営資源に余裕がない企業だと投入可能な資源も限られるため、既存ビジネスに悪影響を及ぼさない程度から始めるのが現実的です。

 

スモールスタートで得られる情報から試行錯誤を繰り返し、徐々に新規事業の規模を拡大していくのが多角化戦略の成功確率を高めるポイントです。

 

 

成功ポイントその2:既存ビジネスと関係性の高い領域から着手

多角化戦略を進めるにあたり、既存事業と関係性が高い領域から着手すると、新規事業の立ち上げハードルも低くなりやすいです。

 

既存事業との関連性が高いと、培ってきた経営資源を活用しやすく、無理なく新規事業に取り掛かれるためです。

 

既存事業との関わりが高い多角化戦略の種類は3つあり、このうち水平型は既存ビジネスのノウハウも保有技術も活用できる可能性の高い戦略です。

 

もし、多角化戦略の経験が乏しい場合には水平型多角化戦略を採用すると、現場で対応する社員からの拒絶反応も小さく抑えられると見込まれます。

 

多角化戦略は既存事業の市場・商材を異なるビジネスを立ち上げる戦略であるため、比較的難易度の低い水平型から成功体験を積み上げましょう。

 

成功ポイントその3:他社との協業も視野に入れる

多角化戦略を進める上で、新規事業に必要なバリューチェーンの一部を自社で対応するのが難しい場合には、他社との協業が有効です。

 

新規事業で狙う市場や商材に関する経験や技術のある企業と協業できると、自社独自で対応するケースと比べて時間・労力・費用を抑制できるためです。

 

例えば、既存事業の都合上、自社の生産部門に余裕が無い場合には、新規事業の商材の生産ノウハウがある企業との協業は一考に値します。協業先企業に余力があれば、協業にとっても収益拡大の取り組みになり、両社にとってWin-Winの関係を構築できます。

 

新規事業をゼロから独自に進める負担度は計り知れないため、他企業との提携などを通じて、素早くかつ確実な新規事業の立ち上げを実現しましょう。

 

新規市場での顧客開拓方法に興味がある方はこちらも参考にしてください。

» 新規開拓営業はどう行えばいい?手順や上手くいくコツも紹介 | プレジデントアカデミー

 

多角化戦略が求められる背景

多角化戦略が求められる背景は、成長市場が減ったり、事業にまつわる前提環境が変化したりして、単一事業の維持が困難な状況になっている点です。

 

コロナ禍や急激なインフレなどにより、単一事業しか営んでいない中小企業を中心に倒産が増加している現状は、単一事業のみの経営リスクを示しています。

 

多角化戦略は全企業に必須の戦略ではないものの、以下のような行き詰まりや外堀が埋まっている感覚があるならば、検討の余地は十分にあります。

 

・単一ビジネスでの成長限界

・外的要因による経営インパクトの増大

・継続的な成長が見込まれる市場が限定的

 

自社を現状と取り巻く環境を正しく捉え、経営が傾くリスクが高いと感じるならば、多角化戦略で経営の転換点を作りましょう。

 

背景その1:単一ビジネスでの成長限界

多角化戦略が求められる背景の1つには、単一ビジネスではある程度までシェア拡大すると、経営資源の投入量を増加しても成長が頭打ちする点です。

 

多くの市場では参入企業が固定顧客の繋ぎ留めでシェアが硬直的になりやすく、経営資源の投入量増加で打破できない場合が多いためです。

 

また、技術発達の加速で、商材の寿命であるプロダクトライフサイクルが短命化しており、商材あたりの売上も減る傾向になっています。

 

そのため、単一ビジネスでは売上の変動が短期間で発生しやすく、将来を見据えた投資などがしにくい経営状況に陥ります。

 

したがって、経営の安定化を図るには、既存事業に影響を受けない別事業を立ち上げ、売上の山谷を相互に埋め合える事業体制が必要です。

 

背景その2:外的要因による経営インパクトの増大

多角化経営が求められる2つ目の背景は、単一ビジネスだと外的要因で経営状況の急激な衰退や市場からの強制退場が発生しかねない点です。

 

昨今の激しい情勢変化により、ビジネスの前提環境は移ろいやすくなっているためです。

 

例えば、働き方改革関連法の施行で長時間労働に対して規制が敷かれ、特定の業種では従来と同様にビジネス運営ができなくなっています。

 

さらに、人手不足や、世界情勢と為替レートの兼ね合いによる燃料高騰などが組み合わさり、倒産企業も増加傾向です。

参考:東京商工リサーチ「全国企業倒産状況」

 

特定の事業に固執していると外部要因で短期間で事業が悪化しやすい状況を踏まえると、多角化戦略は経営の継続性強化に効果的な戦略と言えます。

 

背景その3:継続的な成長が見込まれる市場が限定的

多角化戦略が必要な3つ目の背景は、主要国を中心に、市場規模への影響力が大きい人口が減少傾向にある点が挙げられます。

 

既存事業の対象市場が人口減に合わせて縮小局面に入っていると、中長期的には経営も右肩下がりになる可能性が高いためです。

 

人口減少局面に入っている日本では、多くの市場は成熟市場ですが、新たな産業も立ち上がっています。もし、既存事業の市場が縮小し始めていても、成長市場で新規事業を興せれば、企業全体の経営も維持でき、場合によっては成長が期待できます。

 

そのため、対象市場の成熟度合いが異なる複数事業体の運営に挑戦して、事業全体の継続力を高めましょう。

 

成長が停滞している市場でも収益を上げる方法に興味のある方はこちらを参考にしてください。

» 【産業変革期の今こそ必見】残存者利益の獲得で変革期を乗り切るための方法 | プレジデントアカデミー

 

多角化戦略の実践事例3選

多角化戦略は、認知度の高い企業で数多く採用されている成長戦略です。

 

多角化の幅も企業により様々で、成功を収めたケースもあれば、想定通りに進まなかったケースもあります。

 

そこで、ここからは多角化戦略の成功企業例と失敗企業例をそれぞれ紹介します。

 

・ソニー

・セブンイレブン

・ライザップ

 

多角化戦略の着眼点や戦略遂行時の注意点を、実際に多角化戦略を実行している企業の取り組みから参考にしましょう。

 

実践事例その1:ソニー

ソニーは多角化戦略を創業後10年も経過しない内に実践して、現在まで継続したことで大企業として成長を遂げられた成功企業例の1つです。

 

ソニーの事業は電機製品製造・販売が主事業ですが、金融業、エンターテイメント業、映画・音楽業など幅広いのが特徴です。

 

この取り組みの狙いは、創業者である盛田氏の多角化戦略に込めた、以下の言葉に集約されています。

 

ソニーという名の下に集まった人材と、蓄積した経営ノウハウが生かされ、国際的に見ても有用なら、異業種といってこだわる必要はない。ソニー全体にとってもプラスになる

引用:ソニー「ソニーグループについて 第21章 多業種へのチャレンジ」

 

ソニーは多角化戦略のメリットの1つである「従業員の成長機会増加」を存分に活かし、現在の礎を構築したと言えます。

 

実践事例その2:セブンイレブン

セブンイレブンは、総合小売グループとして小売業の大手に上り詰めた企業ですが、多角化戦略で収益性の向上も実現した企業です。

 

今では当たり前のようにセブンイレブン内に設置してある「セブン銀行」のATMはまさに、小売業とは別業界の金融業を営んでいる証です。

 

2001年に前身の「アイワイバンク」を誕生させて以後、自社のコンビニにATMを展開していきました。同時にコンビニでのサービス拡充も同時並行で進めたことで、コンビニが生活のあらゆる手続きを完結できる空間になり、顧客から高い支持を得ました。

 

コンビニの店舗空間を異なる事業で利活用するシナジー効果により、事業間の親和性も増長され金融事業が成長し、経営の安定性強化を実現しています。

 

実践事例その3:ライザップ

ライザップの多角化戦略はM&Aを活用して急速に進めたために、メリットよりもデメリットが強く出てしまった失敗事例です。

 

M&Aした企業を経営管理できずシナジー効果も発揮できない状態が重なった結果、多角化を進めた2016年以降で3度も本業の利益が赤字になりました。

 

ライザップはこの状況を踏まえて、M&Aによる多角化を取りやめ、保有企業の見直しを進めています。

 

多角化戦略においてM&Aは有効な手段の1つですが、失敗する場合もあるため、新規事業の見極めポイントを設定して影響を極小化するのも重要です。

 

多角化戦略以外で、業界内での強さを発揮している企業の取り組みに興味のある方はこちらをご覧ください。

» 【経営ブログ】業界で強さを発揮している会社は、〇〇を追求している! | プレジデントアカデミー

 

多角化戦略を活用しビジネス継続・成長の実現へ

多角化戦略の概要とともに、メリット・デメリット、求められる背景、成功ポイントや実践企業事例について紹介しました。

 

多角化戦略は経営の安定や収益性向上を実現するのに、有用な成長戦略です。

 

なぜなら、多角化戦略では既存事業と関係性の少ない新規事業により、経営状況が平準化されやすく、社員の成長も促しやすい取り組みだからです。

 

一方で、事業間で衝突が発生したり、企業イメージが不明瞭になったりするデメリットもあるため、多角化戦略は新規事業の立ち上げ方に注意する必要があります。

 

多角化戦略は企業規模に関わらず選択可能な成長戦略であるため、自社の中長期的な成長を望むならば、是非検討してみましょう。

 

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【監修】
黒田 訓英
株式会社 ビジネスバンク 取締役
早稲田大学 商学部 講師
中小企業診断士

早稲田大学商学部の講師として「ビジネス・アイデア・デザイン」「起業の技術」「実践起業インターンREAL」の授業にて教鞭を執っている。社長の学校「プレジデントアカデミー」の講師・コンサルタントとして、毎週配信の経営のヒント動画に登壇。新サービス開発にも従事。経営体験型ボードゲーム研修「マネジメントゲーム」で戦略会計・財務基礎を伝えるマネジメント・カレッジ講師でもある。
日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。日本ディープラーニング協会認定AIジェネラリスト・AIエンジニア資格保有者。経済産業大臣登録 中小企業診断士。


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