一昔前まで、起業してうまくいくのは、会社からはみ出しているような破天荒なタイプも多くいました。
日本経済が成長を続けていた時代には、いろいろな機会があり、そうしたチャンスをガンガンものにする「オポチュニティ型」と呼ばれるビジネスのできる人が成功したからです。
一方、成熟社会となった今の日本では、すでにあるものの質を上げる「クオリティ型」の事業が中心となっています。
そうした状況にあって、起業して成功するのは、会社勤めを経験し、優秀な部下であった人が多数を占めています。
あなたが今、会社員であるならば優秀で上司から選ばれる部下になってください。
起業は自分の意思だけでできますが、選ばれる部下になるには他者の意思が必要です。優秀な部下になることは、ある意味で起業するより難しいのです。
優秀な部下になるということは、自分が経営者になったときに「こんな部下が欲しいな」と思える人でいるということです。ですから、自ずと経営者の視点が想像できるようになります。
また、実際に経営者になったときに、頑張っている部下の気持ちも理解できますから、優秀な部下になろうと努力することは、すごくいい準備になるのです。
さらに、経営者に必要な「全体最適」をつかむために、課長職などのマネジメントを経験することが非常に役立ちますが、それも会社から選ばれないことには経験できません。
たとえ、あと3カ月後には今の会社を辞める予定であるとしても、優秀な部下である努力を怠らずにいるほうが、結局あなたのためになります。
▶︎Point|「辞めてほしくない」と思われる部下になろう