欠点　＝　長所

 

 

子供のころ、よく魚釣りに行った。

 

 

釣り場にいるおじさんたちは、色々な人がいて、面白かった。
ものすごく優しい人、すぐに怒る人。

 

 

いつも色々と教えてくれる、優しいおじさんに聞いた。

 

 

じっと待ってるのが苦手なんだけど、
それでも、釣りは上手になれるかな？

 

 

待ってられないことが、欠点のように感じてた。

 

 

待ってられないっていうのは、
いつもそれでイイかどうか気にしているってことだろ？
だから、エサを代えたり、糸を結び直したりするんだ。
それで、より釣れやすくなってる。
待ってられないっていうのは、いいことなんだぞ。

 

 

優しい釣りのおじさんは、そう答えてくれた。

 

 

それから、魚釣りがもっと好きになった。

 

 

今でも、この時のおじさんの顔を覚えてる。
とても大切なことを教えてくれたから。

 

 

そして、自分の悪い所や欠点に押し潰されそうな時に、
優しい顔を、自然に思い出す。

 

 

欠点も、見方を変えると、長所になる。
別の見方をすると、長所になる。

 

 

欠点も、長所なんだ。

 

 

 

― 浜口隆則・著『仕事は味方』より抜粋

 

 

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