伝統産業において18年間で

売上  10倍
社員  15倍
見学者 300倍。

驚異的な数値を叩き出したのは
「株式会社 能作」代表の
能作克治(のうさくかつじ)氏。

能作氏によると成長の秘訣は
”「しない」経営方針にある”
と言います。

儲けを優先しない
社員教育をしない
営業活動をしない
同業他社と戦わない

「しない経営」とは
一体どのようなものなのか。
 

今回はその極意を2つ
ご紹介いただきました。

 



1.営業部が”存在しない”理由とは?

驚くことに、
能作氏代表就任の18年前から
社内の営業部は
「存在していない=必要ない」と
考えられています。

一体なぜ、
能作には営業部が
存在しないのか。

答えは地域を大切にする
能作氏の想いの中にありました。

富山県高岡市に位置する能作は
高岡の問屋に品物を卸しています。

能作氏は高岡の問屋との
繋がりを大切にし
取引は問屋に任せることを
徹底しつづけている。

もし仮に、能作が問屋を介さず
直接取引を行うと地元の業態が
崩れてしまう恐れがあると
能作氏は危惧しています。

現状、問屋を通し
多くの納品を行い、
売上も順調だと言います。

問屋を信じているからこそ
社内には、営業部が必要ないと
能作氏は考えている。

地域の身近な繋がりを大切にし、
win-winの関係を構築していく
能作氏の経営方針が窺えます。

 

 

 

2.”社員教育をしない(しなくていい)”ワケは工場見学にあった

能作の教育方針では、
「上司から命令するのではなく、
一人ひとりが自発的に動くこと」
が善とされている。

そのため能作氏は
「儲けろ、利益を出せ」
とは決して言いません。

それ以上に、社員の
モチベーションを上げることに
注力してきました。

能作氏は、
社員が自発的に
動くための仕掛けを
工場見学の中に施している。

工場のある社員食堂を見てみると、
社員同士が楽しそうに
会話していることが
よくあるそうです。

その理由は、
社員はお昼を食べながら、
工場見学に来た子供たちからの
感謝の手紙を読んでいるから。

教育をせずとも
社員たちは手紙をシェアして
モチベーションを上げている。

工場見学の案内は社員が担当し、
お客様と触れ合う機会を作る。

お客様と直接話すことで、
社員の意識向上と社内美化に
繋がると能作氏は言います。

社員がお客様との直接的な繋がりを
持つことがやりがいを生んでいる。

「私は意味のあることをしている」
と、気づいて納得できた時、

人は自分から動くようになる
能作氏は語ります。

今では、
工場見学に使用する見本品を
職人が率先して作ったり、

障害のある方への案内を
手話ができる社員が
自ら担当するなど
自発的に動く社員が多い
とのことです。

 


この2つの話を始めとし、
能作氏はどんな取組みにおいても
「人との関わり」
を大切にされてきました。

問屋との関わりを
大切にした結果、
問屋を通した売上が順調だから
”営業活動をしない”。

工場見学者との関わりを
大切にした結果、
社員に主体性が生まれ、
”社員教育をしない”。

株式会社能作の成長の秘訣である
「しない」経営方針は
能作氏が「人との関わり」を
大切にした結果生まれた
考え方だったのです。

本記事の作成者: 三富 大雅