更新日:2025年9月16日

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経営者に必要な10のスキル
~成功し続ける経営者の共通点~


黒田訓英

著者 / 黒田訓英

株式会社ビジネスバンク 取締役

早稲田大学 商学部 講師

経済産業大臣登録 中小企業診断士

日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)

日本証券アナリスト協会認定CMA

日本ディープラーニング協会認定 AIジェネラリスト/AIエンジニア

JDLA認定AIジェネラリスト/AIエンジニア

成功し続ける経営者は、どんなスキルを持っているのか?

経営者に必要なスキルは何でしょうか?

決断力?洞察力?リーダーシップ?先見性?創造性?
もちろん、これらのスキルは必要です。

しかし、そのような“よく耳にするスキル”は、経営者の皆さんにとって「既に必要なことは分かっている」のではないでしょうか?

本レポートでは、経営者に必要なスキルを新たに10の力として、体系的にまとめました
(一般的に経営者に必要と言われる“よく耳にするスキル”との対応関係も一覧表で確認できます。)

私たちは「社長の学校」プレジデントアカデミーを運営しており、33,000人以上の経営者を見てきました。また「the Entrepreneur」という経営者取材メディアでは500人以上の経営者を取材してきました。

多くの経営者・起業家を見てきた中で、成功し続けている経営者の共通点を分析し、
経営者に必要なスキルとして10個にまとめた
ものです。

「経営者として、成功するために必要なスキルは何だろうか?」
「経営者として、自分に足りないスキルは何だろうか?」
「どうしたら、経営者に必要なスキルを身に着けることができるのか?」

そう考えている皆さんのヒントになれば幸いです。

1. 経営者に必要なスキルとは?経営者に必要な17のスキル

経営者に必要なスキルは多岐に渡ります。
それは、経営とは全体最適の活動であり、何か1つ特定のスキルを身に着ければうまくいくものではないからです。

まずは、一般的に言われる「経営者に必要なスキル」を見ていきましょう。

1. ビジョン構築力・先見性

ビジョンを明確にし、チームメンバーが目指す先を統一することは、経営者にとって最も重要な役割の1つです。3年先も会社が存続する理由を今日つくることが経営者の仕事でもありますので、先を見据える力が必要です。

2. リーダーシップ・統率力

ビジョンを構築できても、リーダーシップがなければチームを導くことはできません。自ら旗を振り、周囲を巻き込むことで、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を集める力とも言えます。

3. 意思決定力・決断力

人は1日に3万5000回の決断をしていると言われています。日常の小さな判断から投資や採用といった大きな決断まで、その積み重ねが会社の未来をつくります。限られた時間の中で、高速かつ良質な意思決定ができるかどうかが、成果を左右します。

4. コミュニケーション・共感力・交渉力

経営者は、社員・取引先・顧客など様々な立場の人と関わります。社員への共感、取引先との交渉など、相手の意図を組んで合意を形成するコミュニケーション力が欠かせません。

5. 柔軟性・適応力

変化の激しい現代では、過去の成功や思考にとらわれていると、時代の流れに取り残され、経営は失敗していきます。経営環境の変化に対する適応力、必要とあれば戦略を変更する柔軟性が求められます。

6. レジリエンス・ストレスマネジメント・感情マネジメント

経営者は、過度なストレス環境に身を置いています。精神的な問題で経営を続けられなくなる経営者もいる現状です。ストレスにどう向き合い、対処していくかは経営者であり続けるための前提条件です。

7. 論理的思考力・問題解決力

経営者は、多種多様な問題に直面します。感覚や経験だけに頼らず、数字と事実をもとに因果関係を見極めて解を導く力が不可欠です。論理的に整理することで、課題解決の優先順位も明確になります。

8. 戦略的思考力・逆算的思考力

経営戦略の立案も、経営者の重要な役割の1つです。戦略なきところに、再現性の高い成功はありません。また、目標から逆算した戦略設計ができなければ、継続的な成功は望めません。

9. 仕組み化力・ビジネスモデル構築力

仕組み化の力がない経営者は、属人性を排除できず「いつまでたっても忙しい」ままです。仕組み化を進め、経営者が本来すべき仕事に専念する必要があります。また、ビジネスモデルを構築し、儲けの仕組みをつくる力は経営者として必須です。

10. 組織マネジメント(目標設定・進捗管理・運営)

組織の大小はあれど、チームで成果を上げるのが経営です。メンバーの目標設定や進捗管理など、チームをマネジメントする力が欠かせません。

11. リソースマネジメント(ヒト・モノ・カネ・情報・時間

経営とは、限られた経営資源をいかに活用して成果を上げるのかであるとも言えます。自社のリソースを正しく把握し、マネジメントする力は経営の成果に直結します。

12. 変革力・革新力

市場環境の変化が激しい現在は、ビジネスのライフサイクルも縮まってきています。経営者が主導でビジネスモデルや組織の変革ができなければ長期的な成功は難しいでしょう。

13. 継続力・健康管理力

大半の事業は、成功までに様々な困難に直面します。ここで諦めるのか、継続し続けるのかで、経営の成功が決まることもあります。また、健康管理力は経営を継続する上で前提条件と言えます。

14. 財務・会計・資金調達力

財務・会計の知識なしに、意図的な利益を生み出すことは難しいです。B/S(貸借対照表)、P/L(損益計算書)の基礎を理解し、利益構造を把握することが重要です。またキャッシュフローを読み誤ると黒字倒産も起こり得るため、リスク管理の観点からも必須のスキルです。

15. 自己認識力・自己統制力

現状を正しく認識することが、経営改善への第一歩です。しかし、私たちは様々な認知バイアスによって、現状を歪めて捉えてしまいます。まずは経営者自身が正しい自己認識をすることがスタート地点です。

16. 抽象化力・学習力

他業界の成功事例を自社に応用するなど、全ての事象から学ぶためには、抽象化の力が必要です。また、経営を学び続けることは、経営者として成功し続けるために欠かせません。

17. 俯瞰力・全体最適化力

経営とは、部分最適ではなく、全体最適の活動です。俯瞰的な視点で会社全体を見渡す力が求められます。

ここまで、一般的に言われる「経営者に必要なスキル」を見てきました。
しかし、上記のような“よく耳にするスキル”は、経営者の皆さんにとって「既に必要なことは分かっていた」のではないでしょうか?

ここからは、経営者に必要なスキルを新たに10の力として、体系的に再定義します。

2. 経営者に必要な10のスキル~体系的に再定義~

経営者は、10のスキルを身に着け、高めていくことで「継続的な成功」に近づきます。

経営に限らず、武道やスポーツなど、どんな世界でも同じですが、
成功し続けている人ほど「心・技・体」のバランスが取れています

経営者が成功し続けるためには、経営者に必要な「心・技・体」をバランスよく整える必要があります。
経営者に必要な「心」=浄化力、マインド力、メンテナンス力
経営者に必要な「技」=仮説力、実行力、資産化力
経営者に必要な「体」=時間力、資産力、健康力

そして、これらのスキルを俯瞰して統合する力(俯瞰統合力)を加えて、10個のスキルとなります。

社長力の10分野 全体像

1. 浄化力

浄化力とは、経営者が自らの「メンタルブロック」を認識しリフレーミングすることで、経営者に必要なマインドを身に着ける前提条件を整える力です。

経営者に必要な力として、よく語られるのが「心(マインド)」の面。成功した経営者たちが持っているマインドを身に着けるのは重要なことです。

しかし、新たなマインドに変化させるのは簡単ではありません。
マインドの変化を邪魔するものがあるからです。
それが、「メンタルブロック」です。

メンタルブロックは、エレファントシンドロームとも呼ばれます。

エレファントシンドローム

幼少期に鎖でつながれた像は、何度挑戦しても鎖が破れないことを学習します。すると成長して鎖を簡単に壊せるようになっても、鎖を破れないという思い込みにとらわれてしまい、その行動を起こしません。(負の学習効果。)


経営者に限らず、人は現在までに積み重ねてきた知識・経験により、“固定観念”を持っています
この“固定観念”は、自分でも気づかぬうちに「メンタルブロック」となり、理想的な変化を妨げます

メンタルブロックを取り除くには2つの力が必要です。
メンタルブロックの存在を認知する「自己認識力」
リフレーミングする「自己変革力」

泥水にいくら水を注いでも、飲める水にならない


泥水にいくら水を注いでも、飲み水にはなりません。
浄化力を高め、経営者に必要なマインドを浸透させるための前提を整えていきましょう。

「浄化力」に分類される力

自己認識力
自己変革力

2. マインド力

マインド力とは、「内部要因思考」「多面思考」「対極統合思考」など経営者に必要なマインドを備える力です。

経営は、いくら技術があっても、それだけでは成功することが難しい。
成功した経営者の言葉からも、マインド面の重要性が分かります。

まず熱意を人並以上に持ち続けられるかどうかが、経営者としての必須条件だ。これに知識をかけ算し、経験を足し算せねば真の知恵はわいてこない。

松下幸之助


経営者に必要なマインドは様々ありますが、今回は3つご紹介します。

内部要因思考

人生で起こる全ての事は100%自分の責任」と考える傾向のことです。
内部要因思考の人は、言い訳をせず、失敗を自分の責任と捉え、改善と成長を続けます

逆に、人生で起こることを「自分の責任ではない」と考える傾向のことを、外部要因思考と言います。
外部要因思考の人は、自分の経営が上手くいかないのは「景気が悪いからだ」「社会が悪いからだ」と思ってしまいます。
「自分の責任ではないから、変わる必要がない」と考え、成長できなくなってしまいます。

雪が降っても自分の責任」と思えるくらい、全てを自分の責任として捉えましょう。

多面思考

経営とは何か?」聞かれたら何と答えますか?
・株主利益を最大化すること?
・顧客第一で価値を提供すること?
・社員が幸せに働き成長すること?
どれも経営の一側面を捉えていると言えます。

経営は複数の要素が絡みあって成り立っていますので、一面だけを見て判断するのは危険です
多面的に考え、全体像を体系的に理解することが大切
です。

経営の全体像を捉え、体系的に理解するためには「経営の12分野」がおすすめです。


しかし、人は物事の一面だけを理解して、その全体を理解したと思い込む傾向があります
自分が見ているのは物事の一面にすぎないのかもしれないという視点をもつようにしましょう。

対極統合思考

・「利益」か「社会貢献」か?
・「成長」か「安定」か?
・「優しさ」か「厳しさ」か?
経営者は常に対極的な課題に直面しています

経営者が直面する、対極的な課題


実は、対極に見える課題も、どちらか一方だけを選ばなければいけないわけではありません。
ゼロサム思考から脱却し、対極に見える課題の両面を見て統合していきましょう。

「成功し続ける経営者がもつマインド」について、より詳しく知りたい方は、数千人の社長を見てきて分かった成功し続ける社長がもつ「7つの特徴の無料レポートをご覧ください。

「マインド力」に分類される力

内部要因思考力
多面的思考力
対極統合思考力
素直さ・誠実性
ポジティブ思考力
柔軟性

3. メンテナンス力

メンテナンス力とは、環境変化等による心理面での経営者のコンディションのブレを最小限にし、常に最適なパフォーマンスを発揮できる状態を維持し続ける力です。

経営は「変化こそが常態であると言えます。
過去20年の重大事件を年表にしてみると、「滅多に起きない」と言われるような大きな変化でも5年に1度は起こると思った方が良いことが分かります。

過去20年の重大事件年表


そして、多くの企業は、変化に適応できずに溺れてしまいます

赤字+廃業している会社は87%

激しい変化に直面する経営者は、気づかぬうちに異常なストレス環境に身を置いています
そのため、経営者として常に正しい意思決定をし続けるためには、マインド・環境のメンテナンスを実施する必要があります

人の欲求や環境医学を理解した上で、経営者に必要なレジリエンスを身につけ、常にパフォーマンスの高い状態を維持しましょう。

「メンテナンス力」に分類される力

レジリエンス
環境適応力
環境医学に対する理解力
アンガーマネジメント
感情管理力
欲求管理力
メンタルタフネス
ストレス耐性
ストレスマネジメント

4. 仮説力

最も重要な「経営者の仕事」は何でしょうか?
それは「仮説の立案」です。

なぜなら、経営の失敗は「間違った仮説による、間違った行動の累積」の結果だからです。
どれだけ実行力が高くても、どれだけ優秀な社員がいたとしても、行動の方向性(経営戦略)が間違っていたら、間違った方向に早く到達するだけ。


仮説が間違っていると、社員全員の行動が全てムダになります。そして、間違った仮説を繰り返し、行動のムダを繰り返すと、資源(主にお金)は枯渇し、組織は疲弊していきます。
もし経営者の仮説力が貧弱だと、多くのムダをしてしまい、会社を継続できなくなっていきます。


経営計画・経営戦略の立案も、ビジネスモデルの構築も「仮説力」がベースとなりますから、経営者にとってい「仮説力」は最も重要な力と言えます。

仮説力が弱いと、膨大な無駄の集積に

仮説力とは、未来を予測する力でもあります。
人口動態から、自社の業界の市場規模の推移を予測する。
Sカーブ(普及の理論)から、自社の業界は「導入期、成長期、成熟期、衰退期」どの段階に位置しているのかにより今後の流れを予測する。
未来予測をするための理論やフレームワークを実践で活用できる力が必要です。

仮説力とは、アイデア発想力でもあります。
アイデアは、既存の知識や、経験の組み合わせで生まれるため、学び続けることが重要です。
また、社会で起こる様々な事象の本質を見抜き「事象からの移植」をすることでアイデア発想力が高まります

事象からの移植

「事象からの移植」を実現するには、
① 体系的知識
② 上位概念化

が必要です。

経営の体系的な知識を身に着けるには、「経営の12分野がオススメです。
また、仮説力を高めるための「経営の勉強」について、詳しくは経営の勉強は何からすべきか?」の無料レポートもご覧ください。

「仮説力」に分類される力

先見性
洞察力
直観力
予測力
情報収集力
論理的思考力
問題解決力
計画・立案力
戦略的思考力
創造性
ビジョン構築力
革新力
データ活用力
継続的学習力
物事の本質を見抜く力

5. 実行力

どんなに素晴らしい経営戦略を立案できても、秀逸なビジネスモデルを描けても、
「実行」できなければ意味がありません。

アイデアに価値はない。それを実行できて初めて価値になる。

ラリー・ペイジ(Google共同創設者・元CEO)

実行力は2つの力に分解できます。
「実行力」=「自行力」+「影響力」
経営者自身の「自行力」チームの実行力を高めるための「影響力」です。

特に、中小企業に必要なのは”スピード”ではなく、”アジリティー”
経営資源が豊富な大手企業に、単なる“速さ(スピード)”で勝つことは難しいですが、
組織の規模が小さいからこそ、一歩目の“早さ(アジリティー)”で勝つことは可能です。
早く、大胆に、質の高い意思決定をすることが求められます。

中小企業はスピードではなく、アジリティーで勝負


「行動力」に分類される力

行動力
決断力
意思決定力
始動力
継続力
リーダーシップ
統率力
コミュニケーション能力
環境マネジメント
チームビルディングスキル
交渉力
プレゼンテーションスキル
共感力
コーチングスキル
コンフリクトマネジメント
目標設定力
進捗管理力
組織運営力
プロジェクト管理力
ディレクションスキル

6. 資産化力

一時的な成功で終わる社長と、成功し続ける社長の違いは何でしょうか?
それは「資産化力」です。

仮説を立て、実行した結果を、資産として蓄積させていく力であり、
成功し続ける経営者は「資産化」をし続けています。
なぜなら、「資産化力」はレバレッジを効かせて成果を生み出すスキルでもあるからです。です。

資産化サイクル

上手く機能した方法をマニュアル化しチームに共有すると、経営者ではなくチームメンバーが仕事をしてくれます。
上手く機能した方法を仕組み化しシステムを構築すれば、経営者ではなくシステムが仕事をしてくれます。

行動サイクルの多重化

資産として蓄積させたノウハウを次の仮説立案、実行につなげるサイクルを回していくことで、

仮説と実行の精度も高め、経営の技術力を向上させましょう。

「資産化力」に分類される力

仕組み化力
レバレッジスキル
リソースマネジメント
プロセス改善力
生産性向上力
ナレッジシェアリング力

経営の技術力を向上し、資産化し続けていくために、プレジデントアカデミーもおすすめです。
33,000人の経営者を見て分かった、経営「成功の型」を学ぶことができます。
経営実践型ラーニング・マネジメント・システム(Ac+)を活用して効率的・効果的に経営を学び、実践に活かすことができます。

7. 時間力

「時間」は、限りある経営資源です。
経営が成功するかどうかは、時間の使い方にかかっています。
経営者にとって、重要なことに時間を配分すべきです。

では、経営者にとって重要な時間とは何でしょうか?
それは「経営」をする時間です。
当たり前のことのように聞こえるかもしれません。

しかし、中小企業の経営者は、経営資源の課題を抱えることが多く「経営」ではなく「仕事」をしている時間が長くなりがちです。
自分自身が現場に出て「仕事」をする時間が80%、経営戦略や未来の事業構想を練る時間は20%となっているような経営者も多いのが現状です。

失敗する経営者は“仕事”をし、

成功する経営者は“経営”をする。

浜口隆則(ビジネスバンク代表取締役、創業者)

経営者は「仕事ではなく、経営に」時間を費やすべきです。

経営者は、仕事ではなく経営に時間を費やすべき


時間力を高めるには、時間の「質」を意識すべきです。
経営者は、従業員と異なり自由に時間を使えるため、「量」で何とかしようと思ってしまうこともあります。
「どうやったら時間を増やせるか?」ではなく、
「とうやったら短い時間でできるか?」
という視点を持ちましょう。
生産性を高め「最小限の時間で、最大限の成果を生み出す」“経営者の時間術”を身に着けることが重要です。

石の上にも3年という。
しかし、3年を1年で習得する努力を怠ってはならない。

松下幸之助

また、経営においては、タイミングも重要です。
「時間」というと、“量”と“質”ばかり意識する人が多いですが、“タイミング”を重視しない人は大きな機会損失をしています

時間力「量、質、タイミング」

脳科学の研究から、人の集中できる限度時間や、集中しやすい時間帯には傾向があることが分かっています。
研究結果も参考にしながら、経営者としての時間割を設計していきましょう。

「時間力」に分類される力

タイムマネジメント
タイミングマネジメント
脳科学に対する理解力

8. 資産力

経営者として「資産」があるほど、経営の選択肢が広がり、成功の可能性を高めることができます
経営者自身が、投資術(資産を守り・増やしていく術)を持っていることは、成功し続けるために重要な力です。

経営者は経営資源である「7つの資産」を積み上げていく必要があります。
① 経営力
② 信頼
③ お金
④ チーム
⑤ 取引先
⑥ ビジネスモデル
⑦ 顧客


7つの資産の状態を点数化して資産台帳を作成し、定期的に確認すると良いでしょう。

これらの資産を築いていくためには、「攻め」と「守り」を意識したポートフォリオを作成する必要があります。
「全ての卵を1つのかごに盛るな!」という投資の鉄則を実践しましょう。

全ての卵を一つのカゴに盛るな!


例えば、事業であれば、事業ポートフォリオを組むこと。
(ビジネスバンクでは下記のようなポートフォリオを設計していました。)

ビジネスポートフォリオ


例えば、経営者の運用投資なら、20%の勉強投資と、80%の安定投資でポートフォリオを組むこと。

【安定投資】
・プライベートバンクの世界分散投資
・インデックスファンド
・配当性向の高い安定企業の株式
・中間所得層が伸びる国の株式
など

【勉強投資】
・ベンチャー企業などへの投資
・国内株式で仮説と検証を行う
・IPO株式
・海外投資
など

勉強投資20%、安全投資80%

また、経営においては「攻め」が着目されることが多いですが、生き残り続けるためには「守り」が重要です
生き残る会社をつくるための「守りの経営」を実現するには、「備」「散」「流」を意識した経営をしましょう

守りの経営」について、詳しくは下記のレポートをご覧ください。


自社の資産効率は?」と聞かれたら、答えられるでしょうか?

成功する経営者はP/L思考
成功し続ける経営者はB/S思考
です。

BS思考 vs PL思考


成功し続ける経営者になるために、P/L思考からB/S思考に転換し、
経営効率を考え、ROXを高める経営へと進化させていきましょう。

ROX


経営者は、投資家としての視点を持つべきです。
投資家としての力量が、経営者としての継続的な成功に大きく関わっているから
です。

自らが投じたリソースがどのようなリワードを生み出すのか?
その期待値を見積り、期待値の高い投資先に投資し続けることで、資産を構築していきましょう。

「資産力」に分類される力

投資判断力
リスクマネジメント力
財務会計に対する理解力
資産管理力
金融リテラシー

9. 健康力

どんなに優秀な経営者でも、「健康」でなければ、経営を続けることはできません。
成功し続けるための前提条件は「健康」であること。

しかし、私たちは健康な状態に慣れてしまうと、それが当たり前だと勘違いして、健康管理を疎かにしてしまいがちです。
忙しい経営者は、自分の健康を削ってまでも、経営成果を生み出そうとすることもあります。
短期的な視点で考えると、正しいかもしれません。

しかし、長期的な視点で考えると、大きなリスクになります。
健康でなくなった途端に、今まで当たり前のように実行できたことが、全くできなくなることも。
経営どころではない状態に陥る可能性もあります。

経営者として健康を維持するために、特に意識するべきは下記3点です。
運動
睡眠
食事


健康を維持する上で、「運動、睡眠、食事」を十分に管理・実行できているでしょうか?
忙しさを理由に、健康を疎かにしていないでしょうか?

経営に限らず、実現したいことのほとんどは、健康であることが前提となっているはずです。
経営者のスキルとして「健康力」が紹介されることは少ないですが、経営者として成功し続けるためには必須のスキルとして意識しましょう。

「健康力」に分類される力

健康管理力(運動・睡眠・食事)
自己統制力

10. 俯瞰・統合力

経営者には「虫の目」と「鳥の目」どちらも必要です

「虫の目」:詳細な部分に焦点を当てる視点。地面に近い位置から物事を細かく観察する虫のように、具体的な状況や問題を深く理解する。
「鳥の目」:全体を俯瞰して見る視点。高い位置から見る鳥のように、広い範囲を一望することで、全体像や戦略的な視野を持つ。

経営者に必要な視点の1つが「部分最適」ではなく「全体最適」です。
そして、全体最適に必須なのが「俯瞰力です。

また、経営者に必要な各スキルは、相互に関連し合っています
これらを統合しながら、経営の実践に活かしていく「統合力が求められます。

経営者に必要な各スキルを「俯瞰」して捉え「統合」することで、経営者の役割(全体最適の経営実践)を果たすことができます

社長力の10分野 全体像

自らの経営力を定期的に採点し、高め続けていくことで「継続的な成功」を実現しましょう。

「俯瞰・統合力」に分類される力

抽象化力
俯瞰力
全体最適化力
シナジー思考

3. 経営者に必要な10のスキルを身に着ける方法

経営者に必要なスキルとして、経営者のスキルとして一般的に紹介されている力と、今回ご紹介した10のスキルとの対応関係は下記の通りです。

浄化力 マインド力 メンテナンス力 仮説力 実行力 資産化力 時間力 資産力 健康力 俯瞰・統合力
一般的に良く紹介される「経営者に必要なスキル」 自己認識力
自己変革力
内部要因思考力
多面的思考力
対極統合思考力
素直さ・誠実性
ポジティブ思考力
柔軟性
レジリエンス
環境適応力
環境医学に対する理解力
アンガーマネジメント
感情管理力
欲求管理力
メンタルタフネス
ストレス耐性
ストレスマネジメント
先見性
洞察力
直観力
予測力
情報収集力
論理的思考力
問題解決力
計画・立案力
戦略的思考力
創造性
ビジョン構築力
革新力
データ活用力
継続的学習力
物事の本質を見抜く力
行動力
決断力
意思決定力
始動力
継続力
リーダーシップ
統率力
コミュニケーション能力
環境マネジメント
チームビルディングスキル
交渉力
プレゼンテーションスキル
共感力
コーチングスキル
コンフリクトマネジメント
目標設定力
進捗管理力
組織運営力
プロジェクト管理力
ディレクションスキル
仕組み化力
レバレッジスキル
リソースマネジメント
プロセス改善力
生産性向上力
ナレッジシェアリング力
タイムマネジメント
タイミングマネジメント
脳科学に対する理解力
投資判断力
リスクマネジメント力
財務会計に対する理解力
資産管理力
金融リテラシー
健康管理力(運動・睡眠・食事)
自己統制力
抽象化力
俯瞰力
全体最適化力
シナジー思考



社長力の10分野」講座は、経営者として「成功し続ける」ために必要な力を、実践的に身に着けるプログラムです


会社経営において「一時的な成功」は、突出した1つのスキルで実現できることもあります。
しかし「継続的な成功」は、経営者としての“総合力”が必要です。


「社長力の10分野」で経営者に必要なスキルを網羅的に身に着け、会社経営を「継続的な成功」へ導きましょう。

浜口隆則

監修 / 浜口隆則

株式会社ビジネスバンク 代表取締役社長