褒めて育てる vs 叱って育てる | |
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投稿日: 2014/5/7 | カテゴリー: マネジメント |
褒めて育てる? 叱って育てる?
人を育てる上で、よく耳にする会話です。
もちろん、育てる方の性格やタイプもありますので、
ケースバイケースで使い分ける必要もあるでしょう。
また、褒めることと叱ることの両方がないと
育たない場合もあるでしょう。
私自身も長年、試行錯誤を繰り返していますが、
未だに最終結論は出せていません。
ただ、ひとつ腑に落ちたことがありました。
それは、『対象はプロセス』です。
「プロセス」に焦点を当てる
褒める場合も叱る場合も、
その対象は成果そのものではなく、
そのプロセスであるということです。
父親が子供を褒めるとき、
「今回のテスト結果は、日々、繰り返し計算ドリルを
頑張ってきた成果だね。
辛い日もあっただろうに、諦めずによく頑張り続けたね!
やっぱり、日々の努力は大事だよね。」
というのは、良い例です。
以前の私は、
「85点は凄いね!次は、90点を目指して頑張ろうね!」と
結果だけを評価して、その結果にたどり着くまでの
プロセスは置き去りにしていました。
(もっとも、努力することや頑張ることを大前提としていれば別ですが)
しかし、この結果重視の評価は、
トライする側もさらに高得点を目指さないといけないと思い込み、
結果ばかりを考え過ぎて、最終的には取り組む姿勢が億劫になりがちです。
結果が出た時にこそ、そのプロセスを評価することで、
頑張った過程に価値があることを実感し、
さらに努力を継続しようとします。
褒める対象は「努力したプロセス」にすべきなのです。
「叱るべきとき」もプロセスで判断する
逆に、叱る場合は、プロセスの努力を怠った時です。
時には、偶然の成果もあります。
仮に、結果的には高得点だったとしても
プロセスを怠けていた時は、叱る必要性があります。
もちろん、努力の基準は人それぞれなので、
その人の力からして、もっと頑張れると思った基準を見極めて
叱ることも大切だと思います。
人を育成する上で、最も重要なこと
人を採用し育成することに悩まれている経営者は多くいます。
本来、人を育てる上で最も重要なことは、
そのメンバーに対する『愛情』です。
褒めて育てる、叱って育てるは、
育成の一つの手段でしかありません。
愛情が無ければ、
「人を育てる上で、どちらが良いか」という
論争は無意味であることに、気付きました。
愛情の反対は、無関心です。
経営は、人の、人による、人のための活動でもあります。
だからこそ、経営者はメンバーに関心を持ち続けないといけません。
仕事は成果評価になりがちであり、
また、仕事の上では、成果(結果)は追求される場面も多いです。
しかしながら、成果評価だけでは、
愛情は全く感じられません。
だからこそ、人を育てるには、成果だけではなく、
その成果に至ったプロセスまで関心を持ちましょう。
そして、頑張ったプロセスを承認してあげる愛情こそが、
人を育て続ける上では重要ではないでしょうか。
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阪東 浩二(Koji Bando)について
株式会社ビジネスバンクグループ専務取締役。3千社以上の起業相談を受けてきた実績から「起業支援の専門家」と呼ばれる。複数の会社の社外取締役、監査役も務める。実体験から生み出された、営業ノウハウと経営スタイルが起業コンサルタントとして支持されている。