なぜ、起業家がプレゼンテーションで目指すのは “ルークスカイウォーカー”ではなく“ヨーダ”なのか? |
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投稿日: 2014/5/1 | カテゴリー: 営業力 |
起業家とプレゼンテーション
プレゼンテーションと聞いて、何を思い浮かべますか?
Appleの元CEOスティーブ・ジョブス氏が
iPhoneを発表したときのプレゼンテーションでしょうか?
それとも、TwitterのCEOディック・コストロ氏が
ミシガン大学で行った卒業スピーチでしょうか?
はたまた、マーティン・ルーサー・キング氏の
かの有名な演説でしょうか?
起業家には日々、「伝える」場面が訪れます。
◯ 投資家から資金を調達する
◯ お客さんに商品の魅力を伝える
◯ 協力してくれる仲間を集める
etc ...
プレゼンテーション技術は、
現代の起業家にとって、欠かすことの出来ないものです。
それにもかかわらず、あまり知られていない事実があります。
それは、失敗に終わるプレゼンテーションには、
「ある共通する要因がある」ということです。
プレゼンテーションが失敗に終わる、一番の要因
Nancy Duarte氏と、彼女の会社「Duarte」は
23年間で25万件を超えるプレゼンを手がけてきました。
(アル・ゴア氏の「不都合な真実」や「TED」、
「PopTech」といったカンファレンスも手がけています)
圧倒的な数のプレゼンテーションを行う中で、彼女が気づいたことが
「多くの失敗には共通する要因がある」ということ。
いったい、どんな要因でしょうか?
それは、「観客に十分な共感を持っていないこと」です。
プレゼンテーションの発表者はついつい、
「発表者目線」で情報を伝えてしまう傾向があります。
そのような発表で伝わるのは
「顧客が受け取りたい情報」ではなく
「発表者が伝えたいこと」。
聞いている方は、これでは退屈してしまいます。
私たち発表者はもっと、「観客が聴きたいこと」について
多くの時間を投下して考えなければならないのです。
起業家にとって、プレゼンテーションの「成功」とは?
私たちにとって、プレゼンテーションの成功とは、
どんな状態になることでしょうか?
それは「観客がアイデアに共感する」こと。
アイデアを理解し、広範囲に、遠くまで広げていくのは、
「あなた」ではなく、あくまでも「観客」です。
観客が、あなたのアイデアを「理解」し、
「共感」し、「誰かに伝えたい!」と思わない限り、
そのアイデアは死んでしまいます。
だから、私たちは
「観客が聴きたいことは何か?」について
長い時間をかけて、考える必要があるのです。
Nancy Duarte氏はTEDトークの中で
このことについて、非常にわかりやすい喩えを用いて表現しています。
ルーク・スカイウォーカーではなく、ヨーダであれ
Nancy Duarte氏はTEDトークの中で、
こんな喩え話をしています。
神話や映画には魅力的なヒーローが登場します。
彼らは行く手を阻む障害に出会い、それを乗り越え、成長していきます。
映画『スターウォーズ』の主人公ルーク・スカイウォーカーも、そんな1人です。
ただ、注意しなければならないのが
「ステージに上がるあなたは、ルークではない」
ということです。
発表者はステージに上がるとつい、
「まるで自分がヒーローであるかのように」振る舞います。
それは、無意識のうちに
「あなたのためになる情報を教えて“あげる”」
「これを知ったらきっと、あなた方は私を崇拝するだろう」
というような「傲慢な」メッセージを観客に伝えてしまいます。
むしろ、発表者が目指すべきなのは、ヨーダ。
ヨーダのようなメンターは、
寄り添い、助言をし、時には魔法の道具をつかって、
ヒーローを目的地へと導いていきます。
発表者にはそのような「謙虚な」態度が必要です。
私たちが考えなければならない、たった1つのこと
私たちは、アイデアを伝えるために、
観客に寄り添わなければなりません。
良いプレゼンテーションをするために必要なことは、
次の1点を、ひたすらに考えることです。
「プレゼンテーションを聴き終わったときに、観客にどう変わって欲しいのか?」
プレゼンテーションの内容は「全て」、
この変化のためだけにあるべきです。
そのためには、次のようなことを考えなければなりません。
◯「誰に」話すのか?
◯ コアメッセージは何か?
◯ どうやったら、わかりやすくなるか?
◯ シンプルか?
◯ 感情に訴えかけているか?
ヒーローではなく、メンターとして、
観客のことを深く考え、寄り添う。
その先にだけ、
心を震わせるようなものが、生まれるのだと思います。
プレゼンテーションの機会が多い
起業家、経営者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
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黄塚 森(Shin Kozuka)について
「起業の学校」アントレプレナーアカデミー全体統括。社内外を問わずwebを中心としたマーケティングに携わる。読者1万5,000人のメルマガを執筆する他、記事作成などコンテンツ製作を得意とする。経営者向けセミナーの企画・運営も行っている。