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阪東浩二の起業のすすめ

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覚悟の決め方

「えいやー!」

迷いから脱する時、決断する時、気合を入れる時など様々ですが、一歩前進するために発する心の叫び声があります。

私は、人生の岐路での決断には、そのような心の叫び声と共に覚悟を決めてきました。

ある一線を超える時には、大きな決意が必要です。特に、初めてチャレンジすることには勇気が必要です。100%確実性があり間違いが無い選択は、人生においてはあり得ません。
つまり、迷いの部分を立ち切る勇気と不安に対して立ち向かう情熱が必要です。

一方で、時にはその岐路の重要さに気付かず、そして深くも考えずに、勢いだけで決断したこともあります。逆に、超えてしまえば大した壁では無かったのに、深く考え過ぎて行動するまでに時間が掛かったこともあります。



「覚悟を決めること」とは「諦めること」

ある意味、私は覚悟を決めるということは、捨てる事やあきらめる事でもあると思います。他の色々な可能性に対する希望や未練が消えた時に、気持ちが据わり、覚悟が決まるものだとも思います。リスクやバランスを考え過ぎてもいけません。『あとは野となれ山となれ。えいやー!』の精神も、一歩目を踏み出すには必要な時もあります。

元横綱の朝青龍は14才で「相撲取りになる」と覚悟を決め、太りはじめたそうです。
大リーガーのイチローも小学校の文集に「毎日練習を続けてプロになる」と周囲にも宣言しています。
他にも偉業を成された方々は、早い段階でやる覚悟を決めて、その為の努力を継続しています。覚悟を決めると行動が伴いますので、当然ながら物事を成し遂げる確率も高まります。そして、不思議と覚悟を決めている人は、周囲からも応援されるようになります。誰だって頑張っている人を応援したいものです。

吉田松陰は、決意した志のためには、死も辞さない覚悟をなさっていました。だからこそ、肉体の死を恐れずに過激な行動が出来たのでしょう。本当の覚悟とは、死も意識するぐらいの志が無くてはならないかもしれません。



何かを始めてから、決まる覚悟もある

しかしながら、覚悟を決めてから何かをやるのではなく、何かを始めてから引くに引けなくなり覚悟が定まることもあります。私は、ろくに英語も話せないまま留学を決意しました。最後はもう「何とかなるさ」の勢いで覚悟と言うか、踏ん切りを決めて出国しました。出国してしまえば引くに引けないところもあり、続けられたのかもしれません。ただ「絶対に卒業するまで日本には戻らないと覚悟したこと」が、留学期間中もずっと張りつめた緊張の糸のように、どこかで支えになっていたのは間違いありませんでした。

女性が子供を産み育てる姿を見ていて「どの方も立派な母親になるものだな」と感心したことがあります。生まれてきた赤ん坊の顔を見て、母親としての覚悟を決めた方、育てる過程で母親としての自覚が芽生えた方もいらっしゃると思います。



覚悟と自覚

『覚悟と自覚』、それは、母親も起業家も同じかも知れません。起業家として大成を誓った覚悟で起業される人もいますし、起業後、日々の実践の積み重ねの中で、徐々に経営者としての自覚が芽生えた方もいます。
私自身も年を積み重ねるごとに、自覚の数は増えてきました。
起業家支援のプロとしての自覚、経営者としての自覚、No.2としての自覚、父親としての自覚など、自覚が増えれば、行動内容も範囲も変わり成長するものです。自覚は、字のごとく、人から与えられるものではなく自ら主体的に持つものだと思います。

 「覚悟を決めてから行動する方」「行動しながら自覚を積み重ねられる方」など其々のタイプでもありますし、状況によっては使い分けている方も居るかと思います。
私の起業時は、今思えば起業する覚悟はありましたが、経営者としての自覚に欠けていたと思います。意気揚々と起業してみたものの、設立後の数年間は、実際はかなり苦しい時期が続きました。

そんなある日、ある経営者からこんな言葉を教わりました。



人生を変えた言葉

「何が何でも千日頑張りなさい。千日続けることだけを考えて、目の前の仕事を一生懸命にやりなさい!」藁にも縋る思いで、千日続けることだけを考え、がむしゃらに働きました。
すると、いつしか仕事が順調に伸び出しました。

後から気付いたのは、物事を上達させるためには、ある一定量が絶対に必要であるということ。1000日とは約3年です。昔から、「石の上にも三年」と言いますが、物事は大体3年もすれば身につくものです。だから、物事を始める時には、何があっても最低3年間は諦めずに、続ける覚悟をしなければなりません。

その教えを伺ってからは、千日までは辞める選択肢や迷いなどの邪念を全て捨てられました。その結果、本当の覚悟が定まり、日々の行動から自覚が芽生えたのだと思います。逆に、覚悟を決めたことでラクにもなれましたし、取り組んだ事は全く違った結果にもなりました。

この仕事を通じて私は、起業を迷われている方々の背中をそっと押してきました。相談を受けた数年後には、「あの時に、阪東さんに背中を押して頂いたことが全ての始まりでした。今があるのは、あの時のお陰です!」と、16年以上も起業支援業を行っているとこのような仕事冥利なお話しを頂くことが増えてきました。

人は、岐路に立たされて迷いが生じると、誰かに同意を求めたくもなります。覚悟を決める前には、リスクに対する不安との葛藤がありますので、その迷いを捨て覚悟を決めるためにも、時には、そっと背中を押してあげることも必要な役割だと自覚するようになりました。

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阪東 浩二(Koji Bando)について
阪東浩二株式会社ビジネスバンクグループ専務取締役。3千社以上の起業相談を受けてきた実績から「起業支援の専門家」と呼ばれる。複数の会社の社外取締役、監査役も務める。実体験から生み出された、営業ノウハウと経営スタイルが起業コンサルタントとして支持されている。

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