この記事でわかること
・目標達成するために重要なステップを具体的に解説
・目標には、期日目標、定量目標、状態目標、感情目標がある
・ビジョン、目的、現状が分かると、課題が見えてくる
会社では着実に目標を達成していくことが求められます。しかし様々な考え方・バックグラウンドを持つ人々が集まる会社では、1つの目標を全員が同じモチベーションで達成するのは不可能。
目標を確実に達成するための具体的なステップはどんなものなのでしょうか?今回も組織マネジメントの専門家・嶋津良智先生から学んでいきましょう(記事のアーカイブはこちら)。
登場人物プロフィール
【インタビュアー】MEGUMI
とある女性向けのサービスを行なっている経営者。それなりの社員を抱える規模でビジネスをしているが、組織の人間関係のトラブルや、離職率の上昇など、組織マネジメントにはまだまだ課題のある状況。
今まで感覚的に行なっていたけれど、改めて、しっかりと学んだ方がいいのかも…と考えていた矢先に、この記事の企画をいただき、インタビュアーとして参加させていただきながら、組織マネジメントを学ばせていただくことになりました。
【専門家】嶋津良智先生
日本唯一の『上司学』コンサルタント。『あなたのもとで働けてよかった』をすべてのリーダーへ」を理念に、中小企業のための、人づくり、組織づくりに特化をした、スクール形式では日本一のビジネススクール『リーダーズアカデミー』を経営。
- 一般社団法人日本リーダーズ学会 代表理事
- リーダーズアカデミー 学長
- 早稲田大学エクステンションセンター講師
- 他、経歴・著書多数
本日もよろしくお願いします!
よろしくお願いいたします。
目標達成するための方法、具体的なステップとは?
今回は、「目標達成」するための具体的なステップについて伺っていきたいと思います。
簡単なようで難しいテーマですよね。
目標達成プロセスの一般論
そうなんです!組織づくりで課題になりやすいテーマだと思います。まず、ネットで調べてみると、目標達成をするためには以下の3つのプロセスが重要だと出てきました。
1. 目標設定を行う
無理なく達成できるか、本当に達成しなければならない目標かを見極め、達成したメリットを明確にすること。
2.行動を継続する
あらゆるリソースを活用して、行動し続けること。その時、行動を妨げるような障害が起こっても、立ち止まらないこと。
3.常に行動を振り返ること
障害を洗い出し、解決策を行動へとフィードバックすることで、目標の実現に近づくことができる。週に1回程度は、振り返りを行った方が良い。
確かに、目標達成をするためには、目標を決めて継続し続けるしかないとは私も思うのですが、ちょっと根性論的に聞こえるというか…それができるなら、やれているよと思うわけです。
特に、会社は経営者だけでなく社員の働きも加わることなので、コントロールはより難しくなるなと感じます。
目標達成に必要なプロセスは、正解のないテーマでもありますね。その会社にあったやり方とか、個人ベースで言ったらそれぞれのタイプによって、どういうプロセスを踏んだ方がいいのかも違ったところがあると思うので。
そうですよね。嶋津さんは、ビジネスにおいて目標達成までの方法や、具体的なステップをどう考えたら良いかと聞かれた時、どのようにお答えしていますか?
目標達成に必要な7つのステップ
僕は目標達成のためには、7つのステップがあるとお伝えしています。
①ビジョンの明確化
②目的の明確化
③現状分析
④課題の明確化
⑤アクションプランの策定
⑥具体的な行動計画を立て、実行する
⑦検証方法の擦り合わせ
たくさんありますね!1つ1つ解説をお願いしても良いでしょうか?
1. ビジョンの明確化
まずは、ビジョンの明確化です。要するに、“ありたい理想の姿を明確にする”ということ。世間で言う大目標みたいなものですね。いつまでにどういう姿でありたいのか、その姿を明確にします。
大目標…というと、普通の目標とは違うということでしょうか?
僕は目標設定には4つあると思っています。1つはいつまでにやるか、期日目標。2つ目は定量目標。3つ目は状態目標と言われる、その定量目標を成し遂げた時に、どういう状態を作り上げているのが理想なのかということですね。で、4つ目が感情目標。その理想の状態を作り上げたときに、チームだったらチームのメンバー、自分だったら自分が、どういう感情を抱いているのが理想なのかという目標。この4つの内容を網羅して、僕はビジョンという言い方をしています。
なるほど…。目標設定と言うと会社では期日目標や定量目標が議題に挙がりがちですが、状態や感情まで考えておく必要があるのですね。
2. 目的の明確化
理想のあるべき姿を明確にしたら、次に目的を明確にします。目的というのは、何のために何故それをやり遂げる必要性があるのか、ということです。
目的を理解せずに、ただ上司から言われたからやる…という社員も多いですよね。
目標達成を行う本人がそれに対して行動を起こす理由を明らかにしておくと、当事者意識を持って行動してくれます。
社員が自主的に動いてくれない理由はそこにあったんですね…。
3. 現状分析
ビジョンと目的を明確にしたら、今度は今がどういう状態なのか、を明確にします。
なるほど。
定量目標に対して、今定量はどういう状況なのか。状態目標に対して、今どういう状態なのか。感情目標に対して、じゃあ今どういう感情なのか。先ほどお伝えした期日・定量・状態・感情という4つのビジョンに対して、現状がどうなのかを明らかにしていきます。
4. 課題の明確化
ビジョンと現状が分かると、その間にあるGAPが見えてきますね。
そうです。現状から理想のビジョンに到達するためには、何をクリアしていかなければいけないのか。それが課題の明確化、4つ目のステップです。
目標達成のための道筋が出来てきましたね!
5. アクションプランの策定
課題が明確になれば、何をしていくべきなのか、アクションプランが見えてきますね。
ここでやっとアクションプランを立てるわけですね!いつもいかに前段階を飛ばしてアクションプランを立てていたか、よくわかりました…。
6. 具体的な行動計画を立て、実行する
アクションプランが策定できれば、いつまでに・誰が・何をするのかを具体的な計画にして、落とし込んでいきます。いわゆる実行フェーズですね。
7. 検証方法の擦り合わせ
実行したら目標達成するのでは?まだステップがあるのですか?
7つ目のステップは、進捗をどう把握し、検証していくか。検証方法の擦り合わせです。
最初に検証方法を決めておかないと、達成したのかあやふやになってしまいますもんね。
目標までの準備が、行動を起こす浮力を強める
先生のお話を聞くと、目標達成には実行までの準備段階がとても重要なように感じました。
そうですね、準備8割本番2割と言われるように、準備は大切だと思っています。そうは言っても、どんなに素晴らしいビジョンを掲げたところで、それに対する行動が伴わなかったら、もちろん意味のないものになってしまう。より行動を起こす浮力を強めるために、“これだったら自分にもできる”と思えるように、しっかりした準備をすることはとても大切だと思っています。
この章のポイント
・目標達成には、「ビジョンの明確化/目的の明確化/現状分析/課題の明確化/アクションプランの策定/具体的な行動計画を立て、実行する/検証方法の擦り合わせ」の7つのステップが必要
・行動を起こしやすいように、しっかりとした準備が必要
嶋津式の組織マネジメントをもっと学びたい方へ
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