松竹梅商法 〜真ん中の法則〜 | |
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投稿日: 2014/1/20 | カテゴリー: 営業力 |
いつもどれを選んでいますか?
『松竹梅』と聞いてイメージされるのは日本酒?
いやいやお寿司のメニューでしょうか?
ここで、質問です。
あなたは、次の三種類のにぎりコースがあるといつもどれを選んでいますか?
- 松(特上にぎり): 2800円
- 竹(上にぎり): 1800円
- 梅(並にぎり): 1000円
十数年前のあるCMに、
家族でお寿司の出前をとるシーンがあり、
頑固なお年寄りが「松は贅沢だ!竹にしなさい。」
と嫁に指示していたフレーズにもありましたが、
実は、三種類あるとほとんどの方は、真ん中の竹コースを選ぶのです。
もちろん、彼女とのデートでは、
見栄で一番高い松をオーダーする場合もあるでしょうが、
日本人は「丁度あいだの中レベル」に落ち着く傾向がります。
『松竹梅商法』のポイント
お寿司に限らず、鰻重(うなじゅう)にも特上・上・並、
そして、牛丼にも特盛・大盛・並の3コースがありますよね。
叙々苑のランチも3パターン、上焼肉ランチ、焼肉ランチ、サービスランチ。
儲かる仕組み的に、この松竹梅商法を考えてみると、
一番売りたいメイン商品の前後にそれぞれ松と梅の商品を作ればよいのです。
もちろんメイン商品竹に粗利率を高く設定することがポイントになります。
※ 松が高ければ高いほど竹に値ごろ感がでます。
※ 梅が安い分、竹にバリューを感じます。
そうです、人間の心理をよんだ3ランク、
それが『松竹梅商法』です。
三種類あるとついつい真ん中を選びたくなるのです。
凄く単純ではありますが、
実は、江戸時代から使われていた商法なのです。
華僑でも『上・中・下』商法はよく使われています。
誰だって下は、避けたいですよね。
しかし、いつも上とはいかないし、やっぱり、真ん中に集るのです。
“4種類”でも“2種類”でもなく、“3種類”
決して、選択肢を4種類にしてはいけません。
お客さんが迷ってしまうからです。
(どれを選んでも後悔します)
また、2種類もよくありません。
値ごろ感やバリュー感が得られないからです。
(満足感が得られません)
逆に、2種や4種よりは、むしろ1種類の方がよいのです。
例えば、行列のできるラーメン屋は、
一品のみの取り扱いというところもあります。
自信があるので一品での勝負という感じでしょうか。
例えば、吉野家の竹こと『大盛』だって粗利率が一番高く、
儲けどころ商品ですよね。
だって肉の量は変わらずに、ご飯だけが多いのですからね。
一時、牛丼の並が280円になったときも
大盛はそれほど安くなりませんでした。
280円の安さを前面に集客し、
店内に入ると結局、値引率の少ない大盛を食べた方が多く居たと思います。
集客としての“梅”
ちなみに、これと似ているのがマクドナルドの商法です。
100円のハンバーガーの安さで集客し、
気付けば粗利率の高いポテトやドリンク付のセットをオーダーしてしまう。
結局は以前と同じ料金を払っている人が多いのです。
そうです、そこには集客としての梅が存在するのです。
つまり、吉野家もマックもお店の前は、梅(えさ)の価格を大々的に掲げています。
しかし、一歩店内に入ると梅のPRは殆どなく、
竹の値ごろ感と価値を感じさせられるポップに換わっているのです。
“松”の存在感
集客としては、梅を用いて、
そして、次に松の存在感がポイントになります。
懐石料理でも松と竹では、値段的にかなり差があるのですが、
実際コース内容をよく見ると
一、二品多いだけで殆ど内容が変わらないことがよくあります。
それだったら竹の方が断然お得に思うのです。
お店としては、もともと戦略的に竹を選んでもらればよい訳ですから。
高級焼肉店では、なんと特選カルビ4000円、
しかし、この松があるからこそ竹としての上カルビ2600円が売れていきます。
(単体で上カルビだけをみればとても高く感じますよ)
そうなのです、松の存在により、竹にさらなる付加価値を感じさせられるのです。
大切なのは【儲かる仕組み】作り
意図的に竹を販売する為には、松と梅の役割分担がポイントとなります。
小手先の手法のようですが、私たちが消費者の時は、
ついつい竹を買っているのです。
ポイントを押さえることにより意図的に物は売れるのです。
みなさんの竹(メイン商品)の前後には、
松と梅が意図的に配置されていますか?
そうです、大切なのは売り方【儲かる仕組み】作りなのです。
消費者として物を買う時の感情には、
大切な儲かるヒントが隠されています。
みなさんが、物を買うときの最後の決め手は、何でしょうか?
何をもとに商品選択をするのでしょうか?
今回は、人の心理が不変であることも兼ねて、
9年以上前の文章(*1)を抜粋しました。
ただ、それぞれの料金が変わっていたらご了承下さい。
それでもこの商法自体は続いていますし、
ましてや最新のIT商品であろうと売り方は基本的に同じです。
それは人の心理もそう簡単に変わらないからですね。
(*1)こちらの記事は、ビジネスバンクグループ瓦版『阪東専務の儲かる仕組み』
2004年4月号(vol.10)に掲載しました『松竹梅商法』より抜粋したものです。
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阪東 浩二(Koji Bando)について
株式会社ビジネスバンクグループ専務取締役。3千社以上の起業相談を受けてきた実績から「起業支援の専門家」と呼ばれる。複数の会社の社外取締役、監査役も務める。実体験から生み出された、営業ノウハウと経営スタイルが起業コンサルタントとして支持されている。