意外と知られていない、現物出資のハ-ドル :設立時バージョン | |
|
|
投稿日: 2013/10/02 | カテゴリー: 会社設立 |
現物出資の手続きを時短する方法
現物出資を行うためには、原則として「裁判所が選任する検査役」に、
「対象となる目的財産の価格」を調査してもらう必要があります。
(ただし、弁護士・公認会計士などの専門家に調査をしてもらい、
「価格が相当である旨の証明」を受ける場合は「検査役の選任」は必要ありません)
この調査は手続きが面倒な上に、時間もかかります。
(弁護士などの専門家に調査を依頼する場合は「費用」もかかります)
でも実は、この検査役を「選任しなくてもよい」条件があるんです!
その条件とは「現物出資の総額が500万円以下」というもの。
以前はこの「500万円以下」に加え、
「資本金の5分の1以下」である必要がありました。
しかし「会社法」の施行に伴い「最低資本金制度」が撤廃されたことから、
この「資本金の5分の1以下」という条件が撤廃されたのです。
(そうでないと、もし資本金が10万円の場合
現物出資できる額は2万円ということになってしまいます。)
現在は「現物出資の総額」が「500万円以下」であれば、
取締役の自己責任で、現物出資を行う事ができます。
ただし、現物出資にはいくつかの注意点があります。
現物出資の注意点
ポイント①:設立時の現物出資者は「発起人」に限られます
会社を設立した後、増資にともなって現物出資を行う場合は、
個人、法人を問わず誰でも出資できますが、
設立時の場合は「発起人」しか現物出資ができません。
ポイント②:設立時に現物出資をする場合は、定款への記載が必要です
設立時に現物出資を行う場合、
定款に「現物出資をする者の名前、対象となる財産とその価格、
現物出資に対して与える株式数」を書く必要があります。
ポイント③:目的財産には、適正な価格をつけましょう
現物出資をする目的物には、適正な時価をつけましょう。
目的物の「実際の価格」が「出資額」に満たない場合、出資者や取締役が
足りない部分を補填する義務が発生します。
財産価格の調査について過失が無いことを証明しない限り、
この義務は発生しますので注意してください。
ポイント④:会社設立または増資の登記までに、財産引継書を作成しましょう
実際の登記までに、目的物を個人から会社に譲ったことを示す
「財産引継書」を作成する必要があります。
これは2部作成し、1部は会社保管用、もう1部は
取締役が作成する調査報告書に添付します。
なお、実際の所有権の変更(不動産の所有権移転登記、車の名義変更など)は、
設立または増資の登記が完了してからでも構いません。
コメントを投稿する
「エンジェルと起業家〜個人投資家は”何”に投資するのか〜」に対するコメントをどうぞ!