ウェアラブル・デバイスで、世界はこう変わる〜Oculus Riftの場合〜 | |
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投稿日: 2014/4/17 | カテゴリー: トレンド・最新情報 |
2014年は、どんな年になる?
2013年はスマートフォンが広く普及した年でした。
普及率は2013年11月時点で55.2%
(博報堂DYグループ・スマートデバイス・ビジネスセンター調べ)という
調査結果が出ています。
地域によって保有率に大きな差がないことから、
国内において普及が進んでいることがわかります。
それでは2014年はどんな年になるでしょうか?
様々な場所で耳にするのが「ウェアラブル」というキーワード。
眼鏡型の「グーグルグラス」や、腕時計型の「ギャラクシー ギア」、
指輪型の「RING」などの登場によって、
ウェアラブル・デバイスの市場が盛り上がりを見せています。
今回はその中でも、Facebookが買収を発表し
大きな注目を浴びた「Oculus Rift」の持つ、
底なしの可能性を見ていきましょう。
Oculus Riftとは?
Oculus Riftとはバーチャルリアリティ・ゲームでの使用を
目的として開発されたヘッドマウントディスプレイのこと。
ゴーグルのように、頭にセットして使うデバイスで、
目の前の画面に、映像が映し出されます。
付属のセンサーが感知した頭の動きに合わせて
映像を投影するため、まるでバーチャル空間の中に
自分が入り込んだかのような感覚を味わえるのが特徴です。
製造元のOculus VR, Inc.はパーマー・ラッキー氏と
Scaleform社の共同設立者によって設立されたベンチャー企業。
開発にあたって、クラウドファンディングサイト「Kickstarter」で
資金を募集し、目標額25万ドルをはるかに上回る
240万ドルの調達に成功したことで、最初の注目を集めました。
Oculus Riftは、もともとゲーム用に開発されたものなのですが、
このデバイスには、もっともっと大きな可能性があると、私は感じています。
それは「ゲーム」という1つの分野を超えた、
様々な業界での応用です。
例えば、医療業界での活用が考えられます。
医療業界と手術の経験
「手術の腕前」は、外科医にとって、
大きな評価項目のひとつです。
手術の腕前はこなした手術の回数に比例して、
向上していきます。
そうなると、必然的に起こるのが、
「手術をこなす回数の二極化」。
経験抱負な医者に手術が集中し、
未熟な医者は、手術を経験する機械が
減っていくことが想像できます。
Oculus Riftが、そんな状況を変えるかもしれません。
Oculus Riftが実現する、極めてリアルな「擬似」手術
別の分野で研究が進んでいるものに
「触覚のフィードバック」というものがあります。
これは、文字通り「触ったときの感覚」を
デジタル情報として記録し、再現するための研究。
「Oculus Rift」と「触覚のフィードバック」、
この2つに加えて「3Dプリンタで作成した患者の臓器」を用いると、
極めてリアルな「擬似」手術が実現されます。
人型を模した人形の中に、3Dプリンタで作成した
臓器を並べていく。
そして、Oculus Riftで各臓器に
体内の生々しい映像を投影する。
メスの動きや、切り口の深さに反応して、
目の前には流れる血や、神経の状態がリアルタイムで映し出されます。
臓器の触覚は、あらかじめ、データとして取得しています。
それを、臓器の3D位置情報に割り振ることによって、
実際に手術をしたときと変わらぬ「触覚」を感じることができます。
この技術が確立されれば、詰将棋のように、
様々な症例の手術を何度でも「再現」することができます。
これによって、外科医の手術の精度が
大きく向上するかもしれません。
また、教育分野における応用も考えられます。
マイノリティーの世界を垣間見る
世の中には「特殊な感覚」を持って生まれた人々が居ます。
例えば、文字に「色」がついて見える「共感覚」と呼ばれるものや、
一部のサヴァン症候群の人に見られる
「数字が景色に見える感覚」などを挙げることができます。
Oculus Riftを幼少期の教育に用いることによって、
このような「特殊な感覚」を、実際に体験することが可能です。
そんな教育が、将来的にどのような結果を
もたらすのかはわかりません。
しかし、何かの「才能」を目覚めさせたり、
新たな思考や感覚を育てる可能性は、十分にあります。
胎内教育がブームになったときのように、
この分野でも様々なメソッドが、確立されていきそうです。
ウェアラブルの時代がやってくる
Oculus Riftを皮切りに、
これから様々なデバイスが世の中に生み出されていきます。
携帯電話の出現が、私たちの生活を一変させてしまったように、
これらの新しいデバイスも、私たちの世界を大きく変えていくでしょう。
ウェアラブル・デバイスの動向から、目が話せません。
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黄塚 森(Shin Kozuka)について
「起業の学校」アントレプレナーアカデミー全体統括。社内外を問わずwebを中心としたマーケティングに携わる。読者1万5,000人のメルマガを執筆する他、記事作成などコンテンツ製作を得意とする。経営者向けセミナーの企画・運営も行っている。