入社1年目の新しい仲間に、私たちが出来ること | |
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投稿日: 2014/4/11 | カテゴリー: マネジメント |
新入社員を迎え入れる季節
4月に入り、通勤の道中で
慣れないスーツに身を包み、少し緊張した面持ちの
ビジネスマンを、多く目にするようになりました。
4月は「変化」の季節。
新入社員という、新しい仲間を迎えて、
身を引き締めている方も、多いのではないでしょうか。
私はこの季節になると、いつも考えてしまいます。
それは、
「人の成長には、何が必要なのだろう」
ということ。
何事も「最初」がとても肝心です。
新入社員を迎えるこの季節、
私たちには、いったい何ができるのでしょうか?
何が「人生の成功」を決めるのか
近年、研究が盛んに行われている分野のひとつに
「何が人生の成功を決めるのか?」があります。
これまでは「認知スキル」と呼ばれるものが、
人生の成功と結びついていると考えられてきました。
認知スキルとは「知能検査」で測定できるような知力のこと。
文字や言葉を認識したり、計算をしたり、
共通のパターンを見抜いたりする能力のことです。
こうしたスキルを伸ばすための最良の方法は、
次の2つだと言われています。
「可能なかぎり、練習を重ねること」
「可能なかぎり、早く始めること」
こうした研究の流れの中で、
「量をこなすことが重要だ」という意見が
様々なところで言われています。
しかし、ここ数年のあいだ、
経済学者、心理学者、教育者、神経科学者が、
この考え方に対して疑問を投げかけ初めました。
それは「スキル」よりも「気質」の方が
重要なのではないか?というもの。
つまり、「量をこなす」ことは変わらずに重要なのですが、
それ以前の、「量をこなすために必要なもの」が
あるのではないか?ということです。
どういうことでしょうか?
スキルよりも気質
近年、研究者の間では人生の成功にとって、
本当に必要なものは「気質」なのではないか?と言われています。
気質とは、
「粘り強さ」
「自制心」
「好奇心」
「誠実さ」、
「ものごとをやり抜く力」
「自信」
などのこと。
一般的に「性格」と呼ばれるような部分のことを言います。
様々な統計や、追跡調査でわかったことは、
「学校の成績」や「個人の能力」よりも、
この「気質」の部分が「成功」に寄与しているということです。
さらに、この「気質」に関しては、
興味深い研究結果が出ています。
それは、
「幼少期に両親からの愛情を受けているほど、気質が伸びる」
ということ。
ラットを使った実験で、
幼児期に適切な愛情を受けると、
次のような特徴が育まれることがわかりました。
・リスクを取った行動ができる(大胆)
・好奇心旺盛
・高知能
・社会性
・攻撃性が低い
・自制が効く
・健康で長生き
・ストレスに強い
・自立心が強い
「愛情」と言っても、大それたものではありません。
泣き声が聞こえたときに、すぐに駆けつけるとか、
不安を感じた後に、腕に抱いてあげるとか、
そういった一般的な行動のことを言います。
このような「ほんの些細に見える」違いが、
後々に、大きな差となって現れるのです。
そして、ここまでの話は、
新入社員にも言えるのではないかと、
私は考えています。
新入社員に向けて、私たちができること
「社会人1年目」というものは
人間における幼児期のように、重要なもの。
この1年間で、
「“仕事”をどのように考えるか」
「どこまで自己成長していけるか」
「会社のために、どこまで頑張れるか」
その方向性が決まります。
この時期に、新入社員に必要なものは何でしょうか?
私は、幼児期と同じように、
「愛情」なのではないかと思います。
「会社がどれだけ、自分を必要としているのか」
「自分の仕事が、どんなに人を幸せにするのか」
「努力をすれば、自分にはこんなことができるんだ!」
それを感じられた人は、
自分から、自然に、仕事を大切にします。
仕事に対して、全身全霊で取り組むようになります。
自分の周りを見ていても、
急速に成長している人には、
これらの経験が共通しているように感じます。
新入社員には、大きな愛情を与えてください。
「成長を望んでいること」
「心から期待しているということ」
「会社はあなたを必要としているということ」
それを、しっかりと伝えてください。
愛情を与えることは「甘く」することともまた、違います。
時には、厳しい言葉も必要です。
でも「相手を心から思っていること」が伝わっていないと、
その「厳しい言葉」は、ただ相手を傷つけるだけです。
私たちに出来ることは「愛情」を与えること。
それが結局、大きな成長への、一番の近道なのだと思います。
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黄塚 森(Shin Kozuka)について
「起業の学校」アントレプレナーアカデミー全体統括。社内外を問わずwebを中心としたマーケティングに携わる。読者1万5,000人のメルマガを執筆する他、記事作成などコンテンツ製作を得意とする。経営者向けセミナーの企画・運営も行っている。