働きアリの法則(2:6:2の法則) | |
|
|
投稿日: 2013/10/04 | カテゴリー: 人間力・思考力 |
働かない”働きアリ”!?
今回は『働きアリの法則』(2:6:2の法則)をお伝えします。
アリは働き者というイメージがありますが、
実は数%のアリは、働かずにフラフラ遊んでいるそうです。
100匹の働きアリを観察すると、
そのうちの20匹(20%)が良く働き、
60匹(60%)が普通に働き、
そして残りの20匹(20%)が全く働かない状態になっているそうです。
働かないアリは、どうしても生まれてしまう
仮に、働かないアリ20匹をそこから取り除くと、
残った80匹のうち、16匹(20%)が良く働き、
48匹(60%)が普通に働き、
16匹(20%)が全く働かない状態へ再編成され、
常に「2:6:2」の比率になるそうです。
逆に、良く働くアリばかりを集めても、
まもなく数%のアリは遊び出すと言われています。
”アリの法則”と食物連鎖
この法則は、生物界の食物連鎖にも関連しています。
例えば、狼と鹿が生息している地方に、
鹿を保護するという名目で、
人間が銃で狼を撃ち殺し、絶滅したとします。
狼がいなくなったので鹿が異常に繁殖し、
鹿の大群は草を食べつくしてしまい、
その結果、食べる草がなくなった鹿も絶滅してしまうのです。
狼が生息しているからこそ、
鹿も絶滅せずにすんでいた訳であり、
全ての生物は本来、絶妙なバランスで存在していて、
自然の均衡を保っているのかもしれません。
人間の集団に現れる”アリの法則”
人間が集団を構成しても、アリと同様に、
「優秀な人が2割、普通の人が6割、あまり働かない人が2割」
の構成になりやすいのです。
例えば、集団で何らかの活動をすると、
- 2割の人が、率先してリーダーシップを発揮し、
- 6割の人が、そのリーダーシップに引っぱられて働き、
- 残り2割の人が働かない傾向があると言われています。
さらに6割を細分化すると、
次の5つのグループ(第2、3、4集団)に分類されるので、
「集団1/5の法則」とも言われています。
- 第1集団:自発的にやる気を出す人達
- 第2集団:他にやる人が居ればやる気を出す人達
- 第3集団:命令されればやる気を出す人達
- 第4集団:命令されてもやる気の出ない人達
- 第5集団:やる気のある人たちの足を引っ張る人達
アリと同様に、2割のサボっている人達を除いて、
残りのメンバーだけで同様の活動をしても、
やはり、メンバーの中の約2割の人が新たにサボり始めます。
逆に、サボった人ばかりを集めてグループを作り、
活動をさせると、その中の約2割の人がリーダーシップを発揮し始め、
6割の人は、それに引っぱられて動き始めるそうです。
スターばかり集めても”最強集団”はつくれない
スポーツの世界でもお金をかけてスタープレイヤーを集めて、
最強チームを作ろうと今まで何度と試みられましたが、
ことごとく失敗しています。
逆に、スタープレイヤーを引き抜かれてしまったチームには、
次のスタープレイヤーが誕生している実例もあります。
私の経験からも、とても優秀だった人が退職しても、
不思議と今までは6割グループだった人が、
あらたにリーダーシップを発揮し、
働かない2割の人が退職しても別の人がそのグループに編入したりします。
よく「自分がいなければ、この会社は潰れる」と本気で考えている人がいますが、
実際にその人がいなくなっても、多くの場合は予想以上の問題は起こりません。
それは、このような理由からかもしれませんね。
”アリの法則”をビジネスで活用する
それでは、この法則を理解した上で、
どのように活用すべきなのでしょうか。
例えば、会議で発言しない人がいたとします。
その人に発言させるには、発言しない人ばかり集めて会議をすれば良いのです。
無口な人ばかり集めて会議をさせると、
ちゃんと口を開き始める人が生まれます。
そして、その中から、リーダーシップを発揮する人も出てきます。
人は、不思議と「自分がいる集団」によって、
様々な役割を自然に演じるのです。
だから、会社内に色々なプロジェクトチームを編成し、
各プロジェクトを任せきることも方法でしょう。
面白いもので、社内清掃や引越のような時にもはっきりと2:6:2に分かれます。
しかし、そのような時こそ、経営者はリーダーシップを発揮せずに、
任せるきることが重要なのではないでしょうか。
むしろ、逆に出来ない2割に徹する(役割を演じる)ことも
意図的な戦略ではないでしょうか。
人は、働かない人ばかりの集団だと
逆にリーダーシップを発揮して働く気になる人もいますし、
働く人ばかりの組織に入るとむしろ控え目になり働かなくなることもあります。
強い組織、弱い組織に関わらずこの法則は存在するようです。
”普通の6割”を”上に”引き上げる
起業した方は、昔の同僚に言わせると、
「彼はなるべきしてなった優秀な起業家」、
そして「意外な変身ぶりに同僚が驚かされる」という2タイプに分かれます。
前者は、前職でも”2割の人材”として活躍されていた方でしょう。
後者はこの法則の逆バージョンで、”普通の6割”だった人が
起業によって”2割の人材”へと変化したのかもしれません。
自身で自発的にやらざるを得ない環境を創ることも
法則を活用する方法なのかもしれません。
上の2割が強ければ真ん中の6割が上に引っ張られることになり、
下の2割が強ければ下に引っ張られることになります。
つまりは、前向きな2割(プラス発想、やる気に満ちている、取りあえずやってみよう)の経営者が、
どちらつかずの6割 (上下2割の影響が大きい方に動く)を引き上げることがキーとなります。
しかし、全員を引き上げることは法則に従えば不可能なので、
5%ほどを引き上げるだけでも、他社との大きな差を生みだすと思います。
コメントを投稿する
「働きアリの法則(2:6:2の法則)」に対するコメントをどうぞ!
阪東 浩二(Koji Bando)について
株式会社ビジネスバンクグループ専務取締役。3千社以上の起業相談を受けてきた実績から「起業支援の専門家」と呼ばれる。複数の会社の社外取締役、監査役も務める。実体験から生み出された、営業ノウハウと経営スタイルが起業コンサルタントとして支持されている。