起業・経営のための「パレートの法則」の使いかた | |
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投稿日: 2013/09/26 | カテゴリー: 起業・経営 |
こんなにある!不思議な「パレートの法則」の事例
経営や営業に役立つ、いくつかの法則について連載させて頂きます。
今回はパレートの法則(80対20の法則)をご紹介します。
あまりにも有名な法則なので、みなさんもよくご存知かと思いますが、
実際にビジネスシーンでこの法則を活用されている方は意外と少ないです。
パレートの法則とは、「全体の20%の要素が、全体の80%を占めている」という法則です。
例えば、世界中の全てのお金は、
上流階級20%の人々が、全体の80%のお金を所有しています。
つまり、20%のお金持ちが全体の80%をシェアしているので、
残り20%のお金を80%の人々でシェアしていることになります。
その他の事例としては、
- ・所得税の80%は、課税対象者の20%が担っている
- ・商品売上の80%は、全商品銘柄の20%で構成されている
- ・売上の80%は、全従業員の20%が作っている
- ・仕事の成果の80%は、費やした時間全体の20%の時間である
- ・故障の80%は、全部品の20%に原因がある
全体の20%が80%を占めているというこのバランスを発見したのは、
イタリアの経済学者であるパレートです。
この法則は経済のみならず自然現象や社会現象などにも当てはまることで有名となりました。
ネクタイのバリエーションにも「パレートの法則」が!?
もう少し身近な事例で説明しますと、
例えばネクタイを全部で30本持っているとします。
そのうちの20%、つまり6本のネクタイがお気に入りであり、
全体の80%の使用頻度を占めています。
月20日の営業日数に対して、なんと16日間は、
このお気に入りのネクタイ6本だけを利用していて、
残りの24本のネクタイは、4日間の中でしか使われていない計算になります。
つまり、ほとんどのネクタイが箪笥の肥やしとなっているのです。
この割合は自然の法則でもあり、
無意識でいるとその傾向になってしまうのです。
ちなみに、新調したお気に入りのネクタイが加わると、
以前の6本の内から1本は上位20%から脱落していくのです。
おそらく、16本のネクタイの中には、以前は重宝していたモノが混ざっています。
だから、私はネクタイを新調する際は、
使用頻度が減っているネクタイを処分して
決めた持ち合わせの上限数を超えないようにしています。
回転寿司と「パレートの法則」
別の事例では、十数年前に回転寿司の経営コンサルタントをしていた時のものがあります。
そのお店は電話予約でテイクアウトも提供していました。
当時はまだ顧客情報をデータベース化する発想が一般的ではありませんでした。
そこで私は、電話予約時にオーダーされた伝票に目を付けて、
3,000以上の伝票を全てデータ化しました。
お持ち帰りのオーダーなので、
伝票にはお客様名、電話番号、住所、売上額が記載されていたのです。
これをデータ化して、分析した結果、
全体の売上額に対して、上位20%の顧客が、
なんと全体売上額のほぼ80%を占めていたのです。
あまりにも綺麗なパレートの法則がなされている分析結果に、
当事者の私自身が驚かされました。
お店側は、全顧客に対して変な平等意識があり、
上顧客に対しての特別扱いがなされていませんでした。
そこで、上位20%の上顧客に対しての販促費用を徹底強化したところ
費用対効果が抜群にアップしました。
毎日順番に1ヶ月間のローテーションでネクタイを回している人がいるでしょうか?
もちろん、戦略的にスケジュール化している人は別ですが、
無意識に選択しているとこの自然の割合になってしまいます。
しかし、全体の20%前後の割合が、
80%を占める影響を与えている事実がパレートの法則として存在しているのですから、
意図的に活用すれば、大きなメリットが得られます。
20%のポイントさえ押さえられれば、
80%ものパフォーマンスを発揮することが出来るのですから。
20%である強みを知り、戦略的に計画行動されると
この法則を活用することが出来るのではないでしょうか。
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阪東 浩二(Koji Bando)について
株式会社ビジネスバンクグループ専務取締役。3千社以上の起業相談を受けてきた実績から「起業支援の専門家」と呼ばれる。複数の会社の社外取締役、監査役も務める。実体験から生み出された、営業ノウハウと経営スタイルが起業コンサルタントとして支持されている。