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阪東浩二の起業のすすめ

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『天知る地知る』〜皿洗いからの学び〜

成長には必ず”踊り場”がある


企業が成長し、規模を拡大していく時に、
その成長スピードは均一ではありません。

ある程度成長すると必ず踊り場が訪れて停滞し、
また成長するという経緯を繰り返しながら発展していきます。

もちろん、業種や経営者の考え方で個人差はありますが、
その“踊り場”には傾向値があると言われています。

それが1・3・5という数値。
1と3と5の近辺で踊り場があるという統計的なデータから、
『1・3・5の法則』と呼ばれています。

具体的には、人数や売上規模で、
1,3,5,10,30,50,100,300,500・・・というところに踊り場がある。

その時には今までとは全く違うシステムで変わらない限り、
次のステージには行けないと言われています。

”貯金”にも1・3・5の法則が働く


例えば、1・3・5の法則を個人の貯金推移で振り返ってみましょう。

最初の100万円を貯めるのは難しいけど、
100万円が貯まると300万円を貯めるのは、それほど難しくありません。

100万円から300万円までには200万円を貯める必要があるにもかかわらず、
最初の100万円を貯めた期間よりも、むしろ短期間で300万円が貯まります。

私の母もこの経験談を20代の私に、力説していたことを今でも思い出します。

母曰く、
「100万円を貯めるまでは節約第一で
 どんなに苦しくても使ってはいけない」
と教えてくれました。

もちろん、その前段階の10万円、30万円、50万円で、
其々の踊り場があり、そこで物欲に負けて消費してしまうこともあるでしょうが、

100万円を貯められると不思議と次の踊り場である300万円まで
スムーズに貯蓄出来たのも事実でした。


しかし、何故か、300万円くらい貯まった頃に出費が増えたりして、
その踊り場で膠着状態が続き、脱することが出来なくなります。
この踊り場を耐えると500万円まで一気に貯まるのだと思います。

つまり、その膠着状態が踊り場であり、新たな方法や行動を見出さない限り、
次のステージに進めないことを教えてくれているのです。

ちなみに、年収の分布図でも、この法則の傾向値が当てはまります。
日本人の年収分布図は、300万円、500万円、
そして1000万円前後に密集しています。

折れ線グラフでみるとその辺りに山が出来ています。
3000万、5000万、1億にも小さいですが、やはり上昇がみられます。

企業成長の”踊り場”


企業においても同じで、1億の売上を達成したら、
次は、20%UPの1億2千万円ではなく、3億を目指すべきなのです。

1・3・5にある踊り場で次の展開を考えることが重要です。

従来と同じ発想で続けてしまうと、努力してもそれほど成果が伸びません。

決して1年で1億から3億にする必要はないですが、踊り場で発想を変え、
組織作りや社内の仕組作りの準備を整えて、次のステップを目指すべきなのです。

1・3・5の周期で次のステップへと進めますが、
特に、5から10へのステップが一番難しい踊り場だと思います。

具体的には、売上5億から10億へと飛躍が至難の技で、
組織的に大きな変化を試みないと到達できないと言われています。

”収穫”と”効率”の関係性


別角度で、経済学には、『収穫逓減(しゅうかくていげん)の法則』があります。
一定の土地から得られる収穫は、

投下された労働量、資本量に比例してある程度まで増加するが、
ある限度を超えると次第に減っていくという法則です。

つまりは、ある程度の収穫をピークに、
その後は収穫が増えると効率が落ちるという法則です。

これは企業経営では切実な問題です。

「売上3億円の頃が一番利益も取れたよ。
 売上が5億円や10億円になったらかえって利益が落ちたよ」

知り合いの数名の経営者から聞いたことがある話です。
ここにも収穫逓減の法則が働いています。

”100億円企業”の2つのカタチ


ある経営者は、グループ企業の年商が100億円に達しました。
彼の考えは、10億×10社の発想です。

「10億から30億へ伸ばす努力よりも、10億までの企業を
 新たに増やす方が簡単であり、リスクも分散される。

 ましてや、経済成長の鈍い時代は、
 規模の拡大はリスクが大きく、継続も難しいので、
 10億あたりの企業を横展開で増やすことが望ましい」

とのこと。


「一度、10億企業を作れたのであれば、
 あとは経営的には同じことの繰り返しなのでさほど難しく無い。
 しかし、1社で100億企業は、経験が無いので分からない」

とも話されていました。


今回は、統計的割合からの『1・3・5の法則』をご紹介しました。
1と3と5の近辺で踊り場があると統計的傾向値でも表されています。

その踊り場をどのように乗り越えるか?
或いは、『収穫逓減の法則』で、その踊り場がピークであるかも知れません。

それを判断が出来るのは経営者であり、
また、軌道修正することも経営者の判断です。

ぜひ、1・3・5の辺りで踊り場を迎えていたら参考にして頂ければ幸いです。

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阪東 浩二(Koji Bando)について
阪東浩二株式会社ビジネスバンクグループ専務取締役。3千社以上の起業相談を受けてきた実績から「起業支援の専門家」と呼ばれる。複数の会社の社外取締役、監査役も務める。実体験から生み出された、営業ノウハウと経営スタイルが起業コンサルタントとして支持されている。

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