起業の成功率を５倍にします！「起業の学校」アントレプレナーアカデミー

「皿洗い」も”天”は見ている

『天知る地知る』という言葉がありますが、
周りの人は本当に正当な目を持たれているとつくづくと感じます。

善い行いも悪い行いも、
全て天はお見通しで、地には嘘は付けないと、私は実体験から学びました。

直ぐには認められなくとも、
長期スパンで考えると必ず正しい善き行いを行なっている人が
最終的に評価され認められている。

そんな、世の中の道理を感じるようになりました・・・。

1日5時間。超貧乏学生の生活の糧

私は二十数年前に単身で渡米し、大学生になりました。
当日の私は超貧乏学生で、
入学とともに大学内でアルバイトを始めないと生計を立てられませんでした。

しかしながら、英語力が乏しい当時の私に出来る仕事は、
学内レストランでの皿洗いだけでした。
毎日、授業が終わり次第、お皿を5時間洗い続けました。

単純な作業に飽きもしましたが、
仕事を頂けたことに感謝していました。

ただ、当初は、いつも目の前の時計とにらめっこ。
「まだ、10分しか経っていない！なんと時間が長いのだろう！」と感じたものです。

そんなある日、15分間で何枚のお皿を洗えるかを計ってみました。
そして、次の15分は何枚多くのお皿が洗えるかにチャレンジし、
自分自身の中で記録更新ゲームを楽しむようにしました。

そうすると、不思議と時間の経過がとても速く感じられたのです。

「あと残り1分しか無い！あと何枚多く洗えれば、新記録だ！」と
15分インターバルをゲーム感覚で楽しむようになっていました。

同僚の反応は、冷たかった

それを見ていた同僚は、呆れ返っていました。
時給のアルバイトなので頑張ろうとサボろうと時給は変わらないからです。

特に、アフリカや南アメリカからの留学生は、逆に
どれだけサボれるかを目的にして、何度もトイレに行き、
お皿を洗うよりトイレの時間が長い人もいたぐらいです・・・。

彼らからすると、私の行動は到底理解することが出来なかったようです。

しかし、マネージャーはしっかりと見ていた！

1ヶ月が経過した頃、マネージャーから声が掛かり、
次の仕事が与えられました。

タマネギ剥きのお仕事です。
巨大なポリバケツに一杯になるまでひたすら皮を剥き続けます。

これも単純な仕事でしたが、お皿洗い同様に
どれだけ早くポリバケツを満タンに出来るかを計測し、
私なりに楽しみながら仕事をしました。

仕事を楽しんで一生懸命にタマネギ剥きをしている私に、
マネージャーは様々な仕事を与えてくれました。

タマネギ剥きの次は、料理をお皿にサーブする仕事、さらにその次はレジの仕事…。

半年後にはなんと、私はアルバイトマネージャーにまで昇級していました。

仕事を通じて友達は増えるし、英語力も上達する。

さらに賄い料理も、お金も頂ける仕事が嬉しくて、
本当に感謝していました。

収入2倍の新バイト

1年後、友達の紹介でキャンパス外の高級レストランで
アルバイトをさせて頂くことになりました。

時給は2倍になりましたが、またお皿洗いからのスタートです。

前回同様に、記録更新ゲームで楽しく仕事をしました。
1ヶ月もしたらバスボーイのポジションを頂き、
半年後にはウェイターに昇級していました。

アメリカではチップを頂くウェイターの地位は日本以上に高く、
学生のアルバイト感覚では決して出来ないプロの仕事でした。

マネージャーはそのチャンスを留学生の私に与えてくれたのです。

そして、1年後にはフロアーを任されるマネージャーに昇級していました。
その頃には、レストランのアルバイト給だけで十分に生活が出来るようにもなっていました。

面白い仕事、つまらない仕事

話が長くはなりましたが、お皿洗いの仕事もタマネギ剥きも、
面白い仕事か面白くない仕事かは、皿やタマネギ自体には関係ありません。

面白いか面白く無いかは、
仕事がしている人が決めることであり、感じることなのです。

私は、与えてくださった仕事が嫌でも何でもなかったのですが、
時間を計り、記録更新ゲームを導入したことでとても楽しくなったのです。
その姿を周りの人は、ちゃんと見てくれていたのです。

料理サーブやレジの仕事は、
お客さんとのコミュニケーションが必要です。
私は英語力を磨くチャンスだと捉え、
必死にお客さんへ話かけました。

その甲斐もあり、アルバイト仲間だけで無く、
校内の友達も増えました。

私にしてみれば、食事もお金も頂けるこの仕事は
一石何鳥もの価値がある仕事。

とても楽しみながら仕事をしていただけなのですが、
その姿を周りの人は、ちゃんと見てくれていたのです。

次のウェイターの仕事は、
チップが直接の報酬になるので、
どうしたら沢山のチップを頂けるのか、
お客さんにどのような対応をしたら喜んで頂けるのかを日々考え抜きました。

考えたことを即行動に移し、
そして修正とあらたな行動を繰り返すことで、
チップは徐々に増えて行きました。

フロアーマネージャーを任せて頂いた時は、
チームメンバーのチップがどうしたら増えるかをいつも考えていました。

例えば、もう一杯ドリンクをオーダー頂くためには
どうしたら良いかを日々工夫しました。

ちなみに、この段階になると時給では無く、
成果報酬体系になるので、
頑張れば頑張るほど報酬が増える喜びも初めて経験したと言えます。

みんな、ちゃんと見ている

この時の体験がその後の起業に影響したことも間違いありません。
益々、仕事が楽しくなり、真面目に一生懸命に働きました。
その姿を周りの人は、ちゃんと見てくれていたのです。

以上は、二十数年前のアルバイトを通じての経験談ですが、
その後の仕事でも同じです。

与えられたことを一生懸命に全うしているその姿も、サボっているその姿も、
周りの人はちゃんと見てくれていました。

今になって言えることは「仕事を任せる立場の人間は
その人の行動をしっかりと見ている」ということです。

それは社内の部下だけではありません。
取引先の仕事内容、お客さんの言動など、全てしっかりと見ているのです。

例え直接見えなくとも、人は感じられるものです。
もちろん、部下は部下で上司のことをしっかりと見ていますし、
人は、他人の言動を注意深く、しっかりと観察しているものです。


多くの方は、他人観察はとても上手なのですが、
自分自身の行動を俯瞰的に見ることが出来ないものです。

善い行いも悪い行いも、
天は全てお見通しで、地には嘘は付けない。
いつも誰かがちゃんと見てくれているのです。

『天知る、地知る、我知る、人知る』誰も知らないと思っていても、
自分自身が一番知っている筈です。

ＰＲが上手な人と下手な人はいますが、
周りの人はそれもひっくるめてちゃんと見ています。

だから、直ぐには認められないことでも、
正しいと信じたことをやり続けた人は、
最後は評価されるし、成功もしている。

このことは沢山の起業の現場から、つくづくと感じられるようになりました。
不思議と世の中には、正当な道理が存在しているのですね。