平凡なことを非凡に努める:鍵山 秀三郎 氏 | |
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投稿日: 2014/5/28 | カテゴリー: 経営者の教え |
今では誰もが知っている自動車用品の販売会社「イエローハット」。年商900億円を超える同社は50年前、創業者の鍵山氏が自動車の行商からスタートさせました。まさに裸一貫から上場企業を築いた鍵山氏に、成功の秘訣をお教えいただきました。
成功と失敗の分かれ道は「とても小さなこと」
「やっておいてよかった」
「やっておけばよかった」
この2つが、人生の成功と失敗を分けると、鍵山氏は語ります。この2つの差は、本当に些細なもの。しかしそれが1日、1週間と積み重なっていく。そして1ヶ月、1年と経つうちに、大きな差となるのです。
実際、1日「1%の差」を1年間続けると、どのくらいの差になるのかを計算してみると、驚きの結果が得られます。1年後の差はなんと「3,778%」。たった1%の差が、1年後には約38倍もの差に膨れ上がるのです。
「微差の積み重ねが大差を生む」
一見「物凄く小さなこと」にしか思えないようなことこそ、徹底することが大切なのです。
”凡事徹底”とはなにか
鍵山氏は現在、日本を美しくする会の相談役を務めており、日々、日本を美しくするために全国で「掃除」を行っています。「掃除」という誰でもできる凡事を、誰にも出来ないレベルで極めている鍵山氏にとって、『凡事徹底』とは何なのでしょうか。
そこには、3つの条件があります。
【凡事徹底の3つの条件】
・全てに行き渡ってること
・その人の「主義」と「行動」が迷うことなく一貫していること
・全ての物を活かし尽くすこと
「大きな結果は、凡事の積み重ねの上にある」
一見すると、単純で簡単なことのように見えます。しかし、凡事を徹底していくこと、そして徹底“し続ける”ことは、とても難しいことです。偉大なことを成し遂げるために必要なことは「ウルトラC」ではなく、「誰でもできることを、誰もやらないくらいやること」なのです。
人生の3つの幸せを追う
鍵山氏が、講演のいつも講演の最後に紹介する言葉があります。それが「人生には3つの幸せがある」というもの。人生には、次の3つの幸せがあります。
【人生の3つの幸せ】
・もらう幸せ
・できる幸せ
・与える幸せ
幸せは、この順番で変わっていくといいます。まずは「もらう幸せ」。誰かに何かを与えてもらって、感じる幸せです。そこから自分が成長していくと、やがて「できる幸せ」が得られます。今まで出来なかったことが、出来るようになる。それが「できる幸せ」です。そして、さらに成長していくと、「与える幸せ」を味わえるようになります。自分がつくる価値によって、誰かを満たし、その行為を通して自分が幸せを感じるのです。
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3つは上から順番に幸せの大きさが増していきます。つまり、3つめの「与える幸せ」が最も大きな幸せ。経営者とは、社会に価値を「与える」仕事。「与える幸せ」を味わえることが、経営の醍醐味のひとつなのです。
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鍵山 秀三郎 氏
イエローハット創業者
日本を美しくする会 相談役
1933年、東京都生まれ。52年、疎開先の岐阜県立東濃高校を卒業。53年、上京して自動車用品会社「デトロイト商会」に入社。61年、独立して「ローヤル」を創業。当初は自転車1台から行商をスタートさせた。97年、東証第一部上場とともに、社名を「イエローハット」に変更。98年、同社相談役となる。誰にでもできる簡単なことを徹底して実践する「凡事徹底」を信条とし、創業以来“掃除”を続けている。創唱した「日本を美しくする会」の活動は国内外にまで広がる。現在、同会の相談役を務めている。著書に『小さな実践の一歩から』『凡事徹底』(致知出版社)、『一日一話』(PHP研究所)など。