起業した時点でNo.1になる方法 〜新しいカテゴリーをつくる〜 | |
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投稿日: 2013/07/09 | カテゴリー: 商品力 |
「No.1戦略」とカテゴリーのつくりかた
「No.1戦略」というものを聞いたことがあるかと思います。とても簡単に言うと、
お客さまは「◯◯といえば?」聞かれて、1番に頭に浮かぶ会社の商品を買う。
だから、あるカテゴリーで1番を目指そう!というものです。
ただし、起業直後の会社や、小さな中小企業が「既存のカテゴリー」において1番を取ることはとても難しいことです。ほとんどの場合、そこにはすでに大企業や、力のある会社が存在するからです。そこで重要となるのが事業・商品の「ポジションニング」「差別化」「絞り込み」です。
ポジショニングは、市場における”空白地帯”を見つけるために行うものです。小さくても、競合の居ない真っ白な場所に進出することで、ライバルの居ない場所で「No.1」を宣言することができます。
起業するとき、新規事業をつくるとき、新商品を開発するときには必ず考える必要があります。ポジショニングをしっかりと考え「No.1」をとった会社は、起業直後で無名なときでもお客さまに商品を買って頂くことができます。
ポジショニングは「つくる」もの?
定義から考えると、ポジショニングとは「探すもの」という印象を受けます。
でも、ポジションニングという概念を最初に唱えたジャック・トラウトとアル・ライズはこう言っています。
「特定の分野でNo.1になりなさい。
あるカテゴリでN0.1になれないのなら、新しいカテゴリーを作りなさい」
つまり、カテゴリーを「つくる」ことによっても、新しいポジションを獲得できるのです。
今回は「食品」のトレンドを例に、新しいカテゴリー創出方法について考えてみます。
新しいカテゴリーをつくる「2つ」のアプローチ
新しいカテゴリーの創り方は、数限りないアプローチが考えられます。
最近のトレンドを見ていくと、その中でも次の2つのアプローチが成果を上げているように感じます。
1.複数のカテゴリーを重ねる
2.既存のカテゴリーを動かす
それぞれを詳しく見ていきます。
1.複数のカテゴリーを重ねる
このアプローチで新しいカテゴリーを勝ち取ったものには「ゴパン」や「クロナッツ」があります。
ゴパンは、お米を使ってつくるパンです。普段、交わることが無いと考えている「お米」と「パン」というカテゴリーの真ん中を取ることで、新しいカテゴリーをつくりました。
クロナッツは、現在NYで大ブレイク中の新スイーツです。「クロワッサン」と「ドーナツ」の真ん中を取り、新しいカテゴリーをつくっています。
世界的ベストセラー『アイデアのつくり方』の著者であるジェームズ・W・ヤングが
「アイデアとは既存のものの新しい組み合わせでしかない」
という名言を残していますが、カテゴリーにおいても、同じことが言えます。
2.既存のカテゴリーを動かす
このアプローチは動かす軸によってさらに3つに細分化できます。
a. 場所 b. 業界 c. 時間
それぞれを詳しく見ていきます。
a. 場所
ひとつめは「物理的」な移動です。
自分たちが居る場所(地域・国・コミュニティー)で当たり前のものでも、場所が変われば新しいものとなる場合があります。
このアプローチで成功を納めているのが「クリスピー・クリーム・ドーナツ」や「エッグスンシングス」などです。
クリスピー・クリーム・ドーナツは「日本初上陸!」と大々的に告知し、1号店の開店当初はものすごい行列をつくっていたので、覚えている方も多いかと思います。
しかし「クリスピー・クリーム・ドーナツは輸入元の本場ではすでに衰退し始めている」という事実はあまり知られていません。
場所を変えることで、新しいカテゴリーを獲得した良い例ですね。
「エッグスシングス」はパンケーキブームを日本に持ち込んだお店です。パンケーキと言えばはちみつとバターと考えられていたところに、クリームをこれでもかと盛ったスタイルを持込みました。
これも、エッグスシングスの地元ハワイではスタンダードなスタイル。現地の人々はクリーム盛り盛りのパンケーキを朝食に食べたりしているそうです。
これも「場所」の変化が「新しさ」をもたらしています。
b. 業界
業界を変えることでも、新しいカテゴリーを獲得できます。
最近、渋谷で大人気のチーズケーキ専門店「PUBLO」はケーキは冷やしてから食べるものという常識を覆しました。店頭では「焼きたて」でレア状態のチーズケーキを食べることができます。
パンや料理の世界では「出来立てが一番おいしい!」というのが常識です。その”常識”をケーキに持ち込んだことで「焼きたてチーズケーキ」という新しいカテゴリーを獲得しました。
他の例には「ザクとうふ」があります。販売直後すぐに完売となり、再販売。現在はシリーズ第3段が発売中という人気商品です。
この商品の何が新しいのかというと「形」です。アニメの人気作品「ガンダム」に出てくる「ザク」の形をしています。
他の業界では「デザインを工夫する」というのは当然のこととして考えられています。でも、豆腐の世界は四角いものがほとんど。数年前から「豆腐屋ジョニー」が参入し、パッケージのデザインは工夫されていましたが、豆腐自体の形を工夫するアプローチはまだ取られていませんでした。
c. 時間
レトロブームという言葉を良く耳にしますが「過去のもの」に目を向けることによっても、新しいカテゴリーを獲得できます。
最近、亀有に出店して話題となっているお店が「吉田パン」です。開店初日には300人が列を作った程の人気店で、現在でも連日行列をつくっています。このお店が提供するのは「コッペパン」です。
焼きたてのパンにあんこ・ジャム、ナポリタンやハムカツなどをその場で挟んでくれます。
昔からずっと身近にあり続けたもの。そこに目を向けることによって、新しいカテゴリーを獲得しています。
「ビオ・オジヤン・カフェ」も「過去のもの」に目を向けたお店です。このお店は「おじやカフェ」なんです。懐かしいおじやを、おしゃれな空間で食べる。そんな新しい提案で、激戦区のカフェ業界の中で成功しています。
いかがでしょうか。新しいカテゴリーをつくる2つのアプローチ。
新しいビジネスプランや新規事業を考える際に、参考にしてみてください!
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黄塚 森(Shin Kozuka)について
「起業の学校」アントレプレナーアカデミー全体統括。社内外を問わずwebを中心としたマーケティングに携わる。読者1万5,000人のメルマガを執筆する他、記事作成などコンテンツ製作を得意とする。経営者向けセミナーの企画・運営も行っている。